兵庫の保険代理店から、地元の介護を明るくするための新会社とWebサービスが生まれるまで
兵庫県内の人手不足に悩む介護業界を、Webの力でサポートするための人材紹介サービス「ひょうご介護アナウンス」。兵庫県の福祉に強いという特徴をもった兵庫県内有数の保険代理店である株式会社兵庫福祉保険サービスが、新たに株式会社コムケア設立し提供しているサービスです。
なぜ保険代理店事業から、未経験の人材サービスを立ち上げたのか。
「ひょうご介護アナウンス」というサービスの誕生には、代表の芝吹希代志の学生時代の経験、そして母体である株式会社兵庫福祉保険サービスを通じてできた縁が大きく関係していました。
まずは介護福祉事業と関わるキッカケを教えてください
[代表の芝吹。とてもやさしい雰囲気で笑顔がおちゃめな]
すべては運命的でした。福祉に関する私のルーツとなったできごとがあります。小学校から中学校にかけて、障がいのあった友人を介助し登下校をしていました。まだ私も幼かったので、カバンを持ってあげたり段差を登るときに支えてあげたりと小さなことでしたが、そのことを評価いただき賞状をいただいたんです。
その後も誰かを助け支えるという行動が自身の使命のように感じ、周囲からもそれを期待されていました。そのことにプレッシャーを感じつつも、使命感に突き動かされ活動を続けていたんです。しかし高校生になったころには、自分自身の時間がどんどん制約されていると感じるようにもなってきました。
そのときから感じていました。
「一人が一人を支えるには限界がある」と。
人助けはこれからも続けていきたい。でも私自身にもプライベートがあります。人を支えるためには自身の時間も大切にしなければいけない。そうでなければ疲弊してしまいます。とはいえ、そんな自身に対する情けなさや、友人に対する申し訳なさは常に私の心にあり続けました。
そこでボランティア部に入り、児童養護施設で子供と遊んだりしながら介護福祉と自分の関わり方を見つめ直しました。そうしてボランティア部の活動していくうち、たとえ直接的にかかわることは出来なくとも「やってみたい、みんなで支えあえるものを作り上げたい。」と思うようになったんです。
学生時代の経験が原動力となっているのですね。その後、株式会社兵庫福祉保険サービスを創業され、保険事業を中心に長年にわたり兵庫県の介護福祉業界を支え続けています。
正直なところ保険代理店は昭和56年より偶然やっていましたが、運命的な転機がありました。
忘れもしません。平成7年1月17日に起きた阪神淡路大震災です。当時はまだ個人で「芝吹損害保険事務所」を運営しているころでした。
この年はボランティア元年とも言われ、約4万人もの方が被災地支援に来られました。しかし、私もボランティアに来た方々をコーディネイトする社会福祉協議会も被災している状況です。ボランティアに駆け付けた方々が、安心して活動するためにもボランティア保険に加入する必要がありました。ところが電話はどこも通じません。
ここが私の転機となりました。
1つ目に、当時の兵庫県内でボランティア保険の引き受けをしていたのは弊社だけであったこと。
2つ目に、保険会社など軒並み被災し電話が通じなかったところ、「芝吹損害保険事務所」が奇跡的に電話が通じ、ボランティア保険を受け付けることができたことです。これにより弊社は、およそ3ケ月間昼夜問わず電話口で保険加入の受付業務をしました。
震災後の大混乱の中、入金確認は後日が当たり前。信頼と善意という本当の意味での相互扶助の精神に触れることができたんです。またこの時に、「自身のすべてを懸けて打ち込めば、なにがが成る」と感じました。
このできごとを機に存在感を増す大きなきっかけを得て、また依然と変わらぬ姿勢で地道に営業活動を重ね、平成12年に有限会社兵庫福祉保険サービス、平成17年に現在の株式会社兵庫福祉保険サービスとなりました。
こうして我々は25年以上、兵庫県にある福祉関連の約1000事業所さまに向け運営に役立つ総合補償制度を提供し続けています。長きにわたり福祉事業者様とともに歩んでこれたのも、保険だけではない、さまざまなお悩みに真摯に向き合い取り組んできたからだと思います。
さまざまな奇跡があって今があるわけですね。兵庫福祉保険サービスが新たに株式会社コムケアを起ち上げ、全く経験のない人材サービスを始めたのはなぜなのでしょうか?
時代は変化しています。いまの日本は超高齢化と少子化による人口減少、そして介護に対する既存のイメージもあって、介護業界の人手不足は深刻化する一方です。そしてそれに伴って人材確保には莫大な費用がかかるようになっています。
そうした窮状に対して、私たちがなにかサポートできることはないかとずっと考えていました。さまざまなお付き合いの中で、人材サービスを自分たちでも始められることを知り、この数年間検討していたんです。
[コムケアと兵庫福祉保険サービス共同でイベント会議]
数年の検討期間を設けたのにはなにか理由があったのですか?
自信がないわけではありませんでしたが、これまで積み上げてきたお客様との信頼関係を崩すことにならないかと本当に悩みました。
なにせノウハウもない全くの素人である私たちがこの人材事業を開始するわけです。また経験だけなく、人材サービス事業をスタートするために必要なITやWebなどに関してもパートナーが必要であったことも大きな理由でした。
どうやってその課題を解消されたのでしょうか?
不安はありつつも、「自社にできること、役に立ちたい」との想いは消えず、計画は担当者との間でずっと練っていました。そこで取引先銀行に相談したところ、株式会社ウェブジョブズの丸山さんをご紹介いただきお会いすることになりました。
いま思い返せばもこの事業が歩みだした瞬間はこの時だったのかもしれません。これが運命なのかと。お会いして計画をお話して終わるころには返事は決まっていました。銀行を出てから担当者にも訪ねてみましたが同じ意見でしたね。
葛藤の数年間を期間があったにも関わらず、なぜあっさりと承諾されたのか気になります。即決ですか?
お会いした時のインスピレーションですね。
こちらの意図を理解しようとしてくれる姿勢が嬉しかった。そして理解してくれました。お考えも地に足がついていて、自身の考えや会社の理念にあっていると感じたということだけです。
後は、これまで考えていたアイデアを実現すべくウェブジョブズさんとの毎週の会議を通じて、とにかく進めていきました。
不思議なもので、日々進めていくうちに「私たちが取り組むべきではないか。地域に根差し地道に取り組んできた私たちだからできることがあるのではないか」という考えが、より強固になりました。
そうしてあっという間に、令和2年10月1日、コムケアの開業日を迎えましたね。
実際にコムケアとして人材サービス「ひょうご介護アナウンス」をスタートされたわけですが、ご苦労はなかったのでしょうか?
やはりコロナですね。営業で訪問して直接お話ができないですし、「ひょうご介護アナウンス」のウリである求人のミスマッチを防ぐための取材もできませんでした。かなり出鼻をくじかれた感はあります。事業を開始した10月は、ほぼ活動できていなかったかもしれません。
しかしここで兵庫福祉保険サービスでの経験や人脈が活きました。兵庫福祉保険サービスの営業に同行することで、人材サービスへの繋がりができることもありました。まだまだ大変な状況ではありますが、応援してくれる方々や私たちなら安心だと言って利用申込をしてくれる方がいたことは、本当にうれしく思います。
「ひょうご介護アナウンス」の起ち上げ前と起ち上げ後で変わったことはありますか?
久しぶりに緊張感を味わっています。従業員皆がそうですが、未経験、ゼロからスタートですから。営業時の説明にシステムの事、私たちもまだまだ勉強の途中ですしお客様からの質問の返答に窮することもしばしば。
時間の使い方もかなり意識するようになりました。忙しいですが時間は創出できると感じています。また今更ながらWebやITの力を実感させられていますね。Zoomでのオンライン会議などもそうですがウェブジョブズさんとの取組の中で、コムケアだけでなく兵庫福祉保険サービスとしても成長できているんです。良くも悪くも得手不得手を皆で補えています。
[オンライン会議の様子。サービス立ち上げによってテレワークやWebへの社内理解も進む]
コムケアと兵庫福祉保険サービスは一心同体でこのサービスに挑まれているイメージですね
そうですね。ただし、人材紹介業は許可制なので兵庫福祉保険サービスとして情報提供などは協力できますが、あっせん紹介などはやはりコムケアでしかできません。そんな中でもコムケアの業務に関して、兵庫福祉保険サービスのスタッフも含めて一丸となって取り組んでくれていることには本当に感謝しています。
新規事業の開始に新会社設立となると大きく変化が伴うリスクもあったと思うのですが、社内から反発などはないのでしょうか?
それはなかったですね。これは中小企業の強みとも言いますか、家族というか、長年共に苦楽を乗り越えてきた仲間なので。役職や社歴にとらわれず一緒に考えて一緒に結論を出していくので同じ方向に進んで行けているんだと思います。うちは自由でいて根底にある結束は強いんですよ(笑)。
[事業責任者の村上(左)とコーディネーターの城月(右)]
なによりチャレンジへの意気込みが皆ありますから。この事業の責任者がもともと兵庫福祉保険サービスから出ていることもあり、意思疎通もスムーズにできていますしね。
なるほど。では「ひょうご介護アナウンス」について詳しく教えてください
兵庫県の介護福祉事業に特化した人材紹介サービスです。
「介護事業者と求職者の本当の悩みに寄り添ったサービスを提供したい」「ひょうごの福祉に貢献したい」「しんどそう・大変そうなど、負のイメージが先行しがちな介護業界を明るくしたい、やりがいのある職業であると自信をもって伝えたい」という想いから生まれました。
■ひょうご介護アナウンス
サービスの運営にあたっては、求人情報を掲載するサイト運用も必要でした。「中小企業ウェブ担当者向けの教育」を行ってきた株式会社ウェブジョブズ様とのコラボレーションにより、「介護×Web」サービス構築」が実現に至っています。
我々は、ただの人材紹介業者として利益を追求するだけでなく、介護福祉事業に関わる皆さんの情報発信の場として皆が集う場となれるよう、ともに歩んでいきたいと思います。その一環として、求人とは関係ないですがSNSを活用したクリスマス企画も実施していました。
■プレスリリース
■「#介護福祉のメリークリスマス2020」特設ページ
https://hyogo-kaigo.jp/xmas2020/
素敵なイルミネーションに自慢のツリー、地域との交流イベントなど、介護福祉施設のクリスマスイベントの様子がわかります。コロナで暗くなってしまった今だからこそ、写真を通じて明るく楽しもう!をテーマに、施設間のつながりや楽しみを共有する目的で企画しました。素敵なイルミネーションに自慢のツリー、地域との交流イベントなど、介護福祉施設のクリスマスイベントの様子がわかります。
介護福祉施設やそこで働く方々のコミュニティとしても活用できそうですね。特にここに注目してほしいというポイントはありますか?
人とWebですかね。WebやITの力を実感した話を先ほどしましたが、もちろんそれだけではないと思っています。アナログだと思われるかもしれませんが「人と人が出会う、絆や繋がりはサービスの根幹」です。時間をかけてでも取り組むことが必要ですね。
その強みとこれまでになかった、Web/ITの力を最大限生かして介護業界を盛り上げていきたいですね。だってXmas企画楽しそうでしょ?企画した私たちも見てて楽しいです!
「自分たちの存在意義を伝えてゆくことができる。更なる発展が望める可能性を感じた」というのも実感しています。
今後の展望や期待することを教えてください
コムケアの人材サービス事業を通じて、兵庫福祉保険サービスの良さや強みを再認識しできました。これまでになかった、他社様との企業同士のコラボが増えてきたと感じています。
社内的にも一人ひとりの特性を生かした仕事の創出や業務を通じたスキルアップを通じて、企業としても更なる発展を遂げ、安定し社員と発展を享受し皆が楽しく仕事できる会社であり続けたいですね。50年、100年と続く会社であり、サービスでありたいです。
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