大人も子供も夢中になる!遊ぶだけで自然と数学の力が身に付くトランプゲーム「計算ブリッジ」開発秘話・その5

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著者: 上野 晋太郎

●計算ブリッジの特長③:「追加ルールを導入しやすい」

 

 今は鹿児島県を中心として、計算ブリッジのゲーム会を各地で開催しています。大会ルールは前の記事で書いたルールで行っているのですが、もう少し戦略性を高めたり駆け引きを楽しんだりしたいという人たちが、新しい追加ルールを作り出してくれています。その中のルールをいくつかご紹介致します。

 

1:stay(ステイ)ルール

 

 このルールではジョーカーを使います。まず7枚ずつ手札を配り終え、最初に手札を出す人が決まったら、時計回りで1番最後の人がジョーカーを持ちます。このゲームの特性上、1番最初に手札を出せる人が有利になるので、そのバランスを補正するためのルールでもあります。

 

 ジョーカーを持っている人は、場のカードが決まったあとに、ジョーカーを使うかどうかを選択することができます。ジョーカーを誰かに使う際には「ステイ」と言いながらそのジョーカーをその人に渡します。ジョーカーを渡された人は、そのターンは手札を出すことができなくなります。また、仮に場のカードの値になるように手札が計算できなかったとしても、山札から1枚カードを引くことも無くなります。場のカードが開き、その数が出せそうな人がいたら、このstayルールは威力を発揮します。そのターンが終わったら、次はジョーカーを渡された人が誰にstayルールを利用することができます。

 

2:open(オープン)ルール

 

 1セット5ゲームの中で、各プレイヤーは1回だけ「open」と宣言して自分の手札を全員に見せることができます。openを宣言した人は自分の手札を他のプレイヤーに見せながらプレイすることになります。もしopenを宣言した人が上がることができたら、他のプレイヤーのペナルティポイントの合計分だけ、今までの自分のペナルティポイントを減らすことができます。

 

 通常ルールでは、ペナルティポイントを減らすということはできないのですが、openルールを使って上がることによってペナルティポイントを減らすことができるので、一発逆転の可能性が出てくるルールになります。

 

3:two cards draw(2枚引く)ルール

 

 各プレイヤーが自分の手札を出すときに、同じカードを2枚使って出すことがあります(例えば「3」足す「3」で6として出すなど)。その時は、誰か他のプレイヤー1人に山札から2枚カードを引かせることができます。こうして他のプレイヤーのカードの枚数を増やすことによって上がりにくくさせ、またペナルティポイントを大きくするという戦略を取ることができます。

 

4:four cards draw(4枚引く)ルール

 

 two cards draw(2枚引く)ルールと似ているのですが、これは同じカードを3枚使って出したとき(例えば「3」かける「3」引く「3」で6として出すなど)に、誰か他のプレイヤー1人に山札から4枚カードを引かせるか、他のプレイヤー2人に2枚ずつ引かせるかを選択することができます。同じカードを3枚使って出すことはとても珍しいので、その分攻撃されたプレイヤーは大きな負担を強いられることになります。

 

 その他にも、まだまだ細かい追加ルールも考えることはできると思います。このように、拡張性が高いというのもこのゲームの懐の広さかなと思っています。数学の内容で考えると、例えば中学生であれば「ルート記号を使って計算してもいい」というルールを加えてもいいし、高校生であれば「指数」や「対数」を使って計算してもいいというルールも考えられます。面白いルールをどんどん追加して、「計算ブリッジ」のオリジナルルールで遊んでもらいたいなと思います。

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