40才からの成り上がり 第2話
この19年間、自分の生きたいように生き、誰にも迷惑をかけず生きてきた彼女は、最後まで家族に迷惑をかけずに天国に旅立った
ボクは彼女の目を閉じてをそっと抱き上げた
家族にたくさんの思い出と優しい心を与えてくれた
ありがとう、家族になってくれて本当にありがとう…
情けない親父でゴメンな
オレ、もっともっと頑張るから
社会に出てから、この二十年僕はいったい何をしてきたのだろう
誰かの役に立っていたのか?
誰かを幸せに出来たか?
自分がこの世に生まれてきた証を何かひとつでも残せたか?
気がつけばあっという間に、人生の半分が過ぎていて
どんなに辛いことやしんどいことがあっても、日々時間は過ぎていく
そして過ぎた時間はもう取り戻せない
人は自分の為よりも、誰かの為のほうが頑張れる
誰かがそんなことを言っていた
子ども達は大きくなっていき、自分の人生をそれぞれ自分の足で歩き始めていく
19歳で右も左も分からず、田舎を出てきた僕ら。自分が死ぬとき、一緒に付いてきてくれた彼女に
「幸せだったよ」と言ってもらえるように
残りの人生、必死に頑張ろう。そう僕は誓った
親父さ…
そういえば、一度も一緒に酒飲んだことなかったな
オレがあの世に行ったら、一緒に飲もうぜ
ゴメンな
最後まで読んで頂きありがとうございました
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