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2020年初めて買う冷凍食品で餃子が1位※に。味の素冷凍食品が意識する生活者の“多様なニーズ”とは

著者: 味の素冷凍食品株式会社

※冷凍調理新規層の主要サブカテゴリー別 購入率推移(%)、当社調べ


冷凍食品を通し、食べる人や使う人に「感動」と「喜び」を届けることをミッションとしている味の素冷凍食品。中でも定番の「ギョーザ」はさらなるおいしさを求めて永久改良を行い、生活者のニーズに合った味とラインナップを続々と展開しています。


2022年2月6日(日)には、ビールと相性抜群な「黒胡椒にんにく餃子」と、普段の食事で野菜を摂りたいというニーズを満たし、和食にも合う味の「シャキシャキやさい餃子」を発売


開発担当者の谷によると、コロナ禍において冷凍食品は、毎食の準備を手助けする“食卓おかず”として認知され始めているといいます。今回、なぜ2つの味が生まれたのか。冷凍食品市場や生活者の動向の変化と共に、開発に込めた想いを振り返ってもらいました。


フライパンで焼いて食べる工程が「ギョーザ」の強みになった


ーー「ギョーザ」は2022年で発売50周年を迎えるとのことですが、当時と現在を比べて生活者の中で冷凍食品「ギョーザ」への認識に変化を感じることはありましたか?


谷:餃子は今も昔も手作りをしているご家庭が一般的だと思いますが、まだ冷凍食品が発売されて間もない頃は、それに続いてチルド、その次が冷凍食品という位置付けが長く続いていました。


ただそれも、ここ数年で生活者のライフスタイルに変化があったり、社会情勢が変わってきたりした関係で、現在は冷凍食品が食卓にあがる頻度が増えたと感じています。


ーーその変化の理由についてはどう考えていますか?


谷:さまざまな要因があると考えていますが、まずは「ギョーザ」自体をよりおいしく改良し続けたことがひとつ関係していると思います。


それに加えて、「ギョーザ」の調理方法も進化してきました。当初は手作りの餃子のように水と油を使用して焼く必要があったのが、現在の「ギョーザ」は水と油を使わず、フライパンの上に並べて焼くだけで羽根付きの餃子が焼けるようになっています。



リピートしたくなるような味と、手間が少なく食卓に出しやすい調理法のどちらも追求し続けたことで、冷凍餃子の価値自体が向上した。その結果、食卓の主役として認知されてきたのかなと考えています。


ーー冷凍餃子自体が進化しているとのことですが、コロナ以前とコロナ後の2020年・2021年でも冷凍餃子の売上や伸びに変化はありましたか?


谷:ありましたね。コロナで在宅時間が増え、調理負担が大きくなった中で、冷凍食品がまず注目されるようになりました。その過程で、冷凍餃子の売上も伸びたんですね。


また、Twitterでの「冷凍餃子#手間抜き論争」は、ちょうどその時期に起きたことでした。

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「冷凍餃子#手間抜き論争」をきっかけに冷凍餃子に込める味の素冷凍食品の想いを映像化したWeb動画『おいしい冷凍餃子の作り方~大きな台所篇~』


冷凍餃子を使って食卓の準備をすることにどうしても罪悪感を覚える方はいらっしゃると思います。ただ、「ギョーザ」はほかの冷凍食品と比べて、実際にフライパンで焼くことが必要です。その工程があることで、冷凍餃子を使用することに罪悪感を覚えにくく、手に取りやすい状況が生まれたのではないかと考えています。


料理におけるこれまでの価値観が、冷凍食品は食卓のおかずとしても使えるという新しい価値観に転換されていく兆しを感じています。


コロナ禍における生活者の3つのニーズ


ーーコロナ禍で「ギョーザ」がこれほどまで注目されるのは意外なことだったのでしょうか?


谷:元々、冷凍食品の中で一番売れているのは「ギョーザ」ではあったものの、ここまで大きな反響があるとは想像していなかったですね。ただ、大きな環境の変化の中で最近強く感じるのは、手軽に調理できるのに手作り感もあって、おいしく・栄養バランスも良い「ギョーザ」は、多くの方々に元気を届けられる、そんな商品だなということです。


ーー今回発売される「黒胡椒にんにく餃子」と「シャキシャキやさい餃子」も、コロナ禍における生活者のニーズに応えるべく開発された2商品と伺いました。


谷:開発するにあたり大きく2つのことを考えました。


まず前提として、コロナ禍で気軽に外食を楽しめず、気分転換する場所にも行きにくい状況下となり、生活者は慢性的なストレスを抱えています。そうなると、家での食事の重要性がどんどん増してきています。


そんな中でまず注目したのが家飲みの需要です。家での晩酌の頻度が増える中で、メニューもマンネリ化してしまいがちですよね。お酒に合う新しいメニューがほしいと思う方はきっと多いはずだと考えました。


そしてもうひとつ注目したのが健康面です。コロナ禍でうかつに風邪もひけず、できる限り普段の食事から栄養バランスを気にかけようとする方は増えたと考えています。特に、意識しないと不足しがちな野菜は積極的に摂りたいと思いますよね。


生活の中のシーンに寄り添う味を追求


ーーそれぞれ、生活者のニーズを汲み取った結果生まれたのが「黒胡椒にんにく餃子」と「シャキシャキやさい餃子」ですね。「黒胡椒にんにく餃子」はビールとの相性を考え、レシピを設計されたとか。


新製品「黒胡椒にんにく餃子」


谷:「餃子にビール」と認識されている中で最初に気付いたのは、ビールを飲みたいなと思ったときに餃子以外の選択肢が数多くあるな、ということでした。そこでまず「ビールを飲むときにはこの餃子を食べたいな」と思える商品を作ることから始めました。


その際に対照的な物質同士が実は相性がよいという「フードペアリング理論」を参考にしました。この理論に基づいて考えると、ビールはさっぱり・スッキリしているので、合わせるなら味がしっかりしていてパンチがある食べ物がよいねと。そこで行き着いたのが黒胡椒とにんにくの組み合わせです。


ーーチルドに比べてやはり冷凍ということで胡椒がきいた味を実現するのは難しそうですが……


谷:その通りで、単純に黒胡椒やにんにくの量を増やせばよいというものではないので、いくつかパターンを試しました。最終的には、粗挽きのブラックペッパーだからこそのガツンとした辛味を感じられるレシピに決まりました。


あとは、辛味を引き立たせる上で味のメリハリも意識しています。豚肉の脂の甘味も感じられることで、辛味が強く印象に残る。辛味・塩味・甘味を緻密にレシピ設計しているのがポイントですね。


「黒胡椒にんにく餃子」喫食時の味・香り・風味の感じ方


ーー「シャキシャキやさい餃子」は、健康面を気にされている方をターゲットにした商品ですよね。以前から野菜をメインにした冷凍餃子は考えていたのでしょうか?


新商品「シャキシャキやさい餃子」


谷:多くの方に当てはまると思いますが、コロナ禍で健康への意識がさらに加速していった背景があると考えています。私たちも以前から野菜をメインにした冷凍餃子を作りたいとは思っていたのですが、この状況になってどうやったら冷凍餃子で普段の食事から少しでも野菜を摂れるのかをより考えるようになりました。


ーー元々、餃子には野菜が使われていますが、野菜がメインとなると難しい部分はあったのでしょうか?


谷:コンセプトの核を決めるのにすごく時間がかかりました。私は餃子の開発に携わって約3年ほどですが、振り返ると一番難しかったテーマだったのではないかと思います。


なぜかというと、皆さん餃子で野菜を摂ることをそこまで求めていないじゃないですか。おいしい餃子であることが一番大切で、そこに野菜がなかなかマッチしなかった。パッケージ面から考えてみても、野菜が前面に出るとサラダのようなイメージが強くなり、おいしそうな餃子ではなくなってしまい、購買意欲が刺激されないなというのがありました。


ーーそこからどのように今のコンセプトが決まったのでしょうか?


谷:悩んだ結果、おいしい餃子を作ることが大前提だと改めて考えました。そこから、おいしくて結果的に野菜も摂れる冷凍餃子って何だろうと考え始め、シャキシャキ感を楽しめるのは野菜ならではの価値だろうというところに行き着きました。


ーー餃子の中具に入っているのは、野沢菜と大根と珍しい組み合わせですが、そこまでどのような試行錯誤があったのでしょうか?


谷:野菜というかなり広い括りの中で、その組み合わせに関しては手探り状態で進めましたね。最終的には野沢菜と大根を使うことになりましたが、それまでに何パターンも試しています。


あまりイメージがないと思いますが、野沢菜や大根は意外に相性がよいんです。野沢菜はシャキシャキ感があって、大根はみずみずしいジューシー感がある。さっぱり食べられて、ご飯・味噌汁・焼き魚といった和の食卓にもマッチする冷凍餃子ですね。


ナンバーワンのおいしさにプラスαの商品開発を


ーー新商品を開発するにあたって何を一番大切にされているのでしょうか?


谷:常にお客様の声に耳を傾けることです。今回の新商品に関しても、コロナ禍という生活に大きな変化があった中で、浮き彫りになった生活者が求めていることを開発に活かしました。もっと冷凍餃子がお役立ちできる場面はたくさんあると感じています。


ーー生活の中で餃子が食卓にあがる回数をより増やすことができたら、ということですね。


谷:いま冷凍餃子は注目されていますが、年間の購入率で見ると43%。4割の方しか冷凍餃子を購入されていない状況です。また購入される方の年間の平均購入個数は約6個とまだまだ少ない状況です。


年間365日で1日に3回食事をする中で6回しか購入されていない状況を考えると、やっぱりもっと食卓にのぼるような機会を増やしていきたいと思っています。


ーーより冷凍餃子を手に取ってもらう機会を増やすために、これからも今後も重視していきたいことはありますか?


製品戦略部「ギョーザ」担当 谷隆治


谷:大きな軸として持っているのは、常にその瞬間でナンバーワンのおいしさを目指すということです。それに加えて、冷凍食品を食べることによる健康面や食の楽しさをいかに提供できるかを考えながら商品を開発しています。


今回の商品でいえば、「黒胡椒にんにく餃子」は家飲みの時間をもっと楽しくしたいと考え、「シャキシャキやさい餃子」はおいしい餃子で野菜もしっかり摂っていただき、健康面でもサポートしたいと考えました。おいしさナンバーワンを根底に、これからも生活者の皆さまに寄り添った、さまざまな商品を提供できたらと思っています。




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