第4話 アルコール依存症② 【ドラゴンロード〜千葉から祈りの島五島列島へ 神に導かれた奇跡の旅〜】

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著者: 椿 ナオミ

アルコール依存症②


夫が「アルコール依存症」と診断されたとき、私は安堵しました。



そんな病気があることは知らなかったけど、長い間この目に見えなかった苦しみの正体がわかり、ホッとしました。



夫の苦しみをとってあげれば


夫が心入れ替え、変わってくれれば


そうすれば、うまくいくはず。



ずっとそう思ってきました。


でも、これは病気だから病気を治す手伝いをすればいいんだ。


そう思いました。



それから私は「アルコール依存症」について知るために本をたくさん読み、ネットで調べまくり、依存症の家族会にも積極的に参加しました。


夫のために依存症のことを知りたいと思いましたが、助けなければいけないのは夫ではなく私だったことに気づかされることになりました。



「依存症」という病は本人の問題行動ととらえがちですが、実は、依存症の周りにいる人たちが自分の問題を見なくするためにすり替えられる病なのです。




私の場合、

小さい頃、母親の背中がいつもかわいそうな人に見えて


「私が守ってあげなければ」


そう思って、子供なりに母親を守ってきました。



母親の笑顔がみたくて


母親が笑っているときが一番うれしくて


自分の心の傷より守りたいのは母親でした。



自分の心の傷にどんどん蓋をして


「私は大丈夫。強いから」



ずっとそう言い聞かせてきました。



夫にどんなに暴言吐かれても

どんなに傷つけられても


いつも「私は大丈夫。強いから。でもこの人は弱いから私が守ってあげなければ」



私にとって、自分を犠牲にしてまでも守る人がいることで、自分の存在価値を認めることができました。


「私がいなければ、この人はどうかなってしまう」


夫の問題に振り回されることで

自分の居場所を作ることができ

自分の問題から逃げることができたのです。



これが「依存症」の正体だったのです。


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