フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 26話

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   お前さ学校だけはやめる気ないと思ってたのに

   いいのか?このまま退学になっても。

   本当にそっちの世界に染まって生きていくつもりか?!

   お前本来は頭いいんだから分かるだろ?!

   水商売なんて、男に酒ついで愛想振りまいて金もらえるのは

   若いうちだけだぞ。いい加減目さませよ!」



私は黙って聞き逃していたが


だんだん彼の言葉を遮りたくなったきた。




「それ、説得しに来たの?それとも同情?」





「同情、ち、ちがう!そうじゃなくて」




「タックンの気持ち分かるよ。ゴメン、元カノがこんなじゃ

   ゲンナリするよね。ホント、付き合ってた頃とは別人だもん。

   言いたくなる気持ちもわかるよ。でもね…」



私は顔を上げてまっすぐ拓也を見た。




「私のこと可哀想だなんて思わなくていいから」



私がそう言うと、拓也はすっかりおとなしくなった。




遠くで電車の走る音が聞こえる。




私は、ため息をついて




彼に「帰ろう」と声をかけようとした。




その時、拓也が口を開いた。





「お前のこと、売春してるって噂流したの… あれ、俺なんだ」




私は、思わず拓也を見た。

拓也は気まずそうに、私を見つめていた。




再び電車の音が聞こえた。


きっと反対車線だろう。




「ゴメンな。オレさ、お前に突然振られて

  しかも、お前がホステスになるだなんて許せなくてさ

  飲み会の席でお前とのことしつこく聞いてきた由美に

  悔し紛れに、ついデタラメ話しちゃったんだよ」



拓也は気まずさから、途中私の目を見なかった。

私は、彼をボンヤリ見つめていた。




 「 まさか、学校で噂になるなんて思いもしなかった」




それは嘘。



私が由美にされたことは付き合ってる頃全部話したじゃない。


あの女、マジで口軽そうだよなって言ってたくせに…




「その直後にお前がサークルやめて、

   クラスで村八分になってるって聞いてさ

   俺… 責任感じてたんだよね、ずっと」




拓也は、まるで罪深い自分に酔っているかのように

顔を両手で覆ってから、悩ましげに遠くを見た。




「ゴメン、桃子」





「もういいよ… だいぶ前の話だし。そのせいで直接的な

   攻撃受けたわけでもないし」




「いや、俺が悪いんだ」



もしかすると拓也にこんな風に謝られるのは

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