いまこそ地方のコンプレックスを誇りに!地方で輝くヒト・モノ・コトを応援する「ロコの星プロジェクト」が始まった秘話
株式会社KKTエンタープライズは、一般社団法人未来のテレビを考える会と連携し、地方のスター事業者『ロコの星』を応援する「ロコの星プロジェクト」を立ち上げます。青森、岩手、山形、千葉、高知、山口、長崎、熊本、宮崎、沖縄の全国10地域のローカルテレビ局と連携しオンラインショップ「ロコの星みーっけ!マルシェ」サイトにて新しい形の地域活性コミュニケーションを手がけていきます。
プロジェクト開始に至るまでの想いや、プロジェクトを通じて考えたことを、責任者である私、宮本一英からお伝えします。
自分が抱えるコンプレックスがきっかけに
私は熊本県で生まれ育ち、現在は熊本の民放テレビ局の子会社でイベント・企画を専門としています。地元熊本をメインとした仕事でしたが、徐々に東京の代理店や制作会社、プロダクションと仕事をする機会が増え、そのたびに企画内容やイベントのクオリティ、デザイン、作業の進め方など、都会と田舎で比較することが多く、全てのことに対して都会の方が優れているように感じ、結局は東京主導、地方は末端であり、地方から創り上げることはできない、そんな劣等感を感じていました。
ある年、地元の阿蘇でフェスを企画しました。国内最大級のフェスを目指した企画でした。興行である大規模な音楽イベントは当然ながら人を多く集める必要があり、そこには大きなリスクも存在します。人口の少ない地方では、到底できないイベントだと考えていました。しかし全国各地のフェスを見ていくうちにそれはまったく逆で、地方のロケーション、地方ならではの食、地方ならではの魅力がないとフェスは成立しないことに気づきました。都会の人が非日常を求めて、地方の素晴らしい環境の中で音楽と食を楽しむ、その会場で地元の人々や素材と触れ合う、それがフェスの醍醐味だと知ったときに、地元の阿蘇こそ全国・世界に誇るフェスのポテンシャルを持っているのではないか、と感じたのです。そのように感じたときに自分の中に抱えていたコンプレックスが、逆に誇りに変わっていきました。私自信も阿蘇という場所を当たり前に見て育ってきて、そこにある可能性や魅力に気づけていなかったということを痛感しました。
地方には都会にはないポテンシャルがあるということにハッキリと気づいたその瞬間から、地方を応援するプロジェクトに生きがいを感じるようになりました。
地方で輝く人々を、もっと知ってもらいたい!
これまで携わってきたプロジェクトを通して、地方で活躍する様々な事業者の方に出会ってきました。こだわりや地元を愛する想いを持って作られる素晴らしい商品ばかりで、何より作る人々こそが素晴らしい人物ばかりでした。しかし、作ることには長けていても、その売り方・伝え方に課題がありました。どんなに素晴らしい商品でも魅力や存在が伝わらなければ「無い」ということに等しいです。また、モノだけを比較すれば大手商品の量と価格には叶いません。そのようにして徐々に地方の良い商品が消えていってしまう、危機感を覚えました。
地方の生産者・事業者に対して、人材育成・商品改良・ブラッシュアップ・販路開拓サポートなど、数々の支援をしてきた中で見えてきたことは「地方の生産者・事業者は、いい物語を持っていること自体に自身が気づいていない」ということでした。当事者にとっては当たり前のことが、実は外から見ると素晴らしい魅力であったりします。そこに気づき、上手に表現するだけで地方の商品は輝くように生まれ変われると思いました。量や価格ではない、物語という付加価値こそ地方の武器だと感じたのです。
地方の中小・小規模事業者、生産者を支援する仕組みは数多くあります。その多さと裏腹に、事業者自信の当事者意識は不足しがちで、商品のブラッシュアップ、デザイン改良、販路開拓のための商談会など、「行政や業者にやってもらっている」といったような受動的な意識があると感じていました。継続しない、成長しない、単発的な支援を繰り返しやるよりも、事業者自身がもっと主体的に、能動的に思考し、行動できるような仕組みづくりが必要だと考えました。
そして、やるならもっと楽しく、もっと成果を出して、支援される側のみならず、支援する側にも楽しみが生まれるような、そのようなプロジェクトができないかと毎年試行錯誤しながら、たどり着いたのが「ロコの星プロジェクト」です。ロコの星とはローカルで輝く星のことです。この星が輝けば、地方はもっと元気になります。そして輝くためには何も新しいことや大それた企画は必要なく、すでに持っている魅力を引き出し、少しだけ磨き上げるお手伝いをすることで光り輝く星になります。
伝えて、知ってもらって、ファンになってもらう
私自身、いろんなプロジェクトを通して出会った生産者・事業者と触れ合ううちに彼らの大ファンになりました。そこには値段や量ではなく、ヒトが作る商品だから、これを選ぼう、これを買おうと思うようになります。これらの商品を、ヒトを、物語をもっと多くの人々に知ってもらうことができれば、必ず自分と同じようにファンになるのではないかと思いました。そして伝えるために有効なツール、それは映像です。
そのとき、今更ながら気づいたことがあります。それは私が所属するのはテレビ局の子会社であることです。伝えることを役割とするテレビを巻き込むことができれば、地方に存在する知られざる魅力的な商品、ヒト、物語にスポットライトを当てることができると思いました。
「ロコの星プロジェクト」が動き出す
テレビ局の子会社という立場を活用できることに気づいた私は、早速各地のテレビ局に地方を盛り上げる企画を持ち込み、提案しました。先述したとおり、このような取り組みに活用できる公的な予算や補助事業は数多くあります。各地のテレビ局と連携し、地方自治体や金融機関、国の補助事業などに提案し、2019年度に北は青森から南は沖縄まで、10地域で連携して〜バイヤーをファンにする〜という目的のもと「プレゼンテーション型商談会」を実現することができました。地方の事業者自信がステージに立ち、パワーポイントや映像を駆使して、自ら主体的に商品の魅力や想いを、バイヤーに制限時間内でプレゼンします。バイヤーは審査員となって最も素晴らしいプレゼンをした事業者を表彰するという、イベント的な要素も含めた新しい商談会の形でした。結果、参加したバイヤーの90%以上が「満足した。取引、交渉してみたい。」と答えました。
この結果を受けて、今年度はバイヤーのみならず、もっと広く消費者に知ってもらうために、「テレビの力」を最大限に発揮するプロジェクトに改良しました。それがロコの星プロジェクトです。テレビらしさを出すために、タイトルやイメージをもっと華やかにしたいと考えていたときに出会ったのが、一般社団法人未来のテレビを考える会・代表の西田二郎さんが考案した「ロコの星」というタイトルと、そのテーマソングです。この歌、このタイトルのもとで、これまで様々なプロジェクトで出会ってきた、各地域の素晴らしい生産者さんや事業者さん、その皆さんをつなぐことができたらどうだろう。その皆さんとチーム感を持って取り組むことができれば大きな力になるのではないかと思いました。
オンラインショップ「ロコの星みーっけマルシェ」をオープン
このプロジェクトの一つ目の【出口】は、オンラインショップの開設です。タイトルは、「ロコの星みーっけマルシェ」。地方のいいものみーつけた!っていうテーマで作りました。このショップは単なるモノの販売だけでなく、地方で頑張る皆さんの人柄やこだわり、そしてその場所の情景が思い浮かぶような「物語を売るショップ」にしたいと考えました。また、世界中がコロナ禍で迎える初めての年末年始であることから、そのタイミングを最重要ターゲットとして、「おうちでおいしく、みんなでたのしく」をテーマに、クリスマスパーティや忘年会、新年会にかわる新しい楽しみとしてのお取り寄せ商品を全国の事業者に考えてもらいました。
「商品の魅力を一言でいうと何?」「その商品をどんな場面で、どんなヒトに、どんなふうに楽しんでもらいたい?」「その商品を作ったキッカケは?」「どんなことを伝えたい?」「誰が作ってるの?」など、とにかく物語部分を引き出すことに注力しました。その人柄、その地域の魅力に触れれば必ず人々はファンにできると信じて、地方の当たり前をここだけの魅力化する作業が続いてます。
今回のマルシェは、コロナ禍では外出も旅行もしづらいなか、「おうちで全国のおいしいものを食べてもらおう」ということがテーマではありますが、本質的な想いとしては今回買っていただいたお客様が、いつかその場所に行ってみよう、そのヒトに会いに行こう。ということにつなげていくことです。届いた商品のフタを開けたときに、行ったことのない地方の香りや雰囲気に包まれるような、そんな体験も閉じ込めた商品にできればと考えています。
しかし、実際はそういう情報を引き出すことや文章にすることがとても大変で、参加事業者の皆さんにはとても大きな負担をかけていると感じています。しかしこれを乗り越えれば、地方の小さな生産者、事業者の皆さんと団結して新しい可能性が生まれると信じています。
テレビ✕生産者・事業者で、新・地方づくりを
このロコの星プロジェクトは「やったことないこと」の連続です。世界中がそうであるように、何が正解なのか、まだ誰もわからない状況です。そんな中で、「まずはやってみる」ということも大事だと思います。テレビ局がローカル同士で連携して取り組むことも他にはないことですし、事業者と一緒にコロナ禍でのオンラインショップを手掛けていくことも前例がありません。どういう需要があって、消費者が何を求めているのか、それを運営側も事業者側も一緒に考えています。
先日は全商品を東京に集めた試食会を開催しました。各地のおいしいものを食べ歩いてきたオンライン販売の専門家も度肝を抜く商品ばかりです。また、参加している10地域の100の事業者のみなさんが、出会って、交流して、語り合う場を作るために社内コミュニケーションツールである「トークノート」を活用しています。
地方のテレビ局も、地方の生産者・事業者も、人口減少・高齢化・少子化の中で衰退していくイメージが強くありました。しかしこのコロナ禍で、少しずつ地方の在り方、方向性や可能性が以前とは変わってきたように思います。まずは直接生活者の方に届けることができるオンラインショップから始め、テレビ局の「伝える力」と、生産者・事業者の「作る力」の掛け算で、新しい地方の魅力づくりを進めていきたいと思います。
全国の地方で輝く「ロコの星」の皆様へ!
地方にはまだまだ魅力ある、ヒト・モノ・コトがあります。地方にいると、それが当たり前過ぎてその魅力や付加価値に気づかないことがほとんどです。地方の生産者や事業者にとって「当たり前のこと」「普通のこと」「いつもやっていること」、それらは実は外から見るとかけがえのない魅力であったりします。
しかしその魅力に気づかない限り、無いものと同じです。これは非常にもったいないです。輝く要素は必ずあります。そこに気づいて、いかに発信するか、魅せるか、そしていかに伝えるかがポイントになります。「ロコの星の原石」を私達はこれからも探し続けます。一緒に地方から日本を盛り上げていきましょう!
「ロコの星みーっけ!マルシェ」
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