ネット婚活マジック④家族歴・母は私を憎んで恨んだ

著者: りんれい
6歳、妹が生まれた。

妹は、目が顔が母にとても似ていた。

母は、妹を溺愛し。

父に顔が似る私を、嫌った。

母方の祖母の家に帰省していた、夏。

母は、自分の母親と妹と話をしていた。

母は、泣いていた。

「結婚をしなければよかった」

「子供なんか生まなければよかった」

「離婚をしようとしたときに、あれがお腹にいたから仕方なく生んだけど」

話の輪の中から、母が睨む、祖母が睨む、叔母が睨む。

甲斐性なしの父、父の悪口から父が早く死ねばいいとなってゆき。

怒りの矛先が、父に顔が似る私へと向いた。

逆上した母が、頬や頭を叩いて玄関から私を突き落とし、
「お前が生まれてなければ、幸せになってたんだよ」
と、怒鳴った。

「出てけ、帰ってくるな。死んで来い」
と、叫びながら靴箱が倒れ掛かり、靴べらは容赦なく頭や頬や肩を打った。

「ごめんなさいと言え。生まれてきて、ごめんなさいと言え」

恐る恐る見上げると、母は本当に悔しそうに泣いていた。

その向こうで、祖母が怒り、叔母が嗤っていた。

その日から、私は家の女中になった。

小間使いとして料理をし、洗濯をし、掃除をし。

子守として、小学校にいる時間の他は妹を育てることになった。

母は、妹を溺愛し、私を嫌って恨んで憎んでいた。

憎み続けた。

今でも、私は母に抱きしめられた温もりや感触を知らない。

優しい笑顔も、声もまったくに知らないでいる。

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