【裏切りの始まり】vol4
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離れることを決めたわたしたちだったが、
なんとなくズルズルと一緒にいてしまう。
そんなモヤモヤ期にハレ男が突然こう言った。
「オレは2代目だから、いずれ親父オヤジの跡を継がないといけない。会社を継いだら、今のように自由に動くことはきっと出来ない。だから跡を継ぐ前に自分のやりたいことをする。」
そして
「オレ、ハーレーで日本一周の旅に出る」
急の展開である。そしてこんな状況でもいい人全開のわたしは一言。
「えー、そっかぁ。
いいじゃん。
行っておいでよー。」
あやふやな関係のまま、「行っておいでよ」と送り出してしまうのだ。不安でいっぱいになってる自分の心より、せめて行くならこの関係をはっきりさせなさいよ、と言う本音より、「いい人」になることを選んでしまうのだ。
メンヘラ女への道の始まりである。
こーしてハレ男は1か月ほどの日本一周ハーレーの旅へと出かけるのである。
たまーーに「今日は◯◯にいるよ」などの連絡をくれたが、ある日を境に連絡はプツリと途絶えてしまった。
わたしはわたしで忙しく動いているうちに、ハレ男のことは、前ほど執着しなくなっていた。
そんな日々を送っているとハレ男は「帰るよ」の一言もなくこっそりと音も無く戻って来た。
現れたときわたしの中に衝撃が走った。
わたしはそれほど「嬉しいー」という感情が湧かなかったのだ。
なぜだろう。
その感情の正体は、後日知ることになる。
戻ってしばらくすると、ハレ男から「よりを戻したい」と言われた。わたしは思わず「うーーん、、もうちょっと考えたい」そう言ってしまった。
嬉しい、はず、、、なのに別の感情が湧いてきた。ざまあみろ、のような感情だった。
目には目を
歯には歯を
裏切りには 無関心を
わたしを失って心が痛いでしょ。
そーでしょ。
わたしだって辛かったんだから、
あなただってわたしが居なくて辛い気持ちを存分に味わってちょーだい。
もはや「好き」という純粋な気持ちより、「同じ辛い気持ちを味わせてやりたい」という身勝手な気持ちが上回っていた。
ほんのちょっと懲らしめるつもりだった。
いずれ時を見て彼が猛烈に反省した頃を見計らってわたしは復縁するつもりだった。
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