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3月10日(金)「東京ミッドタウン八重洲」に日本の美意識を世界に発信する西陣織の老舗「HOSOO TOKYO」が東京初出店としてオープン!

著者: 三井不動産株式会社


三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:菰田正信)は、2023年3月10日(金)に八重洲二丁目北地区市街地再開発組合の一員として開発推進する商業施設として、「東京ミッドタウン八重洲」(所在:東京都中央区)をグランドオープンします。2022年9月17日に先行オープンしている地下1階の14店舗に加え、1F~3Fのテナントを含めると全57店舗となる予定です。


「ジャパン・プレゼンテーション・フィールド ~日本の夢が集う街。世界の夢に育つ街~」の施設コンセプトのもと展開する「東京ミッドタウン八重洲」の注目店舗をシリーズで紹介いたします。


第5回目となる今回は、西陣織の新スタイルを世界へ発信し、国内外のラグジュアリーマーケットから高い支持を受けているショールーム&ストア「HOSOO」の東京初出店となる「HOSOO TOKYO」です。


圧倒的な歴史と技が生み出すHOSOOのアートテキスタイル


1688年京都・西陣に織屋として創業以来、300年以上、伝統工芸を守り続けている、「細尾」。西陣とは京都の旧市街に位置する地域の呼称で、京都御所の西、半径5キロ圏内のエリアで生産される先染の織物が西陣織である。そして、京都で約1200年前より、天皇や貴族、武士階級、さらには裕福な町人達の支持を受けながら、育まれてきたというバックグラウンドが西陣織にはある。

織屋に加え、1923年より帯・着物の卸売業も開始した「細尾」は、様々な時代を乗り越え、2010年からは、海外へむけたプロモーションをスタートし「細尾」から「HOSOO」として、京都本社にフラッグシップストアとショールームを展開。日本の伝統染織のすばらしさや、職人たちのものづくりのこころを人々に届けることを目指している。


このたび「東京ミッドタウン八重洲」へ「HOSOO TOKYO」を出店する経緯や想いを西陣織の織屋「細尾」の12代目であり、株式会社細尾の代表取締役社長である、細尾真孝氏に話を伺った。



平安時代から続く美しい織物文化を守りぬく覚悟


――「HOSOO TOKYO」を出店する決め手となったポイントを教えてください。

細尾真孝(以下:細尾):わたしが2008年に家業に戻り、「HOSOO」として本格的に海外にむけた発信を開始し、約12年が経ち少し道が見えてきたように感じていたその頃、「東京ミッドタウン八重洲」のお話をいただきました。その際に、担当者の方から施設のコンセプトが「ジャパン・プレゼンテーション・フィールド ~日本の夢が集う街。世界の夢に育つ街~」と伺って、まさに西陣織を通して日本の美意識を国内外に発信するチャンスだと受け取りました。日本の玄関口といえる、東京、そして八重洲というロケーションは、そもそも工芸を中心とした職人で栄えた街ですし、鉄道もバスもターミナルとして全国とつながっています。

海外のラグジュアリーブランドから、西陣織のテキスタイルオーダーをいただいていたこともあり、東京からの新しい挑戦という意味でも、まさに、お声がけいただいたタイミングが良かったです。

話を進めていくうちに、施設のハード面にもご協力させていただくことになりました。オフィスビルから商業施設へ入る、高さ10メートル、幅8メートルの巨大なエントランスゲートに、「細尾」が独自開発した新素材「NISHIJIN Reflected」を用いた西陣織のアートピースが飾られることになりました。デジタルアートと融合することで、繊細な織模様や色彩の変化でお客様を出迎えます」



――西陣織でそんなに大きなテキスタイルが作れるんですね。


細尾:もともと、西陣織の伝統的な織機は32センチ幅のものでした。しかし、これでは、テキスタイルとして応用することができません。そこで、世界のテキスタイル標準幅である150センチ幅で織ることができる織機をオリジナルで開発したのです。

もちろん、はじめは「そんなのは無理だ」という反発の声があったことも事実です。しかし、その難関を乗り越えたことにより世界的な建築家やプロダクトデザイナー、アーティストなど様々なクリエイターからのテキスタイルオーダーに応えられるようになったのです。

「素材」と「技術」を武器に、クリエイターとセッションできるというのは本当にうれしいことです。それが叶うのも、多くの専門知識を持ちあわせた職人や技術者がいるからこそ。完成までに必要な20以上もの工程それぞれを一人の職人が担当する、西陣織の高度な分業が、圧倒的な美を追求し、類稀なる職人技を継承してきました。「HOSOO」では、その技をより現代的な形で展開しています。


ショップ、カフェ、ギャラリー併設の京都「HOSOO FLAGSHIP STORE」


――「東京ミッドタウン八重洲」にて購入できる特別な品などはすでに考案されているのでしょうか。


細尾:はい。美しく、からだにも良い、自然染織した気持ち良いシルクのパジャマを展開する予定です。その染色に使用するのは、「二ホンムラサキ」という植物の根からでる紫の色素です。「深紫」ともいわれる日本の伝統色であるこの色は、平安時代から位の高い方々の着衣に使用されていました。「二ホンムラサキ」は炎症を抑える効果がある薬草でもあります。

昔は、小薬をぬり薬、中薬をのみ薬、大薬は衣と言われていました。なぜだか、おわかりですか?

染色に使われる植物には、いわゆる漢方のようにそれぞれ、効果・効能があり、衣を纏うことで、からだを守っていたのです。今でも薬をのむときに、なぜか「服用」っていいますよね。それは、その名残だということなんです。

「東京ミッドタウン八重洲」のオープン時期に発売する特別な品の話に戻りますが、「二ホンムラサキ」は、絶滅危惧植物とされていて、島根の農家さんが、伊勢神宮へ奉納用に栽培しているものを今までは分けていただいていたんです。ただ、これからの展開を見据えるとそれではいけないと思い、京都・丹波に自社栽培の畑を持つことにいたしました。その畑にて2022年12月4日に初収穫した「二ホンムラサキ」にて、染め上げたシルクのパジャマをお届けする予定でいます。フレッシュな植物からはフレッシュな色が出るので、とても春らしい軽やかな紫カラーになると思います。


――ついに自社畑にて、染色用の植物栽培まではじめられたんですね。

細尾:もちろん、現代の染色技術の発展にともなう経済発展は素晴らしいと思います。

ただ、様式美で戦っていた平安時代から続く伝統を絶やすことはしてならないなと思うんです。先人の知恵や想いに気持ちを寄せながら、一つひとつ染めのステップを踏むことで、圧倒的にクリアなカラーが生み出されることに感動しますね。

染色には、色を定着させるためにアルカリ性の灰汁が必要なんですが、「二ホンムラサキ」には椿の灰汁が相性がよいため、椿の枝を焼いて灰を作り、水につけて濾すという作業も行います。そのため、丹波の畑の横には、現在染色の工房を建てているところです。


年代(自然環境)によるビンテージカラーを大切に (左手前が二ホンムラサキ)


――植物による染色は、それぞれに個体差が生まれるのも魅力ですね。


細尾:そうなんです。よく「今年のぶどうの出来は」なんて言いますけれど、まさに同じ。染料のもとが植物なので、その年の気候や自然環境、水の影響などをとても受けるんですね。まったく同じカラーが生み出されるということは不可能なんです。そのため、「NIHON MURASAKI 2022」などとカラーにビンテージを付けることにいたしました。さらに、職人による手染めですので、より個性も生まれます。ぜひ、「その時々で出会う」というシチュエーションも、楽しんでいただきたいなと思っています。


洋装にも似合うバックやルームシューズなども展開


――「HOSOO Tokyo」を通してお客様に伝えたいメッセージをお願いします。


細尾:わたしたちは、西陣織をとおして「工芸」というものを担っています。「工芸」の魅力は、手間ひまをかけているため、経年劣化することなく、よい味がでてくるということが特長だと思います。今、世の中の流れは自然との共存やサスティナブルな世界へと進んでいます。そんな時代に、「工芸」はとても相性のよい文化だと思うのです。いいものを長く、お直ししながら使い続けていくという体験をお届けし、たくさんの方にインスピレーションを与えたいと願っています。


西陣織が帯になったのはこの100年ほど。織物の歴史は9000年以上あるんです。

まだまだ、いろんな可能性があるなとワクワクしています。


■店舗情報

東京ミッドタウン八重洲に2023年3月10日(金)オープン

店名:HOSOO TOKYO(東京ミッドタウン八重洲1F)

東京ミッドタウン八重洲

東京都中央区八重洲二丁目2番1号

(アクセス)

JR「東京」駅地下直結(八重洲地下街経由)、東京メトロ丸の内線「東京」駅地下直結(八重洲地下街経由)東京メトロ銀座線「京橋」駅徒歩3分

東京メトロ東西線、銀座線、都営浅草線「日本橋」駅徒歩6分


東京ミッドタウン八重洲オフィシャルサイト

https://www.yaesu.tokyo-midtown.com/






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