発見や発明 2.2.3 危険性(1)

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著者: Karl Kamamoto

 失敗のない人生はありませんが、その失敗も反省と努力で取り返すことができます。日本では一般的に、一度失敗すると再起が非常に困難だと言われています。アメリカでは失敗者の70%近くが再起をめざしていると言われています。日本ではその半分以下です。その理由は日本では失敗によりほとんどすべての財産を失うことになるからです。再起のために必要な最小限の自宅も債権として差し出すことが慣習として求められます。失敗のダメージに世間の冷たい視線も加わります。

1990年代の失われた10年に加えて、価格破壊、デフレ、失業率増大、長期の閉業率>起業率などのキーワードで示されるように日本の不況は長く暗いものです。そのために政府も地方自治体もこぞって起業のすすめ、起業支援を声高に叫んでいます。ITの普及やベンチャー企業の創生には追い風のように見えます。しかし、起業の成功率は大変低く、決して簡単なことではありません。失敗すればほとんどすべてを失います。

数%以下の成功を得るために、そしてビジネスの危険性、人生の危険性を避けるためには起業の大合唱よりもまず起業に適していない人・物・金・情報についての勉強から入るのも一つの方法かもしれません。

ここでは、起業のための種々の支援策や成功物語を羅列するのではなく、逆に起業に適していない・物・金・情報面で探り、起業ブーム演出のための浮かれた(?)現状を今一度見直してみたいと思います。

まず、起業に不適な人とはどのような人たちだろうか、ビジネスで付き合わないほうがよい人たちとはどのようなタイプなのだろうか。私は以下のように考えています。

  甘やかされて育てられた人     * 欲しい物を容易に、安易に与えられた人

  感謝の気持ちがなく「ありがとう」を言わない人

  常に自分が一番と思い上がっている人

  パートナーを説得できない人、パートナーから協力を得られない人

  社会学を就職した会社、又は自分自身で受けなかった人 

  報告、連絡、返事、メモのできない人

  人と差別化できる高度な実力、資格を40才ぐらいまでに取得できない人

  アフターファイブを建設的に活用できない人、できなかった人

  インターネットのできない人    人生目標、計画をもたない人

  感情を表に出しすぎる人           過去の会社人脈に頼る人

  趣味や遊びの人脈に頼る人         30過ぎても親や親戚、知人に頼る人

  自分の丈以上の見栄を張る人    酒、タバコ、女性にだらしない人

次に、起業に不適な物とはどのような物だろうか、ビジネス継続時にも注意を心がけたほうがよい物とは?

  新品の設備、新品の事務所 (新品、拡大はメドが立ってから調達すればよい)

  大きな事務所、工場、店舗 (必要スペースの1/2~1/3でスタート)

  専用注文看板、封筒、便箋など事務書類一式 (全部自分で作る)

  一等地  (二等地、三等地で十分、成功すれば一等地へ移動すればよい)

さらに、起業に不適な金とは?

  親、親戚頼みの開業資金(開業時から銀行とは自分で付き合い、実績を作る。)

  借金、助成金 (計画性のなさが借金に通じる、助成金は麻薬と思え。)

  退職金 (退職金は老後用の資金、起業に使ってはいけない。)

最後に、起業に不適な情報

  支援情報 (最初から支援をあてにしない。)

  狭い情報 (インターネットで広く、客観的な情報を取る。)

  儲け情報 (甘いワナはいっぱいある。)

  不労所得情報 (汗を流さないで得られる所得も麻薬です。)

以下の記事は1995.02.01発行の冊子、ジェトロ新技術、JETRO New Technology Japanで海外向けに紹介された節電虫及びその技術です。


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