すべてのアクションに、ファッションへの情熱を。ファッションを身にまとうすべての人が心躍る未来をつくるために、私たちワールド・モードが今出した答え。
皆さんにお気に入りの服はありますか?
気持ちがシャキッとするから好き、リラックスできるから好き、コスパがいいから好き、人気ブランドのものだから好き、形が、素材が、デザインが、色が好き。
ファッションの価値は様々ですが、私たちは毎日服を着てあらゆる時間を過ごしています。私たちにとってファッションは日常とは切り離すことのできない存在ではないでしょうか?
ところが、緊急事態宣言下においてアパレルは生活必需品として認められず、多くの店舗が営業停止を余儀なくされました。一体なぜ?ファッションは着飾るためのものだから?服を着なくても人は生きていけるから?
政府のこの判断に業界には大きな激震が走り、私たちが「ファッションとは何か」を改めて見つめ直す機会となりました。
私たちワールド・モード・ホールディングス(WMH)は、変化するファッション業界でサービスを提供し続けてきたグループ企業です。人材会社からスタートし、日本で唯一と言えるファッション領域に特化したソリューション・グループへとビジネスを拡げ、今年、設立から10周年を迎えました。節目となるこの機会に、WMHについてご紹介させていただきます。
300名が失業の危機?!窮地をきっかけに始まった人材事業。そして現在のグループ企業へ。
WMHの祖業となった人材会社iDAは、WMHの現代表取締役である加福真介の父、加福圭介によって立ち上げられました。
企業での社員としての経験を経て起業を志した創業者は、ファッション・ビューティー業界の門戸をたたきました。一時的な勉強のつもりで入ったはずが、気付けば仕事にのめり込み、1999年、56歳の時にようやく現在のiDA(当時はアイ・ディ・アクセス)を起業します。
「お世話になった業界への恩返しがしたい」という思いから同業界でのサービス提供を志し、当時はブランドの販路開拓や店舗運営など様々な仕事を引き受けていました。ところが、店舗運営を担当していたブランドが日本を撤退。当時働いていた人材300名が突然職を失う事態となり、大切に教育・育成した300名の雇用をなんとか守りたいという一心で彼らの転職先を探しました。この出来事をきっかけに、iDAは人材会社として歩み出しました。
iDAの第1回目の社員旅行(2000年)
2008年、加福真介がiDAの二代目社長に就任。そして2012年にWMHを設立しました。父と同様に彼は「企業は顧客の要望に応え、常に変化していくものである」と考えていました。そのためには単一事業よりも複合的に事業を保有する会社へと変化すべきである。そう考えた彼は行く先々でこの夢を語り、この思いに共感してくれるプロフェッショナルたちとの出会いに恵まれ、現在のグループの形になってゆきます。
写真左: iDA創業者 加福圭介 / 写真右:WMH代表取締役 加福真介
グループの内情と課題
人材300名を絶対に失業させたくないと雇用先を探して走り回り、全員の雇用を守った時、顧客から最も評価されたのは、人材を店頭に立つプロとして育成していた点でした。人材ビジネスにおいて人材育成は切り離せない重要な要素と考えた加福は、研修会社をグループに招き入れました。ビジネスシナジーはもちろん、現場の社員たちも互いに上手く連携し、グループ経営は順調な滑り出しのように思えました。
しかし、グループ三社目として歴史ある広告代理店であったAIAD(当時はアイ・アドバタイジング。現在は統合型マーケティングを展開)を招き入れた時に、グループ経営の最初の試練が訪れます。当時、AIADを率いていたのは、業界でも有名な広告営業マンであった80歳近いレジェンド創業者。広告業界の経験も知識もなく、社長歴も浅い若年の加福が経営者として機能するには想像以上に時間がかかりました。グループ内の既存事業であった人材や研修とも畑が異なり、現場社員同士の交流もなかなか進まず、もどかしい日々が続きました。
WMHにはM&Aでグループに招き入れた事業会社が3つと、プロフェッショナル人材を外から招いて設立した事業会社が2つ存在します。いずれも祖業のiDAとは専門分野が異なり、企業文化や雰囲気、職種や人事制度などカルチャーの異なる会社ですが、これまでに大幅なPMI(統合のための施策)は行っていません。情報の連携やオフィスの融合は行いますが、異なる会社のカルチャーは個性として異なったまま残しています。
この方法は、グループ内の従業員が打ち解け、シナジーを出すのに時間がかかります。時間とともに互いに支え合うようになり、事業シナジーも当初より格段に生まれていますが、本来グループ経営を志向する加福の理想としては、よりスピードを加速させたいところです。
時間をかけた自然な融合だからこそ得られる、シナジー効果
一方で、現在私たちが苦労しながら模索を続けている、領域を跨いだこの融合こそが、顧客の課題に寄り添うことができる要因なのです。
加福が初めにグループ経営を志向したとき、その課題意識は、顧客の要望に全方位に応えられることでした。
当時、加福が対話をしていたのは経営層や責任者。当然、全社視点の全方位からの課題点を聞くことができていました。しかし、WMHの社員たちが日々対峙しているのはクライアント企業の現場担当者。その方々には割り当てられた役割や部署、領域が決まっており、大きい企業であるほど役割は細分化され、自身の部署や領域外の課題把握は難しく、グループ化した後もWMHに現場で「聞こえてくる」課題に大きな変化はありませんでした。
それでも、グループ内に他の領域をプロフェッショナルに担う別の会社があり、日々その会社の人や情報に触れることで、WMH社員たちは普段ヒアリングしている課題の奥に見えない別の課題が隠れていることに気付くようになってゆきます。そして、これまで見えなかった課題を「引き出せた」際には、任せられる仲間がいることで、クライアント企業の担当者が見えてない本質的な課題に対する解決策の提案などができるようになります。
「この費用をかけるのであればPR施策よりも中長期的に戦略を立てられるマーケティング人材を採用してはいかがでしょうか」
「今回のケースは販売員の採用ではなく、店舗代行のほうが良いかと思います」
無理矢理PMIを行わないことで、「異なっている」ことを尊重し、領域間の壁を超える苦悩を理解できる。「みんなで一緒に」ではないかもしれませんが、それぞれがそれぞれの持ち場で力を発揮することで、グループとしてきちんとシナジーを出せるようになってきているようです。
グループの社員旅行(2019年)
これまでのファッション業界とこれからのファッション業界
WMHはグループとしてようやく10周年を迎えました。
グループで最も長い歴史を持つAIADが創業してからは44年。当時はとても勢いがあったファッション業界も1990年初頭をピークに市場規模は右肩下がりだといわれています。
SNSやデジタルメディアの台頭、EC化率の上昇と店頭への回帰、オンラインのみで展開するブランドの出現、ファストファッションの台頭と衰退、世界第二位の環境汚染産業という大きな問題意識。常に一秒前の当たり前が過去の遺産となり、トレンドを作っていたはずがトレンドに振り回されてしまうブランドも。必然的に、聞こえてくるニュースは暗いものが多くなっているようにも感じます。
コロナ以前、WMHはファッション業界で生きるグループであり続けるべきか否か、というテーマで徹底的に議論を重ねたことがありました。
この時議論に参加した役員たちの回答は全員“Yes”。
WMHの最大の特徴はファッション業界に特化していること。市場規模の縮小など暗いニュースはあれども、業界の発展に貢献するグループであり続けるべきだ、という回答が導き出されました。そしてこの決断は、後に訪れたコロナ禍においても、私たちが揺るがず走り続ける原動力になりました。
では、数字で示される業界の縮小に対して、私たちはどのように闘っていくべきなのか。
昨今では「失われた30年」と日本経済の衰退が揶揄されています。実際に以前は、現地で使われる電化製品や自動車など、海外の様々な場所で目にする日本企業の名前に少し気持ちが誇らしくなったものですが、最近では他国の台頭を強く感じるようになっています。
「両利きの経営」という有名な経営書があります。主力事業の絶え間ない改善(知の深化)と新規事業に向けた実験と行動(知の探索)を両立させることの重要性を唱えた経営論が解説されています。その中では多くの米国企業の事例をもとに、両利きの経営がいかに重要であるかが説かれていますが、かつて世界の舞台で華々しく活躍していた多くの日本企業が現在、他国との激しい競争にさらされている原因のひとつには、この両利きのバランスが十分に機能していなかったことが挙げられるのかもしれません。
幸いにもWMHではこれまでiDAという主力の人材事業をベースに他のサービスを拡充する「探索」を行い、それぞれの企業の「深化」を進めてきました。
単一事業の深化だけでは足りないと思った10年前の加福が進めた施策ですが、グループ企業も増えた今、私たちは新たな「探索」、つまり新規事業を進めていくタイミングなのでしょう。
ファッションの豊かさを未来につなぐために
「世界に認められる会社にならなければ会社の未来はない」
これはこの記事の執筆にあたりインタビューをした際の加福の言葉です。普段は強い言葉を使わず、人を傷つけないよう、周りに配慮して発言をする加福がこの言葉をとても力強く発したのです。それは危機感の強さを表していました。
WMHがファッション業界で生き続けるべきだという決断をした時、その重要な理由の一つとして「ファッションは人の心を豊かにする必要不可欠なものであり、決してなくなることはない」という意見がありました。もちろん、その重要度は人それぞれですが、現在の業界の動きを見ているとこの判断は間違っていなかった、と思わせてくれます。
コロナ禍からの脱却が進む中、「快適に過ごせるオフのファッション」から「人と会うためのオンのファッション」のニーズが復調し、コロナ以前よりも業績が好調なブランドも出始めているのです。
急激な時代や変化の流れを経ても、やはりおしゃれは、ファッションは人々の心を豊かにし、日々を彩る重要な要素なのでしょう。長らく続くパンデミックは私たちに忘れかけていた重要なことを思い出させてくれたのかもしれません。
グループのVMS社がストアデザインとVMを手がけた
2022年7月開催「BIJOU DE M / MIO HARUTAKA POP UP STORE」
(伊勢丹新宿店にて)
ではこの、改めてその重要性に気づいた「ファッションがもたらす豊かさ」を後世までつないでいくために、私たちがすべきことは何か。
コロナ禍で加速したようにも感じる、あまりにも早いトレンドの移り変わりに心が疲れてしまっている人も多いと思います。私たちもその移り変わりの速さに不安を感じないわけではありません。しかし、ある社員の言葉にハッとしたことがありました。
「変化の大きい時代でなければ、顧客は戦略や取引先を変える必要がなく、我々は必要とされない。WMHの力が必要とされるのは顧客が部門を横断して何かを大きく変えなければならないときです」
雑誌で見た商品を店頭に買いに行く、という行動から雑誌やいくつかのSNSで見た商品をECや店頭で購入する、という消費活動に変わっている今、私たちWMHが最も重視しているのは顧客体験、つまりカスタマーエクスペリエンス(CX)の均質化です。
消費者への接点が多いゆえ、消費者へのアプローチは一人の社員や一つの部門で完結することはできません。各種SNS担当、EC担当、店頭の販売員。領域の異なる社員がばらばらに対応していても、消費者が接触する媒体が異なっていてもブランドメッセージや商品に込めた想いが均質化していれば、何気なく目にした情報も認知される情報へと変わり、それはいずれブランドへの興味関心や購買意欲の高まり、ファンの育成に繋がります。
この連携は、誰か一人が頑張っても、誰か一人だけが欠けた状態で頑張っても意味がありません。まさに、部門を横断して大きく変えなければならないポイントの一つでしょう。
この連携プレーによる一つ一つの行動によって、商品の、ブランドの、業界のファンを一人ずつ増やし、私たちはこれからも未来にファッションの持つ力を、豊かさをつないでいきたいと思います。
※WMHグループの直近のリリースもご覧ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000171.000010360.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000170.000010360.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000169.000010360.html
【ワールド・モード・ホールディングス(WMH)について】 https://wmh.co.jp/
ファッション・ビューティ業界を専門に人材やデジタルマーケティング、店舗代行など様々なソリューションを提供するグループ。iDA、BRUSH、AIAD、AIAD LAB、フォーアンビション、VISUAL MERCHANDISING STUDIO(VMS) の 6 社の国内事業会社および シンガポール、オーストラリア、台湾、ベトナムの4 つの海外拠点を持ち、専門性の高い各社のシナジーによって、お客様の課題に応じた実効性の高いソリューションを提供しています。また業界のサステナブル化促進を目指した活動を展開しています。
■iDA: プロフェッショナルの採用・育成・活用で課題解決に貢献
ファッション業界で働くすべての人、企業に対してWORKING DREAM®を実現します。「専門性」「全国展開」「教育力」を強みとして、人材紹介・派遣、採用支援、 転職・ 新卒サイト運営、人材育成、新規出店コンサルティングや店舗運営代行のソリューション提供を行います。 https://ida-mode.com/
■BRUSH:人材育成から顧客育成まで。人の成長と店舗の成功をコンサルティング
各種研修(セールステクニック・マネジメント・階層別トレーニングなど)から店舗運営に必要なメソッド提供(計数管理・顧客育成・イベント管理など)、OJT教育までワンストップで実施します。プロのリサーチャーによる店舗診断や接客マニュアル制作なども行います。 https://brush-mode.jp/
■AIAD: リアルとデジタルを駆使する、統合型マーケティング
メディアありきの課題解決ではなく、クライアントの課題から導きだしたソリューションを提案します。広告・SP・CRM・OEM・ライセンス・EC・SNS。ファンクションを自在に組み合わせ、さらに顧客やマー ケットの本質、ブランドの強みを加えたビジネスモデルを構築します。 https://www.aiad-net.com/
■AIAD LAB: 最新のデータサイエンスによる、戦略プランニング
最新のデータサイエンスを活用した、ブランドの中長期的な戦略を提供します。顧客とのタッチポイントに点在するデータを一元化し、詳細に分析。導きだしたカスタマージャーニーデータから、商品開発・販売・宣伝までを一気通貫した戦略プランニングを行います。
■FOUR AMBITION: 店舗運営のプロフェッショナルが全国の店舗を運営代行
関東および関西の都市部・アウトレットモールにて、大手外資系、国産アパレルブランドなどを主要顧客として、数多く店舗を運営。高いスキルとスペシャリティを持った人材を育成し、販売の道のプロ集団が店舗運営代行を行います。 https://fourambition.jp/
■VMS: ヴィジュアルマーチャンダイジング領域でのトータル・サポートを提供
VMの課題に対して、全領域でのサポートを行える日本でも数少ない組織です。最先端のVMメソッドに基づく、コンサルティングおよび教育・育成が実施可能。さらに、デザイン・施工のスタジオ機能とVM人材採用・スペシャリスト派遣機能を併せ持ち、多角的な解決策を提案します。 https://vmstudio.jp/
■WMH ASIA PASIFIC: ファッション、ビューティブランドの海外進出をサポート
ファッション・ビューティー企業の海外進出をAPAC地域中心にビジネスパートナーとして全面的にサポート。 現地の最新の生情報と幅広いリソースで現地法人設立から店舗運営、ブランドの経営サポートまで、 海外進出に必要なサービスをご要望に応じて提供します。 https://studio.ida-mode.com/wmh/ap
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