【1ヶ月で100人から10人に】解散の危機からV字回復、逆境をチームで乗り越える突破力
株式会社Kanattaは、2016年6月に設立され、SDGsの「目標5・ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る」の実現に貢献することをMissionに、ドローンジョプラス、コスモ女子、エシカルガールの3つの女性コミュニティを運営しています。さらに、女性の夢の実現をサポートするためのクラウドファンディングサービスも提供しています。
コミュニティの代表格であるドローンジョプラスは、様々なメディアにも取り上げられ、延べ1万人以上の方々にドローンの操縦講習を実施してきました。他企業と連携し、地方創生の貢献に取り組むなど、日々新たな挑戦をしています。また、毎月行っているドローン勉強会や空撮ツアーも好評で、ドローンジョプラスメンバーも全国にわたり増え続けています。
しかし、ドローンジョプラスが現在の形になるまでに、大きな逆境とそれを乗り越えた一人一人のSTORYがありました。今回は、現在の新体制に大きく携わった3名(株式会社Kanatta 代表取締役社長 井口恵/ドローンジョプラス創業メンバー 梅澤裕佳/ 株式会社Kanatta 事業部長 時田大地)に話を伺いました。
■創業に込められた思い
ーーー井口さんはどういった想いや経緯で株式会社Kanattaの創業に至ったのでしょうか?
(井口さん)
これまでのキャリアを経て、女性の経済的自立や社会進出をサポートしていきたいという想いが強かったです。もともと公認会計士として監査法人で勤務していました。男性中心の職場で、夜中の3時まで勤務ということも。そのような状態で30代、40代まで続けるのは困難だと考え、女性が多く活躍しているファッション業界へ転職をしました。ところが、実際に働いてみると、役員クラスは全員男性。この経験から、女性の社会進出に貢献したいと思い、現在のキャリアに至りました。
ーーーなぜ、ドローン事業を始めようと思ったのでしょうか?
(井口さん)
現状ドローン業界は男性が中心ですが、女性でも負担なく操縦ができます。当時からこれから成長する産業としてドローン業界が注目されていたので、女性がドローンの操縦ができるようになれば仕事にもなり、社会進出に繋がるのでは、と思うようになりました。そんな中、ドローン業界で活躍する女性の存在を知り、女性の活躍の場として無限の可能性を感じました。
そのような背景から、ドローンの魅力を発信する女性だけのコミュニティ、ドローンジョプラスが誕生しました。
■《2年で100名のコミュニティに》認知度も低いところから、コミュニティの立ち上げへ
ーーードローンジョプラスの設立当時は、どのような活動をしていたのでしょうか?
(梅澤さん)
最初は、コミュニティの作り方さえもわからなかったですし、ドローンも世間では話題になっていませんでした。そこで、毎月1回、目新しいもの好きな人が集まるガジェット飲み会を実施し、その参加者にドローンを実際に操縦し体験してもらうことで、まずは興味を持ってもらうところから始めました。活動を通し2年程で100名を超えるコミュニティに拡張し、2017年に入ってからは、テレビ局からの取材を受けるまで発信力のあるコミュニティに発展。当時は珍しかった女性のドローンパイロットであるドローンジョプラスの面々は引っ張りだことなりました。
■ドローンジョプラス存続の危機
ーーー活動を通し、苦労したことはなんでしたか?
(井口さん)
2018年12月、ドローンジョプラス設立のきっかけにもなった、圧倒的なドローンの技術を持つ当時の女性リーダーがコミュニティを離れることになりました。彼女に憧れてコミュニティに加入したメンバーも多く、リーダーが辞めるのと同時に、90名近くのメンバーが離れていきました。
■改めて覚悟した決断
ーーー2年近くかけ、地道な努力の積み重ねで100名を超えるコミュニティにまで拡張してきましたが、一ヶ月でたったの10名に。ドローンジョプラスを残すか残さないかの瀬戸際で、どのような決断をされたのでしょうか?
(梅澤さん)
やはり、ドローンから離れたくないという想いから、私は継続することを決めました。周りでサポートしてくださっている方々からは、ここで続けるということは、これまでのようなコミュニティとしてだけではなく、事業として全国に広めていく必要がある、それぐらいの覚悟はあるのか、と強く言われたこともありました。しかし、あのドローンの目線、上空から見られる映像の魅力を、自分たちの力で多くの人に広めていきたいという気持ちが強かったです。何より、リーダーがいなければ、何もできないとなってしまったら、私たちがこの2年間全力で尽くしてきた想いが無駄になってしまうと感じました。
(井口さん)
一人で何でもこなしていたリーダーの存在がいなくなり、彼女のポジションに代わることができる人はいませんでした。しかし、1人の実力が前リーダーに及ばなくても、残ったメンバー10人の力を合わせれば、リーダーの仕事はできるはず。一人一人の強みを生かし、10人で再スタートし、絶対に成果にしたいと感じました。
ーーー実際に続けると決めて、新体制は具体的にどのように変わっていったのでしょうか?
(時田さん)
2019年1月から新体制となり、まずはコミュニティに入る基準から変えていきました。元々は興味があれば誰でもドローンジョプラスに参加できましが、その結果、メンバーの温度感もバラバラでした。そこで、勉強会や検定など、新たに基準を設定しました。
また、選択と集中に拘りました。仕事の案件を選定し、的を絞るようにしてきたのです。これまでは、前リーダーが一人で色んな案件を受け何でもやってきたという感じでした。しかし、ドローンの操縦体験会一つとっても、ロケーションの確認や内容決めなど、考えることが多く、手分けをしないと業務が回っていかないと感じました。そこで、まずは受ける案件を体験会のみに絞ることで、リソースを集中することができ、毎月案件が入るようになっていきました。
(井口さん)
また、体制を明確にしたことも大きかったです。これまでは、ドローンジョプラスという女性コミュニティの存在が強く、株式会社Kanattaが何なのか説明できる人がいませんでした。運営会社としての存在感が出せていなかったです。そこで、ドローンジョプラスのメンバーの女性のみでコミュニティを運営していたところから、株式会社Kanattaの時田
事業部長にマネージャー的存在として積極的に企画、運営に入ってもらいました。また、ドローンジョプラス内ではあえてリーダー的存在は作らないようにしました。一人一人が強みを生かし、全員が活躍するコミュニティを作りたかったからです。
(梅澤さん)
ドローンのことであれば私に、仕事の案件などに関することは、時田事業部長に相談するという体制を明確にすることで、よりわかりやすく管理できるようになりました。また、女性だけではうまくいかないことも、男性が一人、株式会社Kanattaという運営会社の社員という立場から一歩引いてサポートしてくれることにより、スムーズに運営できるようにもなりました。
また、時田事業部長のキャラクターも無くてはならない存在だったと思います。
ーーー女性だけのコミュニティで仕事をする上で工夫したことはありましたか?
(時田さん)
とにかく、メンバーに受け入れられるよう、最初のうちは異物と感じさせないよう、あえて存在感を消していました。あるテレビ番組のロケに参加したときは、初めて会うメンバーでも飲み物を買いに行ったり、荷物を持ったりと、とにかくいじられキャラや雑務担当に徹し、少しずつ丁寧にコミュニケーションを取っていくことを意識しました。その結果、メンバーの皆さんに寄り添い、皆さんが何でも打ち明けられる立ち位置になったと自負しております。
■新体制となり、集まるメンバーにも変化が
ーーー具体的に体制も変わり、どのような変化があったでしょうか?
(井口さん)
2019年2月に、ヒルナンデスの取材を受けてから、メディアにも多く取り上げられるようになりました。2019年の年末には80名近くのメンバーになり、1ヶ月で100人から10人に激減したところから、約1年で元の状態に戻すことができました。
また、これまでは前リーダーに憧れてドローンジョプラスに入る人がほとんどでしたが、基準を定めたことにより、コミュニティを通して活躍していきたいなど、女性の社会進出に貢献したいという私たちのビジョンに響いて参加する人が増えていったと感じます。
■全員の力で作り上げるドローンジョプラス
ーーーこれまでの転換期を経て、今後はどのように変わっていくでしょうか?
(梅澤さん)
私は2020年頃から育成に力を入れるようになり、2021年は育むがテーマとなりました。
メンバー一人一人のレベルを底上げし、自分がいなくても、コミュニティが成立する状態を目指しています。以前は、全て自分でやらなければいけないのかというプレッシャーがありましたが、井口社長が体制を変えてくださったことや、時田事業部長の存在により、一人でやらなくてもいいんだ、みんなで仕事をし、自分が楽しんでいるから、このコミュニティも楽しくなっていくのだと感じるようになりました。
ーーー確かに、私もドローンジョプラスの検定会に参加させていただきましたが、メンバーの皆さんの、とにかく梅澤さんから学び取ろうという姿勢がとても印象的でした。
(梅澤さん)
皆さん前のめりで参加されていて、次はメンバーの皆さんが講師を務め、コミュニティを作っていく側になる。コミュニティを通し一人一人に力がついていけば、女性の社会進出に貢献できると考えています。
■ドローンジョプラスの展望
前リーダーが抜け、メンバーが1ヶ月で100名から10名になってしまった挫折を乗り越え、新体制となったドローンジョプラスでは、メンバーの活躍の場が全国に広がっています。この経験から、コミュニティ一人一人が力をつけていくことで、現在では株式会社Kanatta主催のドローン勉強会や、学校や自治体等でのドローン講習で講師を務めるなど、社会で活躍するメンバーが増えてきています。ドローンジョプラスでは、引き続きドローンの魅力を女性目線で発信していき、活動を通して女性の更なる社会進出に貢献していきます。
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