とある教室の片隅で 〜Misuzu's Lesson3〜

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著者: Asaka Misuzu

【Misuzu's Lesson3】 最強の自信




パタパタパタ・・・

ガラッ!


『先生ーいるっ?』


『あなたはいつも元気よねー。

階段を駆け上がってくる足音で

あおいちゃんだってすぐにわかったわよ。』


『そうなんだ。

ってそんなことよりも先生に報告があってきたんだ。』


『なにかしら?』


『私ね、なんだか自分のことが好きになってきたの。

自分のキライなところをプラスの視点で見た時に

案外、いいじゃん。って思えたんだ。


面白いのが、

普段ちょっと苦手な子に対しても

自然とそういう風な目で見るようになったのね。


そしたらさ、苦手だって思ってた子と

仲良くなっちゃったの。

ふしぎだねー。』


『その子に対するラベリングを外したのね。』


『ラベリング?』


『一度、この人はこういう人だって

自分の中に認識しちゃうこと。

つまりレッテルを貼るってことね。

そうしちゃうと、あおいちゃんにとってその人は

こういう人だってことになっちゃってるから

それと違う面を見ることができないのよ。

そういうのをスコトーマとも言うんだけどね。』


『ん〜と??』


『わかりやすく言えば

ピンク色のサングラスをかけたら

世界は何色に見える?』


『ピンク』


『じゃ、黒いサングラスをかけたら?』


『黒』


『つまり、そういうこと。

この人はこういう人。

だから私は苦手だって思いこんじゃっていると

本当の姿は見ることができないの。


でも今回、あおいちゃんは

その人に対してもう一度ちゃんとまっさらな目で見たのよ。

だから、その人の違う部分が見えた、というわけ。

その人が急に変わったわけじゃないのよ笑』


『そうなんだ!

知らず知らずのうちに、私は彼女に対してラベリング?してたんだ・・・』


『実は彼女だけじゃなくって

あおいちゃん自身にもラベリングしてるかもよ?』


『えっ?自分自身にも??』


『よく、私ってこういう人だからって言う人いるじゃない?

それから

私はこうであらねばならないって思っている人ね。

意識的にも無意識的にもあるんだけれど・・・


たとえばあおいちゃん、学級委員やってるじゃない?

学級委員はこうあるべき、ってなにか思ったりしてないかしら。』


『あぁ、たしかに。

学級委員はみんなに優しくなくちゃいけない。とか

クラスをまとめなくっちゃいけない。とか

先生の期待にこたえなくちゃいけない。とか

・・・こう考えると色々でてくるな〜。』


『そうよね。

それが悪いわけじゃないのよ。

むしろ、ラベリングすることによって

自分の思い通りの人にもなれたりするの。


私はこういう人間だ。

って理想の自分をラベリングしたら

そういう思考や行動をとっていくようになるし、


逆に

たとえば小さいころに

あんたはおっちょこちょいだね〜なんて言われたら

ケアレスミスを沢山するようになっているかもしれない。


そのラベリングを受け入れたら

人はセルフイメージがそのようになっていくものなのよ。』


『セルフイメージ?』


『セルフイメージってね

自分はこういう人間だ、と思い込んでいる自己像のことよ。

意識の深いところで思っているから

なかなか気づかないこともあるのだけれどね。』


『えーじゃ、もしかして

そのセルフイメージがよくないとどうなるの?』


『そうね〜わかりやすく言うと

自信がなかったり、自己否定感が強くなったりするかな。

逆も然りよ。

セルフイメージがいいと大抵のことはできる、という自信があったり

私には価値がある、といろいろなことを受け取れるわね。』


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