フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 26話

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「ほしいの?買ってやるよ、どれ?」



「え、いいよ」



「遠慮すんなって、これか?」



私が、小さく頷くと佐々木はそれを手に取った。



銀のチェーンにつけられた、蒼く光る石は美しかった。



佐々木に渡されて、眺めていると



「ほら、つけてやるよ。後ろ向いて」



と佐々木がそう言うので、私は素直に背を向け髪を上げた。



「お、なかなかセクシーじゃん」



私のうなじを佐々木がジロジロ見るので

気が気ではなかった。


「ちょっと、そんな見ないでください。

  恥ずかしいから」



そう言う私を、あきらかに佐々木は面白がっていた。



付け終わると、佐々木が言った。



「こっち向いて」



私が照れ臭そうに体を向けると



佐々木は私の足元から顔までじっと眺めた。



不思議と嫌ではなかった。



「あ、ありがとう」



私は佐々木を見て言った。




「お前、今日誕生日だろ。プレゼント!そんな安もんでワリイけどよ、

   ま、気持ちこもってっからさ。要はここ!ハート!!な!」



佐々木が胸に手を当てて笑って言った。



私もつられて笑った。



私たちは、そのまま自然に手を繋いで車に乗り込んだ。


嬉しかった


自然にこうやって

この人と触れ合えることが



人を好きになるってこう言うことなのかもしれない。



その人に、何をされても受け入れられることなのかもしれない。


今まで考えたこともなかった。



助手席のシートにもたれて私は幸せだった。






幸せだった

はずだったのに…


あれは錯覚だったんだ

全て、私の思い込み?勘違い?



もうどうだっていい



私がバカだっただけ!



暗い部屋の中、私は膝を抱えたまま



私は石のようにそのままでいた。






そのまま意識が薄れ、眠ってしまった私を


再び呼び起こしたのは



けたたましいチャイムの音だった。



何?!


今度は何なの?

もう!


ああ、うるさい。

何でほっといてくれないの?!



私は、半分寝ぼけたまま


インターフォンを取った。



自分でも分かるほど露骨に迷惑そうな声で言った。


「はい?!」



返事はすぐに返ってきた。

「…………」

その瞬間、私はハッと息を飲んだ。


えッ……


な……何で!?



それは拓也に続き


思いもよらない訪問者だった。










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