“ママ自身の人生を応援” たどりついたのは“自己探求” 〜育休コミュニティ部活運営〜
『育休コミュニティMIRAIS(ミライズ)』(以下MIRAIS)は、160人が所属する産育休者限定のオンラインプラットフォーム。“ノーリスクな練習場”と掲げられ、本業では経験できない組織運営・企画プロジェクトなど、個々の自主的なチャレンジを推奨。メンバーの興味・関心を元に自由に立ち上げる“部活動”も盛んだ。
5期MIRAIS(2020年10月~2021年3月※1)で立ち上がった29の部活の中で、最多メンバーの約70人が所属する部活が、清水さゆりさん率いる“自己探求”を目的とした『自分の「内に」「外に」少しずつ踏み出す部』。清水さんは自身の育休中にMIRAISに3〜5期と通期で所属し、働くママにエールを贈りたいとの想いから、この部活を立ち上げ、徐々に進化させてきた。
産育休者に関わる様々な人に、清水さんの“働くママへの想い”や部活運営の試行錯誤の軌跡を届けたい。
長い部活名&イベント名に願いを込めて
『自分の価値観ワードを選び取る~その裏にあるあなただけのストーリーを教えてほしい~』。告知タイトルに惹かれ、新規の入部者もやってくる。2月2日午前に行われた、このオンラインでの部活イベントは1時間半。産後のママにとっては長時間だが、参加者は40人あまりと多く、活発な対話が続く。
イベントでは、まず自分の価値観を掘り下げるためのオリジナルワークに個々で取り組み、その後4〜5人のグループに分かれて内容を共有。約1時間かけ自分自身の言葉で考えを言語化し、他の部員と質疑応答を重ねることで、自分の考えを深めてゆく。
清水さんの狙いは、この対話形式により深められる自己探求。働くママこそ育休中に自分を見つめ直して欲しいという。「きっかけは“子ども”という大事な存在が目の前に現れること。子育て・仕事・ライフスタイルなど、“自分にとって本当に大切なものや、自分がどうありたいかを見つめ直す一つのターニングポイントになる”と考えています。」
毎回清水さんは想いを反映した部活名やイベントタイトルをつける。「長いですよね・・・(笑)」。MIRAISの所属メンバーは、復職を控えた働くママ達。仕事、自分の夢、子どもや家族と、大事なものが増えることで、必然的に時間がより貴重なものになる。「“時間の積み重ね=自分の人生”です。限りある時間を大事に使い、心から望む人生を歩むための出発点は、“自分を知ること”。自己探求の機会を提供し、個々の人生を応援したい」と清水さんは強く語る。
※清水さん作成のオリジナルワークシートや、振り返り用スレッドの一部(イベント後にはfacebook上のスレッドで感想・フィードバックも共有。アウトプットの重要さを理解している部員達は、振り返り用スレッドに自主的に発信してゆく。)
※対話の様子
大学院での気づきと、母きゃり相談室での経験
なぜ働くママに“自己探求”が必要だと考えたのか。
清水さんは大学院で課題解決に関する心理学を研究していた際、“問題を根本から解決するためには、自分自身を知ることが必要”と痛感する。「自分自身がどのような考えを持っているのか、どうありたいのかを把握しようとする過程でこそ、真の問題に気づくことができます。」
そこで、MIRAISの参加前に清水さんが開室した『母きゃり相談室』※2では、自己探求の大切さを伝えた。相談室のメインプログラムは、働くママの心から望む生き方を“ビジョンと行動”の両面から応援するもの。一人で考え抜くのが難しい“自分自身の価値観や本当の望み”などをクリアに自覚できるようにサポートする。ライフスタイルやキャリア像を明確にすることで、実現に向けた行動ができる・・・清水さん自身が手応えを感じていた。
※母きゃり相談室での活動と、HP画面
MIRAISにおける、自由に制限なく想いを語れる場づくり
出産を重ね、MIRAISに出会った後に、清水さんは所属メンバーの“もやもやした想い”に気が付く。ここで相談室で培った経験が生きると直感した。
まず3期では、『自分の「ど真ん中」発見ワークショップ』と題して自分の大事な価値観(=ど真ん中)の発見をテーマにした部活を立ち上げる。「各部員が最後に“ど真ん中”を発見できたものの、その過程で“現実的には無理”、“子どもがいるうちは難しいかな”など、部員が自分の可能性を想像の中で制限してしまうことが気になっていました。」
そこで4期は『自分発見!翼を広げる部』という部活名に。“本当の気持ちを自由に制限なく語れる場”と宣言し部活動を展開する。「地域のママ友には話しにくいことでも“実は内に秘めている、まじめで熱い想い”ってありますよね。」
※清水さん作成の、ワークショップ資料の一部
誰かとシェアすることによる、考えの広がりを
5期には、MIRAISにおける部活運営の最適解が見えてきた。少人数での対話は維持しつつ、部員が多角的な視点を得られるよう、清水さん自身も参加者としてグループに入る。「“誰かに話すことで視点がぐっと広がりを持つこと”、かつそれが“部員自身に新たな発見と喜びをもたらす”ことに、部員から寄せられた感想で気がついたのです。」
5期のテーマでは、価値観に加えその後の“行動”にも焦点を当て対話している。積極的な参加者も増えアウトプットも非常に活発になった。
本音を誰かと話し、考えを広げることで『自分の「内に」「外に」少しずつ踏み出す』。MIRAISの部活運営にチャレンジしたことで、清水さん自身が“ビジョンの明確化の必要性”を再確認し、さらにその先の“行動の重要性”を実感できた。また、支援可能なママがMIRAIS以外にも潜在的に多く存在するのではと、今後の活動に向け、益々意欲的に感じているという。
※参加者による記念写真
これからも働くママにエールを
清水さん自身は2021年3月でMIRAISを卒業する。部員から感謝の声が多く寄せられ、「働くママの自己理解のきっかけを作れていることを実感し、泣きそうに嬉しい・・・」と顔をほころばす。
「MIRAISでは、たくさんのチャレンジをさせてもらいました。“自分発見”の大切さが根底にあるのは変わりませんが、少人数での哲学会やパラレルキャリアを形作るワークショップ、セミナーのつくり方講座を開くなど。大好きな島根県鳥取県のトーク会ができたのもすごく楽しかった。これからMIRAISに参加する人は、自分がやりたいことをどんどん形にしてみて欲しいです。行動した先に違った景色が見える、そう思うので。MIRAISの仲間は、チャレンジする人をあたたかく応援してくれますよ。」
今後は、MIRAIS“ノーリスクな練習場"で得た経験や生の声を、自身が運営する『母きゃり相談室』の活動にも生かしていきたいと話す。清水さん自身も、「“自分の『最良』を考え抜き、軽やかに行動するママを育む”という理念に向かって“働くママの心から望む生き方の実現を応援していきたい”」と、力強く語った。
【参照】
※1:MIRAISは1期6ヶ月
※2:「母きゃり相談室」 https://mamacareer.net
※3: MIRAISでの清水さんのあだ名(MIRAISではフラットな関係性を築くため、全てのメンバーをあだ名で呼び合っている )
【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
育休コミュニティMIRAIS 広報:芝田、小関
メール:ikukyu.community@gmail.com
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ