”すべてを捨てて駆け落ちした友達”と”友達がネトゲで知り合った彼女”と”僕”とが1K8畳で一緒に暮らすことになった話【親父とさよなら編】

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著者: 及川 拓夢
そして、金もじわじわとなくなっていく。

そりゃあ引きこもっていればお金がなくなっていくのは当然ですよね。
僕は実際に通帳を見ていたわけではないのですが、
通帳の残高が3ケタを切った時の絶望は形容しがたいものがあるでしょう。

「金なくなったから実家帰るわ」


そして、
その一言を残し実家に帰って行った彼はどのような気持ちだったのでしょうか。

あ、親父にまた殴られながら荷物をまとめさせられたそうです。
なんだかんだ言っても引っ越し手伝うなんて、
親子の情というものはまだあるみたいですね。

ーーー。

「俺、あいつに会いに行くわ。」

あいも変わらず唐突です。
というか前々から考えていたのでしょうか、

そんなことを言い出した・・・職を投げ出した無一文な彼は、
おうじ理論によって一番最強で素晴らしい独自の方法を思いついたようで。

「じゃあどうすんのお金ないじゃん」
「ん?ひとまず適当にバイトか何かで稼ぐよ、10万くらい。」
「いやいや、会った後どうするんだよ。」

でもその理論は人から見れば穴だらけの”独自”な理論は、

「ひとまず深夜バイトか何かで1ヶ月みっちり働けばそのくらい稼げると思うんだよ。」
「実家だから食費とか生活費もかからないしね。」
「まあ親父がすごいうるさいけど。」
「人の話聞けよ。」

彼を心配する”僕ら”には到底理解できないものだったりするもので、

「まあいいじゃん。何とかなるって。」
「いや、心配して・・・んーもう決めたんだよね。そうするって。」
「ああ。」

だけど、勇気が”ありすぎる”彼にとっては、
その選択肢を選んだ結果自分に何が起きてもすべて受け入れるつもりのようで。

「じゃあ僕は何も言うことはないよ。」
「何かあった時は言ってくれ。お金はないが生活くらいなら何とか助けられるよ。」
「まあ自活できるように努力はしてもらうけど。」
「すまないな、ありがとう。お世話になります。」
「いやいや、最初から頼る気満々とかねぇよ。。」
「・・・愛って大変だな(ボソッ」

だから僕たちはそいつを応援するしか道は無かったりするんだ。
”友達”として。

「え、なんか言ったか?」
「べ、別に大したことは言ってないよ?」
「まあ何にしてもお前らの気持ちは凄いありがたい。」
「腐れ縁のような感じもするが、友達っていうのは本当にありがたいものだな。」
「・・・ああ。」

つまりこいつとは、長い付き合いになるってこと。

「そして、愛なんてそんな大それたものじゃないさ。」
「きこえてんじゃん・・・恥ずかしい。」

落としどころもしっかりとわきまえる彼には本当に頭が上がらない。

ーーー。


FENDER JAPAN
BASSWOOD、
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・・・だとかのベース、
(よくわかっていない)

ワンピース全巻(当時の)

灼眼のシャナ全巻(当時の)

...etc
被害額。
おおよそ10万ちょい。
おおじはとても怒っていました。
というのも彼の昔アルバイトで購入した私物が日に日に減っていく。
問いただしたら犯人は親父だそうで、

まあ色々と気持ちはわからないでもないけど、
陰湿すぎないか?親父さん・・・。

「俺、全部買い戻すわ。」

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