憎しみのスタート

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著者: 大藤 尚子
10月25日 義父が亡くなった。1年半の闘病生活だった。父は自営で精肉店を営んでいた。義父が亡くなった後は 義母と義姉と従業員のお兄ちゃんと3人で 義父の後を継いで精肉店を続けた。

父が亡くなった5日目。
『晃弘…数字が合わんのんよ…』ある日、義姉から主人に電話がかかってきた。義姉は 精肉店の経理をしていた。次の日曜日に主人と私は主人の実家へ無言のまま車を走らせた。
やっぱり おかしい…。経理素人の主人が見てもわかる不自然なお金の流れが あった。直ぐに取引き先の銀行へ 過去のお金の出し入れがわかる物を 過去数年分 紙面で提出して貰った。
直ぐにわかった…あいつだ!
ずっと義父が信用していた取引き先銀行の支店長までしていた男。信用して たまに経理を任せていた 色黒の女癖の悪い おしゃべりな男。男の名は 大田。
それから 義母の憎しみが始まった。

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