さまざまな起業のスタイルが生まれている今、起業家に最も必要なもの、それはメンタルだった。『起業メンタル大全』の著者が本書が生まれた背景を語る
2022年12月20日、株式会社自由国民社は『起業メンタル大全』を発売いたしました。
『起業メンタル大全』は自らも起業家であり、起業家コンサルタントとして起業家を支援する立花岳志さんの体験とノウハウをもとに書かれた、ビジネス書です。このストーリーでは立花岳志さんが本書執筆の経緯を振り返ります。
(自由国民社編集部)
『起業メンタル大全』
本書が生まれた背景
今、起業家は増えています。2021年の新設法人は約14万社。新設法人の増加率がはじめて10%を超えました。ただ、起業の形態は多様な形があります。
ひとりで会社を立ち上げる「ひとり社長」。これは従業員も雇わず、かつオフィスも持たないリスクを極力下げた立ち上げ方です。定年後に退職金や、年金を原資にたちあげる「定年ひとり起業」も同様に増えています。
また、合同会社としての立ち上げ方も増えています。法人設立時のコストが安くなることと、株主総会を開く必要がないなどのメリットもあり、経営の自由度が高いためと思われます。
さらには社内起業家、社会起業家、フリーランスなど独立・起業の仕方は多種多様になっています。
しかし、どんなに起業のスタイルが多岐にわたっても一番大切なことは「事業の継続」です。そして、「事業の継続」をするために必要なことは日本の義務教育では教えてくれません。「事業の継続」に必要なもの、それは「起業家としてのメンタル」です。
起業する人が増えてきた昨今だからこそ、私は自身の経験とコンサル現場での声をもとに本書をつくりました。
(セミナーで講演する筆者)
起業家になりやすい状況が生まれている
そもそもなぜ、今起業家は増えているのでしょうか? 書店をみると「ひとり社長」になるための本や「起業家の生き方」のような本がたくさん出版されているのをみかけます。
まずは、ここ20年ほどで技術革新がすすみ、情報の発信がしやすくなったことがあげられるでしょう。昔は宣伝広告などに多額の資金をかけて、自社のビジネスを認知してもらわなければなりませんでした。現代ではホームページやブログはもちろん、TwitterやInstagramなどのSNS、動画メディアであるユーチューブやティックトックなどのツールがあり、情報発信が容易にできます。
昔ほど、認知のところに大きな壁がなくなりました。また、自分のつくったサービスやモノを売る手段も多様化し、かつ販売コストも下がってきています。決済代行サービスも多数あります。先ほどの情報発信と組み合わせれば、ひとりで起業していても、オンラインセミナーや物販ができる時代が到来したのです。
ですから、起業の形態はさまざまあれど、起業家の数が増えてきているのです。
起業によって得られる3つの圧倒的「自由」
起業をすることによって、組織に所属して働いている限り得ることができない3つの圧倒的な「自由」を得ることができます。私も含めこの自由を得るために独立・起業する人も非常に多くいます。
1つめの自由は「働きかたの自由」です。組織で働く場合、本人がやりたい仕事に就けるとは限りません。企画の仕事をしたいと思っても営業に配属されるなどのケースもあるでしょうし、会社の都合で勤務地が変わったり配置転換になったりということも起こります。
起業する場合、自分で自分の仕事を決めるわけですから、仕事の内容はもちろん、働く場所や時間に関してもすべて自分の裁量で決めることになります。私の仕事は書籍やブログ、メルマガなどの執筆、セミナーや講座、イベントの企画・主催・登壇、そしてコンサルティング・心理カウンセリングなどが中心となります。
もちろん自分が好きで、得意で、ニーズもある分野を仕事にしていますから、仕事に対する「やらされ感」「消耗感」は皆無ですし、「仕事」と「遊び」と「生活」が融合して区別がつかないワークスタイル・ライフスタイルは最高に充実したものになります。
執筆の仕事は通常は自宅で行っていますが、移動中の電車のなかや出先のカフェでも可能です。
オンライン形式のセミナーやコンサルティングも自宅で行いますが、旅先のホテルの部屋やビジネス用ブースなど、機密性が確保できネットが安定して使える場所でも行うことができます。
対面形式の個人コンサルは都内や私が住む鎌倉・海街のカフェなどで行いますが、前後の時間にカフェで執筆の仕事をすることもあります。
いずれにしても、何時に起きて何時から何時までどの仕事をどこでするか、すべてを自分のコントロール下に置くことが可能です。
私は早寝早起きの朝型人間なので、5時〜5時半には起きてすぐに仕事を始め、その分早く仕事を終える習慣です。また、午前と午後の仕事の間には筋トレとランニングを行う時間を確保していますが、そのような時間の使いかたを自由に選択できるのは今のワークスタイルならではです。週に1度くらいのペースで東京に出かけていますが、移動の電車もオフィスになりますし、都内のカフェで執筆することも自由です。
都内での予定が連なると都内のホテルに泊まることもあり、その場合はホテルの部屋で執筆やYouTube動画の収録などを行います。ラッシュアワーの電車を避ける自由もありますし、ホテルや飲食店など週末が混雑する場所も避けて、平日空いている時間帯にゆったり利用することも選択可能です。
2つ目の自由は「お金の自由」です。組織で働く場合、上司や人事に評価され、給与規定にしたがって収入が決まります。どんなに頑張って仕事をして成果をあげても、一部フルコミッションの場合を除いて給料が2倍や3倍になることはありません。
安定した収入を得られる反面、成果を上げても給料は一定の範囲内しか上がらないのが組織で働く人にとってのお金です。いっぽう独立起業すると、自分のビジネスの成果は100%収入に反映されます。ビジネスモデルをしっかり構築していくことで、論理的には収入は青天井になります。その反面、どんなに頑張っても売れない商品やサービスを作ってしまうと収入がゼロという可能性もあります。
安定した収入が欲しければ、「定額課金制」のような安定した収入が入る商品やサービスを自分で企画して販売すれば良いのです。頑張った成果がダイレクトに収入につながり、お金の限界がなくなるのも、起業の大きな魅力の一つだと私は考えます。
3つ目の自由は「人間関係の自由」です。組織で働く人のストレスのほとんどが人間関係に関するものだという調査結果があります。アルフレッド・アドラーも「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と言い切っています。
組織で働く場合、経営者や上司を選ぶことはできません。ウマが合わない上司の下で働くことには強いストレスがかかるでしょう。独立・起業すると、自分が誰と関わるか、誰と一緒に仕事をするかしないかを、すべて自分の采配で決めることが可能になります。
人を雇いたいのかひとりで起業したいのか、アライアンスは誰と組むのか、全部決められます。いまの私には対人関係のストレスは皆無です。
「働きかたの自由」「お金の自由」「人間関係の自由」。これら3つの自由を得ることで、究極にはワークスタイル、そしてライフスタイルすべてを自分の裁量で決めることができるようになるのです。
こんなに変わった、会社員時代と起業後の「価値観」
私は41歳のときに独立・起業するまで17年間会社員として働いていた時期がありました。会社員時代と起業後の価値観の変化については、「全部が180度変わった」といっても過言ではないくらい大きく変化しました。そのなかでも最も大きな価値観の変化は「時間とお金」に対するものです。会社員時代は月曜日から金曜日まで平日は9時から18時までの勤務時間が定められていました。
どんなに仕事で成果をあげても、効率良く仕事をしても、平日の8時間は働く時間と定められていて、働く時間を減らすことができませんでした。そのような働きかただと、自然と自分の収入を「時給」で計算するようになります。
毎月何時間働いたから、給料がいくらになる、という形です。独立起業すると、時間で働く感覚はすぐに消滅しました。同じ労力をかけて仕事をしても、その仕事に対する成果が違えば収入も大きく変わります。たとえば参加費1万円のセミナーを企画して集客したとします。参加者が10人なら売上は10万円ですが、100人なら100万円です。
同じようにスライド資料を作り、同じように講義をしても、同じ労力に対して10倍も売上が異なるのです。本を出版する場合も、1万部売れた場合と10万部売れた場合で印税収入は10倍変わります。成果主義で働くようになると、「いかに最短の労力で最大の売上をあげるか」を最重要視するようになります。どんなに長く働いても成果に結びつかない労働は無意味なのです。日々いかに短い労働で最大の成果をあげるか、そのことだけを追求するようになりました。
失敗したときにどうするか? 失敗をどうとらえるかを教えている本はない
組織で働いていると、「失敗は悪いこと」と考えるようになります。上司を含め組織に何重にも守られて働くので、ミスをすれば上司に叱責されたり始末書を書かされたりするため、「失敗しないようにしよう」と考えるようになるのは仕方がないことです。
しかし独立・起業すると、誰も自分を守ってくれなくなります。自分の身は自分で守ることしかできなくなるのです。そして、失敗に対する考えかたは起業すると大きく変わります。なぜなら「10割打てるバッターは一人もいない」のと同じく、すべてのビジネスを成功させられる人も存在しないからです。
同じように気持ちを込めて書いて出版した本でも、売れる本と思うように売れない本が出てきます。セミナーを企画した場合も、ビックリするほど多くの方が参加してくださることもあれば、ショックを受けるほど参加者が少なくてガッカリする場合もあるのです。
もちろん残念な結果にならないように、売れるように企画をするわけですが、結果が期待通りにならないことは必ずあります。起業家は思うような結果が出なかったときに、必ず結果から学び教訓として次に活かすのです。
「失敗」とは改善を諦めた瞬間にはじめて「失敗」と確定されるものです。改善途中なら、それは進化中であって失敗ではありません。
ビジネスすべてを教訓として改善を続ける姿勢こそが起業家に必要な考えかただと私は考えます。
起業家はこれからも増えなくてはならない。そのきっかけになりたい
冒頭でも触れたとおり、起業に対するハードルは年々下がっており、起業しやすい環境が年々整ってきています。
しかし、どんなに環境が整っても、日本ではまだまだ起業に踏み切る人は少数派です。私の周囲で働く会社員の友人・知人たちの多くは今でも長時間労働や強いストレス下で働くことを強いられています。
独立・起業することで「3つの自由」を得ると、ストレスのほとんどは消滅します。私は2023年4月で独立して12年になりますが、この12年は常に「本当の自分を生きている」と感じ続けています。もちろん組織の後ろ盾がなくなるので、収入もビジネスもジェットコースターのようにアップダウンしてきました。大躍進のときもあれば、激しい苦境も経験しましたが、良いときも悪いときも「すべてが自己責任」なので、清々しいのです。
どんなに苦しいときも、私は一度も「会社員に戻りたい」と思ったことは一度もありません。私は10年に渡って独立・起業を目指す人たちをサポートする講座やコンサルティングを行っており、数千人を指導・サポートしてきました。世の中には独立・起業に向く人と組織で働く方が力を発揮できる人がいることは厳然たる事実です。
組織で働くほうが向いている人が無理に独立する必要はありませんが、そのような人も「副業」「複業」なら力を発揮できる場合もあります。日本人の寿命がどんどん伸びて人生100年時代とも人生120年時代ともいわれているのに、60歳〜65歳で定年を迎え、仕事を辞めてしまえば収入もなくなり老後の不安が大きくなります。
長生きは本来めでたいことのはずなのに、長生きするほど老後資金が枯渇する問題が大きく報道されるようになってきています。自分でビジネスを行っていれば定年は関係なくなり、健康でいる限り何歳まででも働くことが可能になります。
定年までは会社に勤めつつサイドビジネスを行い、定年後は自分の仕事をメインにする形も取れるのです。起業することで、日本の社会が持つ構造的な問題から脱出して、自由に楽しく、そして何歳までも長く働くことができるようになります。
社会を活性化して老後問題を解決していくためにも、起業家はこれからも増えなくてはなりません。私自身17年間の会社員生活をへた後で独立・起業しているので、会社員としての働きかたも起業家としての働きかたも熟知しています。
これからも起業を目指すすべての方をサポートできるよう、皆さんの目覚めのきっかけになり続けられればと願っています。
読むほどに立ち上げたくなる! 立ち上がりたくなる!
『起業メンタル大全』
立花岳志
年間1000万PVのプロブロガーが教える起業家に必要な考え方!
読めば読むほど起業したくなる!
定価 2,530 円(本体 2,300 円 + 税)
A5 判/ 464ページ
2022年12月20日 発行
ISBN 978-4-426-12860-9
年間1000万PVのプロブロガーが教える
起業家に必要な考え方! 読めば読むほど起業したくなる!
行動、習慣、心構え、人脈、ブログ・SNS、ブランディング、目標の立て方、失敗の仕方、ライフワーク、ライスワーク
副業~起業、収入の複線化などがよくわかる。
日々悪戦苦闘して戦っている起業家のインタビューは8章で掲載。
起業の辛さ、苦しさから楽しさ、喜びまですべてを網羅しています。
どのように考えれば、独立・起業できるか、本書を読めばすべてわかります。
著者紹介
立花 岳志 (たちばな たけし)
プロフェッショナルブロガー、作家。
1969年東京都生まれ。
年間1000万PVを誇るブログ 「No Second Life」主宰。
会社員の傍ら始めたブログが人気を博し、41歳で「ブロガー」として独立。
ブログを中核にした個人の情報発信で、出版、広告、セミナー運営、企業研修、コンサルなど幅広い分野で活躍中。
また、自身の度重なる燃え尽き体験から、岡部明美氏に師事し実践的心理療法を学び、2015年より心理カウンセラーとしても活動している。
2014年6月には株式会社ツナゲルを設立し、代表取締役兼CEOに就任。
現在、六本木と鎌倉とのデュアルライフを送るなど、情報発信を通じて自由に豊かに生きるライフスタイルを自ら体現している。
著書に『やせる「仕組み」で人生を劇的に変える iPhoneダイエット』(サンマーク出版)、『ノマドワーカーという生き方』(東洋経済新報社)、『サラリーマンだけが知らない 好きなことだけして食っていくための29の方法』(大和書房)などがある。
目次
1章 自分でビジネスを立ち上げる働き方 起業とは?
2章 起業に必要なものとは?
3章 これからの時代を生きる起業家のメンタル
4章 起業は毎日の行動の積み重ね
5章 独立起業に向けた情報発信
6章 本当に読まれるコンテンツを書くコツ
7章 持続可能な企業家の心得
8章 起業すれば人生が変わる
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