新世界ボウリング誕生 凸凹物語

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著者: 平野 久信


それはいつもと変わらないある平凡な日のこと。


いつものように僕は深夜のボウリングセンターでやらなければならないルーチン作業、

つまりはレーンメンテナンスとボウリングマシンの修理、点検作業を行っていた。

深夜帯にも関わらず時折マイボウラーのお客さんが投げに来られて、

僕の仕事はそのマイボウラー=常連さんのご機嫌取りというのも何故か僕の役割になっていた。

ただ、いつものように。

ただ、何も考えず、それでも愛想よく、そしてそつなく対応していた。

なぜそれほどやる気が無かったのか?

それは只々、毎日が同じで退屈だったから。。

正直、その時の僕はボウリングに数センチ程度の興味しか沸かず、

いちようマイボールを持ち、こねくり回して曲げて投げ、たまたまのハイスコア286に充分な満足感と、遊び紛いなスポーツで簡単なもんだなぁ。という程度の冷めた思い。

そのくらいにしか思っていなかった。

そんな日々を過ごしていると何やらめんどくさそうな知らせが、、​

『新潟市のセンターから専門家を引き抜いて新しく主任候補としてウチに来る?』

『しかも、口うるさく、体型も大柄で怖そうな人らしいって?』

『まじかよ!?』、、、

平野久信
『まじかよ!?』

それは僕にとって明らかに面倒くさいであろう事件の始まりだった。

そして一週間後、

その人は僕とは一切会わない時間帯で仕事を始め、

しかもその人はセンターに来るなり、前主任のドリル室を占領し、

何やら大物っぷりな発言を従業員やお客さんに遠慮も無くしているらしい、との情報が。

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