カビとの対話(追補版)

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   副題;ばい菌から人類へのスーパーメッセージ                   1999、3、8 (初犯)


世界のベストセラーとなった「カミ(神)との対話」(邦題)

だが、どうやら後になってから追補に気づいた神がさかんに叫んでいる・・・・ような気配を感じる。

あの本にはまだ漏らしていない話があった・・のかな?・・・
まさか、ボクのお漏らしとはちがうだろうな・・・・


・・・・(微かな声が聞こえてくる)・・・・・

・・・え?・・・言い漏らしたこと?・・・・カミトノタイワ・・・の補足編?・・・・・

・・・え?・・・・カビ?・・・・

・・・カビ・・・との・・・タイワ・・・?・・・

神じゃなくて、黴(カビ)!?

どうやら、盛んに肥をかけてきているようだ・・・

うるせえなあ・・・

しかし、ある日の昼下がりの情事後、ついにそのカビとの対話が・・・

==ここからがそのレポート本文==

オレは、ある日の(本当は情事は関係ない)晩、瞑想をすることにした。

いろんな問題でオレは解決したいことが多すぎた。少しは楽になりたい。そんな気持ちだった。果たして初日にうまく行くだろうか?

ちょっと不安と期待が交差した気分であった。

いろんな情報からの半端な知識ではあったが、今日こそ瞑想を始めてみよう。そう決心していた。

そうして、初日ながらも自分の内部へと入り込んでいくコースを選んだ。

オレは自分のからだが、だんだんと小さくなっていくイメージを始めた。そうして自分の細胞の中に入り込みDNAに働きかけるつもりなのだ。

呼吸をゆっくり深くして行った。そしてオレはイメージでどんどん小さくなって行った。

しばらくの時間が過ぎたようだった。

ふと周りを見渡すと、どうやらオレは細胞のなかに入り込めるだけの小さな状態になったらしい。

(なんだ、意外と広いもんだなあ。)

感心しながら、おそるおそると歩きはじめ出したオレは、ちょっと暗い細胞の中側らしきところを物珍しくながめていた。

(DNAってどこにあるんかな?)

どんな形か想像しながら、キョロキョロしながら俺は進んだ。

すると、何か向こうの方でうごめいているモノがいるのに気が付いた。

(ナンダ!?)

オレは一瞬恐怖をいだきながら向こうに目をこらした。

すると、うごめいているのはひとつではない、無数にいるではないか。

それも何かをムシャムシャと食べているような・・・・それも、どんどん増えている様に見える。

オレはなんとも得たいの知れない、未知のモノに恐怖心でいっぱいになり、

(そこから早く逃げ出さなくては!・・)

と思い、急いで後戻りしようとした。

(なんてことだ、はじめての瞑想が迷想になってしまったようだ。早くもとにもどらなくては・・)

オレはそこから立ち去ることで頭がいっぱいで、焦って戻ろうとした。

「マチナサレ!」

(あ!だれかが話しかけて来る。)

オレは恐怖でからだが硬直した。

おそるおそる振り返って、恐怖をおさえながら、やっとの思いで声を出して、

「なんだ、ナニモノだ、おまえは!!」

と言うのが精一杯だった。

「ウホホホホ、ホ~~、わしかい、わしはお前たちがばい菌と呼んでいるものじゃ。」

無数にうごめいている中から出て来た、得たいの知れないモノが薄きみ悪い笑い声で話かけて来たのだ。

(こいつがばい菌?ばい菌が話しなどするだろうか?)

疑いをいだきながらも様子をうかがうと、どうやらそいつは、ばい菌のなかでも大きくて、古老の親分格らしい奴で、オレの方をじっと見て笑っている。

「なに? ばい菌?・・・ばい菌なんかに用はない!それに、ここはオレのからだのなかのはずだ。勝手に居座るな、はやく出て行ってくれ!」

オレは内心の恐ろしさを隠して、せいいっぱいの強がりを見せて言った。

「まあまあ、そう怖がりなさんな、そんなに嫌いなさんな。それにわしらはあんたのためにここで働いているんじゃ。ほらね、ここにはわしの仲間がたくさんいるじゃろう。ほれ、あちらの方にはあんたがたがウィルスと呼んでいるものも居るじゃろうが。み~んな、あんたのために働いているんじゃよ」

そういえば、奥の方を見ると、もっともっとちいさい奴らがかすかに見える。

「オレのために働いてる?・・・ばい菌やウィルスが、なんでオレのためになるんだ。まっぴらごめんだよ、オレのからだをメチャクチャにしようってのか。」

(ほんとに嫌な奴らに出会ったものだ。やはり瞑想は失敗して迷走してしまった様だ、オレは・・・)

(早くもとに戻らなくては。)

オレは焦っていた。

すると、古老のばい菌の親分らしき奴はオレの心を見透かしたように、含み笑いをしながら話すではないか。

「あんたが嫌うのも無理はないの~う。だけどな、ここで会ったのも何かのご縁じゃ。ほんの少しばかり、わしらの話を聞いていってからでも損はないじゃろうよ。まあまあ、もちっと待ちなされや」

と言うのだ。

どうやら、オレに危害をくわえる様子も見えない。仕方なく、オレはがまんしてそこに立ち止まって言った。

「ばい菌などに縁はないよ、話があるならはやく話してくれよ、オレはいそがしいんだから。」

「ホッホホホ~~わしらもいそがしいんじゃが、このわしらの立場もちょっとは理解してもらえんとなあ~~ホント。お前さんたち人間にこう嫌われてばかりいては、わしらの立つ瀬もないと言うものじゃ。」

オレは、(ばい菌に立つ瀬もくそもあるかい)などと思いながら、しぶしぶそのばい菌の古老らしき奴の話を聞くはめになってしまったのだ。

「そうじゃの~う、話せば長いことながら、話さなければお前さんたちはいつまでもわしらのことを悪者扱いし続けることじゃろうし・・。ここいらで、わしらも汚名を晴らしておかんことには、わしらも忙しくなるばかりじゃからのう。人間様のお陰でわしらばい菌やウイルスも減るどころか増え続ける一方じゃわい。」

「なんで人間のせいにするんですか?あんた方が勝手にわたしら人間を病気で苦しめているんでしょうが」

「その事なんじゃが・・、ふ~~む、どこから話してよいものやら。」

ばい菌の古老らしき奴は、あごをなでつつ少し考えている様だった。

「わしらは長いあいだお前さんたちのために働いて来た。けれど、お前さんたちは、わしらのことを悪の親玉くらいにしか思わず、わしらを叩いてやっつけることだけを長いあいだ続けて来たのじゃが。

だ~れもわしらの事を理解してくれんから、わしらは人類の敵呼わばりされておるわい。

それが口惜しくてのう・・・ これからお前さんに話すことは、お前さんたち人類にわしらのことをもっと理解してもらうためのメッセージとなろう。」

なにやら、ばい菌の古老格はちょっと、唇をかんでシカメ顔で言った。

(なに~い? ばい菌から人類へのメッセージだと!)

「ばい菌やらウィルスは人類の敵だと、みんなが思っていますよ。それを言いわけするんですか?」

オレは知らずのうちにばい菌に対して敬語を使っていた。

(怒らせてしまったらなにをされるか・・)

「あんたたち人類は、なんでわしらをそう毛嫌いし嫌うんじゃろう」

「それは当たり前でしょうが。ばい菌やウィルスは我々人類の病気の原因だからですよ。それで病原菌って呼ぶんですよ。」

(あたりまえのことなど聞くな!)

「ふんふんふん、あんたはそう教えられて来たからの~う。じゃが、どうしてそう言えるのじゃな?」

「だってほとんどの病気にあんたの様なばい菌やウィルスが見つかっているし、そいつらの毒素が我々のからだを蝕むからでしょう。」

「なるほどなるほど、そういう見方をしているんじゃったの~う。当たっている様でいて、当たっていないんじゃが・・・」

(なんだ? わけの分かんないことを言っていやがる)

「お前さんたち人類はわしらを発見する前には、病気の原因をなにかの祟りかの様に解釈していたこともある。だから悪魔払いをするとか、まじないをするとかで病魔退散の祈祷などをしていた時期もあるし、病気の正体は分からないがそれなりに自然の生薬を用いたりなどして来た。」

このばい菌の親分らしき奴はそんなことを話しはじめた。

(コイツ、いったい何を言おうとしているのか・・)

「そうですよ。しかし、我々は科学の進歩によって、ようやく近代になって病原菌を発見することが出来たのですよ」

オレは誇りをもってばい菌に言ってやった。

「そのとき、あんたたちは飛び上がって歓喜の声をあげたのではないかな。“我々人類を苦しめて来た病気の原因正体”をついに見つけたり!とかね。

たしかに、それ以後からはわしらの仲間たちが次々を発見されて行ったからのう~。そうして、わしらの様な大きなヤツから、あんたらがウイルスとか呼んでいる小さなヤツまで、次々と発見して来たんじゃったなあ~。」

「そうですよ。人類は科学の進歩につれて病菌とその奥のウイルスまで発見できたんです。これを退治することで人類は病魔から解放されるはずなんです。」

(こいつもオレが元に戻ったらやっつけてやる・・)

そんな事はおくびにも出さないようにしながら、オレは誇らしげに言ってやった。

「あんたらがそう思うのも無理はないの~う、なにしろ、そこにわしらは“居た”んだから・・。

そこで、あんたたちは全力をあげてわしらをやっつけることで病気を解決することと思ったというわけじゃ。」

「そうですよ。それでいろんな伝染病が克服されて来たんですから。」

オレはさらに自信をもってばい菌の古老に言った。

(ふふふ、後でやっつけられるのも知らないで・・)

「あんたがたは、ほとんどの病気の原因をわしらにあると思い込んだのじゃのう。

じゃが、そうした中にも、わしらの仲間が見つけられない病もあったが、一度思い込んでしまったからには、もう突っ走るしかないのがあんたらの習性だからのう。そこのところになんの疑いももたなかったんじゃろう。」

「思い込み?ですか。疑うことは何にもないはずですよ。」

(このばい菌のヤツ、何を思い込みって言うんだ)

「とにかく必死になってわしらが何処かに潜んで居るに違いないと決めつけてしまったんじゃから、わしらを見つけられない病気のときは、きっと細胞の中にでも入り込んで隠れて居るんだろうと思っているわけさね。

こうしてわしらはなが~~い間、あんたたち人類最大のの敵にされてしまったのじゃ。

そうして、あんたたちが病気という苦しみに会えば、すぐさま、わしらは見つけられ引き合いに出されて、徹底的に攻撃されることになった。」

「それはそうでしょうよ。やっつけてしまわないと、こっちがアンタたちにやっつけられるんですからね。」

「これほど、恐れられ憎まれ避忌されて来たわしらは、悲しいかな人類のだれにも理解されないで、忠実に仕事をやらざるを得なかったんだ。」

(何を理解しろってんだよ~)

「仕事?」

「そうじゃ、仕事だよ。わしらにも役目というものがあるからな。それで、わしらは存在しているんじゃ。なぜなら、わしらは大自然の申し子みたいなものじゃからのう。これほどに、あんたたちから憎まれながらも、しなければならない仕事が与えられているんじゃから。

まあ、しょうがないことかのう~。いつかは、あんたらがホントのことを分かってくれる時が来るまでは・・・。」

そのとき、ばい菌の親分みたいなヤツの目にうっすらと涙がにじんで見えたのは、気のせいだったろうか。

(ばい菌が涙を流すわけないか・・・)

ばい菌の古老は悲しそうな様子をまた元の様に薄ら笑い顔に戻して言った。

「ま、あきらめんで、あんたらが大自然の本当の働きを知るにつれて、わしらがあんたたちの真の敵じゃあない、ということをいつか分かってくれる、その時を待っているんじゃがね。そのときから、きっと、わしらの仕事は減って来るはずなんじゃがのう。」

「・・・??」

ばい菌の言うことをオレは理解できないでいた。

「じゃがねえ・・・、今のままでは、わしらの仕事はますます増え続けるしかないんじゃあないかと心配しているんじゃよ。」

(ばい菌が我々人類の事を心配する?・・何を心配するっつうの?よけいなお世話だなもし)

オレは真顔で聞いてみた。

「なぜですか?」

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