30歳過ぎて「入社2日目」の他社のフレッシュマンと一緒にビジネスマナー講習に参加した話

著者: 大柴 貴紀

一時期、会社全体に「研修ブーム」が巻き起こった。社内のいろんな人に対していろんな講習があてがわれた。当時役員だったか部長だったか忘れたけど、まぁそんな感じの職位だったので、ミドルマネジメント講習などは理解できるんだけど、なぜかビジネスマナー講習に行かなければならなくなった。もうすぐ31歳。さすがにビジネスマナーは知ってるつもりだけど・・・。

4月2日、都内某所の講習会場には社内の人間数人と「昨日入社式をしてきた」他社のフレッシュマン多数。あきらかに場違いだった。当然のことながら会場に金髪はいなかった。ていうかそもそもみんな超若い。細胞レベルでの違和感があった。

講習票に書かれた番号の席につこうとウロウロしてたら自分の番号を見つけた。まさかの講師目の前の最前列。とりあえず席に座ったものの、後頭部に感じる好奇の視線。「一刻も早くこの場から立ち去りたい」と思ったが、根が真面目なのでそのまま席に座り耐えていた。

やがて講師の方がやってきて、講習が始まった。テキストを1枚めくるとこんなことが書かれていた。

「あなた方はもう社会人です。学生ではないので、染髪したり、乱れた服装をしてはいけません。」

金髪だし、私服だし・・・。ひっそりと狼狽してたら講師の方も気づいたのか「あ、あっ。でも職業によっては染髪も許されたりしますし・・・」と苦しいフォロー。本当に申し訳ない気分になりました。

その後のワークショップでは新卒のコ達にまざって作業。「がんばろうぜ」なんて声をかけられたりしながら何とかやり遂げた。ちなみに「名刺の渡し方」などはさすがに完璧でした。

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