【2】セミナーの感想は「こてんぱん」~人の器を追い求めた大学3年生の夏休み

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前話: 【1】人の「眼」に魅了される、そんな経験って、ある?~人の器を追い求めた大学3年生の夏休み
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でも、コーチは、なるほどと言いながら、

コーチ
それは賭けですね。
とやさしい口調で言いました。
僕としては、賭け?と言われちょっとムッとしつつ、その次の言葉を聞いていると、あぁなるほど確かにそうかも、と妙に納得させられてしまいました。

コーチ
経験をさせてあげることももちろん大切だけど、彼が今日、話すことがここに集まってくださったみなさんにとってプラスの結果をもたらすのか、少し考えたほうがいいですね。
要するに、人に経験をさせてあげることも次につなげるという意味では非常に大切なこと。でも、例えば、今日僕がプレゼンをするとして、皆さんにハッピーになってもらえる気づきがあるプレゼンができるかどうか、ということ。
確かにプレゼンの経験ができるということは僕にとって非常に大きな経験になるし、たとえうまくできなくて失敗してしまったって僕にはそれも含め大事な財産になる。
でもそれは僕にとってのプラスでしか、ない。
そしてそれは参加者のみなさんにとっては決してハッピーになれる事柄じゃない。僕の失敗は、他者に対しては何の幸せも生み出さない、ですよね。
やっぱり、僕がプレゼンをするのは、辞めよう。そう思った瞬間でした。
それからまた少しの時間、休憩の時間があったので、やっぱり辞めようと思います、とグループの人に伝えることを決めていました。
それでも、器の大きな人たちってすごいと思います。僕に、やってみなよ、と後押ししてくれました。
話のまとまりもない、経験も浅い、自身もなくなった、手足は震える。そんな僕にやれると思うよ、と言ってくれる人は、たぶん、少ないと思う。
普通、初対面で会ったばかりで、その人のことについてはほとんど知らない、そんな人の支えになることって、難しいと思うんです。
なのに、僕を、応援してくれる、支えてくれる。
そのおかげで今僕はここに立って話しています。そんなストーリーがプレゼンの中にあってもいいじゃないか、って。
あなたなら、初対面でよく知らない人たちをどこまで支えようと思いますか?
また、支えるってどういうことでしょう?

僕なりの考えは、どれだけ相手目線を考えられるか、だと思います。例えば、先の僕の場合で言えば、あーしなきゃダメだよこーしなきゃダメだよっていう自分目線のコトバで言われてたら、いやいやあなたはそう思うんだろうけど、そもそもあなたとは違うから、って受け入れられないと思います。でも、相手を受け入れて、どんなコトバを言ったら相手が自発的に変わろう!って思ってもらえるだろう、って相手目線で考えること。やれないと思った僕をやろうという気持ちにさせてくれたのは、そういう支えになってくれたから。

というわけで、言う結論は決まってますよね。


(自信はないけどなんとか)やってみます
今までの自信を崩して、弱さをさらけだす決断をした瞬間でした。
結論から言います。プレゼンはたぶん失敗でした。今振り返っても僕のコトバで聞いている人をハッピーにできたとは思いません。
ただ、勇気をもって話そうとしたことだけは覚えています。
話しながら、あー俺なに喋ってんだろうなーって思いながらまとまりのない話をしていたし、声も震え手も震え足もガクガクしていたけど、支えてくれる人に頑張っている姿勢だけは見せたい、その一心で壇上に立ちました。
ちなみに、時間の関係上か、プレゼンターをしぼるために10人ほどのグループをまた作って、その中から代表者を選んでプレゼンしてもらう形になって、僕のグループでは各自がプレゼンして、その中でいいと思うプレゼンをした人を選ぶことになったので、まぁ、50人の1/10だったし、少しは緊張せずに話せたかな。
もちろん、僕が代表者になることはなかった。当然です、プレゼンの世界にビギナーズラックなんてものは落ちてないでしょう。笑
ただ、代表者たちのプレゼンを聞いて、素直にコトバの重さや、人の心を動かすプレゼンを体感できたのは、本当に僕にとっての収穫。

こういうことだったんですね、賭けってことは。僕は、プレゼンターによって、心を動かされ、一緒に喜怒哀楽を味わって、一緒にハッピーにさせられたわけで。そういうことができるほどの経験と想いを持つことが、人としてとても魅力ある「器」になっていくんだろうな、と。

あー、50人の前でプレゼンしなくてよかったな、なんて本気で思いました。こりゃまじで賭け事で、借金背負うところだった、危ない危ない。笑
ちなみに、セミナーが終わるときに、自分で感想を一言でまとめようと、ふと思ったので、


こてんぱん


ともらった紙を一枚まるごと使って書きました。
このセミナーで今までの狭い世界で生きてきた自分を崩してもらったこと、
通用すると思っていた変な自信を「こてんぱん」にしてもらったということ。
そんな、ネガティブなコトバをポジティブな意味で捉えられる、幸せなセミナーでした。

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