ドアパンチの修理代を全額支払って貰えなかったので少額訴訟してみた(12)
被告への質疑応答、最後にどんでん返しが待ってました。
全体の流れの確認は、原告への質問同様に簡単に行われ、細かい状況の確認がいくつかされました。その中で「最初に請求を受けたのはいつですか?」という原告への質問とほぼ同様のものがありました。被告は「正確には分かりませんが、事故後わりとすぐです」と答えていました。先ほど同様、この質問の意図が今ひとつ分からないでいると「では、なぜ領収書の日付はX月X日となっているのですか?」と次の質問がありました。
あれ?と思い、手元の資料を確認してみると原告の領収書の日付は、修理が完了して原告から4万円が支払われ、私が残金を建て替えた日付から二週間以上あとの日付になっていました。今まで日付について全く意識をしていなかったので、このズレが何なのかさっぱり分からないでいると「原告はこの日付のズレについて説明ができますか?」と質問を受けたので「日付のズレには全く気づいてませんでした。ずれている理由も分かりません」と正直に回答しました。
その後、裁判官から「以上で、私からの質問は終了となりますが原告・被告それぞれに主張がありましたら述べてください」と言い終わる前に「私から少し確認したい点があります」と司法委員の方が発言されました。
「被告に確認したいのですが、アナタは価格交渉を当然の行為と説明していますが、ディラーの担当者が今回の修理については4万円の支払いで結構ですと言ったのですか?」
「修理代が6万円弱というので、こちらとしては価格交渉をして4万円を支払うということにしたんです。交渉は当然の権利として…」
「あなたの主張は分かりますよ、交渉されたというのも分かります。その結果ですね、担当者が4万円で結構ですよと言われましたか?」
「それはディーラーの立場では言えないでしょうね」
「言えないでしょうね、ではなくてね、言ったか言ってないかを教えて欲しいんですよ」
「いや、それは言わないでしょう」
「言ったんですか?言ってないんですか?」
「言ってないです」
ちなみに、司法委員とは事件に関連する専門知識を持った方が裁判の場で各種のサポートをするために立ち会う方という説明が審理の開始時点でされていました。書き忘れていたのでここで補足します。
結果的に、司法委員の方が核心を突いてくれました。そしてそこは「言った」と言うのかと思っていたら最終的には言ってないと認めました。自分の主義は通したいけど、嘘をつくような人ではない?最も、裁判で嘘をつけば偽証罪に問われる可能性もあるのでその一線を守っただけかも知れませんが、元の印象では平気で嘘もつくだろうと思っていたので、ちょっと意外でした。
次に、原告・被告の主張を述べる場面へと進みます。
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