“働く価値観”の多様化に、AIが打ち手を提案する『 ilodoli (イロドリ) 』というHRソリューションが生まれたきっかけ
アポロ株式会社は「コンサルティング+AIで、社会進化の軌道を描く。」という経営理念の下、大手コンサルティングファームで活躍していたメンバーを中心に、2020年に設立した会社です。データサイエンティスト、データエンジニア、システムエンジニア、戦略コンサルタント、業務系コンサルタント、等多岐に渡るバックグラウンドの人材が活躍しています。
ただ構想・戦略を描くだけでもなく、ただ分析を行うだけでもなく、ただモノ作りをするだけでもなく、クライアントと手を取り合い、AIを世の中に加速度的に普及させることを目的としたスタートアップ企業です。そのような当社が提供するソリューションの一つに「データの力で、色とりどりな従業員と、色とりどりな打ち手を繋ぐ」をコンセプトにした『 ilodoli (イロドリ) 』というHR支援ツールがあります。
コンセプトと、サービス内で6つに分類される働く価値観(ilodoliタイプ)
SDGsで求められる「多様性」が企業の取り組みとして様々な場面で注目される中で、“働く価値観”が色とりどりな従業員の多様性にどう向き合うべきか。”エンゲージメント向上”や”離職防止”など企業の人事採用ご担当者が抱える課題を解決する支援ツール、それが当社の開発したAI活用ソリューション『 ilodoli (イロドリ) 』です。
このストーリーでは、『 ilodoli (イロドリ) 』の開発責任者である粟飯原が、ソリューション開発に至ったきっかけと、開発当時の市場調査から導き出された『ilodoliタイプ』についてお伝えします。
『 ilodoli (イロドリ) 』の開発責任者 粟飯原
"エンゲージメントを上げるべし"という概念に違和感を抱いていたことがきっかけ
アポロにジョインして3年目を迎えた粟飯原です。『 ilodoli (イロドリ) 』のコンセプトを作るきっかけとなったのは、前職(アクセンチュア)での経験でした。 あくまでも私の感覚ですが、コンサルティング会社にいる人の多くが、「会社のために貢献したい」というよりも、「クライアントのために」や「自分の成長のために」という思いが強い人が多いと感じていました。 私も「クライアントのために何とかしたい」という思いをもって、入社してから4年間働いており、「アクセンチュアのために」という思いは正直そこまで強くはなかったです。
(とはいえ、アクセンチュアはそんな私でもきちんと評価してくれていたと感じているし、今でもいい会社だと思ってます。)
一般的に、"エンゲージメント"と呼ばれる指標は、パフォーマンスの向上につながり、"エンゲージメント"を上げることで離職率を下げる効果があると言われています。 ただ前職の経験を踏まえると、そもそも上げるべき指標は、個人の仕事に対する価値観によって異なり、上げるべき施策・対処法も人によって異なるのでは?と考えたのが、このサービスを立ち上げるきっかけでした。
種類の異なる6タイプに分類された”働く価値観”
当社のデータサイエンティストと協力しながら、全国の従業員1,600名に対し、「仕事に対する価値観タイプと企業へのエンゲージメントの関係性調査」と題した市場調査を開発当時に行いました。
この調査で検証したかったのは、下記の2つです。
- 仕事に対する価値観は従業員ごとに多様ではないか?
- 従業員ごとにそれぞれ重要視する指標が異なるため、企業が打つべき施策も異なるのではないか?
市場調査の結果、6つのタイプに分かれたのです!
当時は、ホワイトカラーの職種を中心に調査を行っており、構成比はローンチ時と異なります。
市場調査の結果に対して統計的な処理を行った結果、6つのタイプ『ilodoliタイプ』が抽出されました。『ilodoliタイプ』は、「仕事以外も含めて、自分の生活全体を、どのように満たしていきたいのか?」という設問を通して構成されています。
【何を】
- 収入、やりがい、自分らしさ、地位や名声、対人関係
【どうやって】
- 職場、副業・プロボノ、投資・資産運用、家族や友人、ボランティア、セミナーや勉強会、趣味やスポーツ
タイプごとに存在しやすい職種や属性も異なる結果になっています。例えば、「わりきりイエロー(勤務先での収入重視)」は事務職や営業職などに、「やりがいグリーン(社会貢献ややりがいを重視)」は経営企画や専門職に多いです。
タイプ別の属性集計値やリフト値からマッピング。文字が大きいほどその特徴が強いという意味です。
なお、当社では「つながりピンク」や「やりがいグリーン」が多い結果になっています!
タイプごとに重要視する指標や打つべき施策が異なる!
調査の中では、彼らが重要視する要素、現在の仕事に対してどのように感じているかや満足しているかに加え、具体的に企業に実施してほしい施策も聞きました。それぞれ、ご説明します。
例えば、「わりきりイエロー」は、
- 【上げる指標】「企業エンゲージメント」(企業への愛着)
- 【仕事への期待値】オフィスがある街のトレンド、ステータスや給与・評価
- 【企業が取り組む施策例】個人ごとの目標管理や評価制度(MBO)、オフィスにおける社員食堂などの福利厚生の導入
「やりがいグリーン」は、
- 【上げる指標】ワークエンゲージメント(仕事に対するやりがい) 、生活満足度(日常生活への満足度)
- 【仕事への期待値】休みやすさ、スキルアップができる仕事や裁量
- 【企業が取り組む施策例】フレックスなどの雇用形態・就業時間を選べる制度、マネジメント研修
と上記の様な結果となっており、『ilodoliタイプ』ごとに、上げるべき指標や、仕事への期待値、そして企業が打つべき施策例も異なる結果となりました。
開発時に込めたイロドリテイストと特徴
開発時には社内デザイナーやエンジニアと議論を重ねて、『 ilodoli (イロドリ) 』というプロダクトの名称にふさわしいUIを目指しました。Web画面上も鮮やかにしつつ、見た目がわかりやすいダッシュボードになるように心がけ、色味・配置・文字の大きさなど細部までこだわったイロドリテイストが作られました。加えて、より正確かつ比較がしやすいように、以下のようにデータの取扱いを工夫しています。
- 日本の人口分布に合わせた1.2万人の調査を基に、各スコアの偏差値(平均が50、標準偏差が10の基準値)を生成
⇒ クライアント企業が市場(日本人の平均)と容易に比較できます。
- 業種や役職、職種も取得・データ化
⇒ 自社と市場の属性間での比較が可能になります。また、従業員1人1人に焦点を当てるというコンセプトに沿い、従業員がより楽しく回答を続けられる以下のような機能があります。
- 回答後、自分の結果が直ちに確認できる機能
⇒この機能により、ユーザーは自身の変化を理解することができます。
- ユーザーが同僚のilodoliタイプを見ることができる機能
⇒相互にタイプを確認できることで、新たなコミュニケーションの機会が生まれます。
開発期間中の自社テストでは、どのタイプが社内で最も多いのか、具体的に誰がどのタイプに属するのかなど、大いに盛り上がりました。ただのエンゲージメントサーベイツールではなく、企業が従業員の一人ひとりにフォーカスし、従業員がお互いの『ilodoliタイプ』に思い思いの話題を膨らませることができる、そんなコミュニケーションの創出を可能にするのが、『ilodoli(イロドリ)』の最大の特長と言えるでしょう。
企業としてどんなことを心がけていくべきか?
開発時の調査から、"個人"によりフォーカスし、その"個人"が感じている価値観や仕事への期待値を基に、企業が打つべき施策を考えていくべきだと考えています。
前述したコンサルタントもそうですし、Youtuberのような新しい職種も出てきています。1to1でマーケティング施策を打つように、人事施策に関しても個人の価値観に合わせて実施していくのが今後のトレンドになっていくのではないでしょうか。
『 ilodoli (イロドリ) 』では、「組織と個人が、より楽しく・よりチャレンジできる社会」を目指しています。『 ilodoli (イロドリ) 』を導入することで、企業の役員や人事担当者がいろいろな施策にチャレンジできるようになり、従業員も「うちの会社はいろいろアクティブに動いていて働いていて楽しい」と感じてほしいと思ってもらえるようなサービスにしていく予定です。
多様性に寄り添える、一人ひとりが働きやすい環境づくりに『 ilodoli (イロドリ) 』がお役に立てれば幸いです。
- 開発当初の市場調査記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000093043.html
- ローンチ後の大規模市場調査記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000093043.html
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