累計販売数6000個を突破した、背負うことの「負担を軽減する」バッグ 【WELLBA】。人間工学に基づくデザインで、多くの人に寄りそう商品を作り上げるまで。
1986年5月、アパレルブランドであるワイズグループの服飾雑貨ブランドとして誕生した「Y'SACCS(イザック)」。【Y's】と【Accessories】を組み合わせた造語として、その名が付けられました。
“シンプル・アヴァンギャルド・機能的”をコンセプトに、力強さや遊び心を表現。独自の感性を打ち出した、デザイン性の高い商品を提案し続けるバッグブランドです。
個性豊かなY'SACCSの商品の中でも、特にロングヒットとなっているリュックサックが【WELLBA】です。ラウンドした形状の中央に、大胆にも縦へと長く伸びるファスナー。厚みのあるショルダーストラップ。背側には3本のクッションパッドを配置していることが特徴です。
人間工学の視点を通じて、肩への負担を軽減させ、背負ったときに軽く感じるアイテムを作りたいという思いから開発がスタートしました。本ストーリーでは、WELLBAの誕生秘話をお伝えします。
Y'SACCSの中でも、特にロングヒットとなっている「WELLBA」
老若男女問わず幅広いユーザーから支持を受けてきたY'SACCSへ届く、共通する要望から開発を決意
Y'SACCSのバッグは、もともと機能的でシンプルなデザインに定評がありました。定番的なデザインを軸にしながら、遊び心のあるディティールをちりばめたアイテムを多く提案しています。カジュアルでも上品に、日常使いしやすいバッグを次々と生み出し、老若男女問わず幅広いユーザーからの支持を得ています。
特にリュックサックは人気商品が多く、お買い求めいただくお客様の層も広いアイテムです。商品の特性から、学生さん、会社員の方、ご高齢の方など、年齢もご使用いただくシーンも体格も様々なので、お客様の要望も多種多様なものが届いていました。
その幅広いご要望の中心にあるのが、「リュックを背負った時の負担を軽減したい」というものでした。そこで着目したのは、「人間工学」という専門的な分野の知見です。
どうにかして、「軽く感じるリュック」を開発できないものだろうか。
2018年の晩夏から開発への挑戦がスタートしました。
ブランドとして初めて尽くしの挑戦。人間工学リュックの開発で重要な3つのポイントを深め続けた。
私たちが行う通常の商品開発では、ファッション分野のバッグデザイナーとの協業を通じて進めているため、人間工学という専門的な知識を取り扱うことはありませんでした。そのため、普段とは異なる方からの協力がないとスタートラインにも立てない挑戦でしたが、開発協力を外部機関に依頼することもY'SACCSにとっては初めての試みでした。
新しいリュック開発を模索し始め、複数社にお声がけさせていただくも、他社商品の開発援助に対してはなかなか消極的なご回答ばかりでした。しかし、その中でも唯一、共同開発を承諾していただいたのが京都女子大学の山岡俊樹教授(当時;現和歌山大学名誉教授)です。京都女子大学には生活造形学科という人間工学の専門知識を学べる学科があり、山岡教授はそこで教鞭をとっておられる方でした。
さらに同大学は衣服関係に強い大学でもあるため、今回の挑戦には頼もしいパートナーです。実際に共同での開発がスタートする中で、人間工学リュックの開発に向けた重要な3つのポイントを重視して進めていきました。
①機能の追求
利用者の負担軽減を目的に加速度計や圧力センサを使用し、数多くの被験者の協力のもと、ショルダーパッドの形状や素材、背面のパッドの設計を調査しました。
実際に検討する中で完成した、比較表
ショルダーベルトやパッドの形状が違う、ショルダーベルト間の幅が異なるなど、従来品1種類と作成した5種類のプロトタイプを実際に背負った状態で主観評価と荷重圧力分散測定の2つの観点から背負い心地を細かく数値化し、形状のバランスを検討しました。
・主観評価
女性9名を対象に、体感重量、フィット性、ショルダーストラップ間の位置についての主観評価の調査を行っています。
・圧力センサによる荷重圧力分散測定
女性8名を対象に、リュックサックを背負うことにより生じる圧力を測定し、分散度合いを調査しました。
分析には最大圧力値の平均値と標準偏差のそれぞれのデータを用いて、対象者ごとにデータを点数化したのち、得点の高いプロトタイプを抽出しています。
2つの観点からの測定により、ショルダーパッドとリュックサックの接合面と腰部周辺にパッドを入れ、背中への接着面を少なくし、空気の通り道を生み出すことで快適に着用できることが判明しました。
また、ショルダーストラップの幅やショルダー間の幅など、開発したい製品の特徴が見えてきました。
②デザインの追求
人間工学に基づくポケットの配置や配色などの要素と、Y'SACCSらしいシンプルかつユニセックスなデザインに仕上げていく必要があります。女子大学生74名に、リュックサックの有無、携行シーン、購入基準、欲しい色、リュックサックの内容物、使用時の利点・欠点などの質問紙調査を実施しました。
最も重要な購入基準は色や柄、形であることや、求めるカラーは5割以上が黒色を選択していることなどから、外見のデザインを大前提としながらも、持ち物の取り出しやすさや収納機能、防水性や撥水性など、機能に優れた商品が求められていることが判明します。
ハンドルの形状やロードリフターストラップの採用など、快適な使い心地を目指しながら、デザイン面でも使いやすい商品を少しずつ具現化していきました。
③素材の追求
耐摩耗性に長けるインビスタ社のCORDURA®に別注素材を依頼し、撥水加工を施したきめ細やかなツイルナイロンをメイン素材に採用しました。パッドにはNASAの宇宙計画のために開発された低反発ウレタンフォーム・マザータッチ®を使用しています。
体と直接接する部分(背面・ショルダーストラップ・ハンドル)にはメッシュ素材を使うことで通気性の向上に努めました。
1年以上の試行錯誤から、【WELLBA】が完成。累計販売数6000個を超える大ヒットに。
多くの被験者からのデータを蓄積・分析し、さらに素材の開発・検討を含めて人間工学に基づくデザインをまとめ上げるのはとても困難で時間を要す作業でしたが、1年以上の時を経て商品は完成しました。「Well-being」(心身と社会的な健康を意味する言葉)と「Bag」を融合した【WELLBA】と名付けられ、2019年の秋から販売を開始。
一部の売り場では、実際に4キロのお米を入れたWELLBAと従来品を背負い比べていただき、その効果をお客様に実感していただく場を設けた結果、口コミを中心に広がり、瞬く間に大ヒット商品となりました。また、開発研究データは論文として学会に報告され、2020年には日本人間工学会よりグッドプラクティス「優秀賞」を受賞しています。
さらにコロナ禍以降においては、リモートワーク用のノートパソコンやタブレットを持ち運ぶバッグとしても高い支持を得て、2023年7月末時点で累計販売数6000個超えと、ブランドを代表するロングラン商品の一つに。アフターコロナに突入し、お出かけする機会が増えることで、新しいバッグをお買い求めいただくお客様も増えています。
これからもY'SACCSは人々の生活に寄り添い、年代や性別、そしてトレンドにも左右されないベーシックなバッグを発信し続けます。
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Y'SACCS公式オンラインショップ https://www.ysaccs.com/
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