写真で悩んだ過去の自分を助けたい!元採用担当者がPIXTAオンデマンドを立ち上げた理由
2020年6月1日、国内最大級のデジタル素材のマーケットプレイス「PIXTA」に、写真の撮り下ろしサービス「PIXTAオンデマンド」が追加されました。
これまで単なる有料ストックフォトサイトだったPIXTAが、クライアント企業のオーダーに応える撮り下ろしの撮影にまで領域を広げたのです。
これを立ち上げたのは、元戦略人事部・採用担当の私――古川でした。
正直、事業立ち上げの経験はもちろん、事業運営に関わることすら全くの未経験。それでも、私にはどうしても「PIXTAオンデマンド」を立ち上げたかった理由がありました。
ここでは、私と当社ピクスタの「PIXTAオンデマンド」にかける想いをお伝えします。
私がピクスタに入社したのは、2015年4月のことです。
前年の夏から大学卒業までの間、長期インターンとして参加し、インターン生も社長も関係なくフラットな社風や、「才能をつなぎ、世界をポジティブにする」という理念と事業、それに愚直に向き合うメンバーたちに惹かれ、当初他社で決まっていた内定を辞退し、そのままピクスタに入社。感じた魅力を伝えられる「採用担当」として、私のピクスタライフはスタートしました。
採用担当として、入社を希望してくれる人たちと向き合う日々はとても充実したものでした。
自分が共感している理念や事業や社風を同じように、好きになってもらえることは幸せなことでした。
社員の魅力を伝えたい!採用サイトのリニューアルでつまづいた「写真」問題
しかし入社3年目頃になると、素敵だねと共感してくれる私たちの事業を手がける側になってみたいという気持ちが芽生えるようになりました。
単純に、羨ましかったのです。私はあくまで採用担当で、共感してくれた価値の直接的な作り手ではありません。一緒に面接に臨む各事業部のメンバーが語る「価値をこの手で生み出す喜び」を私も味わってみたい。そうして、自分の体験と言葉で語れるようになりたいと思うようになりました。
その頃、ちょうどひとつの転機が訪れました。
採用強化を兼ねてコーポレートサイトをリニューアルすることになったのです。
魅力的な採用サイトにしようと考える中で、メンバーの生き生きとした様子や人柄など、社風を伝える上で「写真」は重要なコンテンツのひとつでした。
幸い、デジタル素材のマーケットプレイス「PIXTA」や、家族向け出張撮影サービス「fotowa」など、写真を軸にした事業を展開していたおかげで、フォトグラファー探しに苦労はありませんでしたが、根本的にどんなフォトグラファーにどうやってお願いしたらいいのか、何を伝えてどんな準備をすればいいのか、やりたい撮影内容の相場はいくらなのか、まるでわかりません。
事業部のメンバーにアドバイスをもらえたので、その点も恵まれた環境だったとは思いますが、それでも頭の中の理想形をどうすれば形にできるのか、たくさん悩みました。
写真を事業にした会社で、フォトグラファーとの付き合いが長く経験も豊富なメンバーからアドバイスがもらえる環境にいる私ですらこれだけ戸惑うのなら、そんな付き合いも経験もない世の中の採用担当者は、どれだけ大変なんだろうと思いました。
もしも、その悩みを解決できるサービスがあったなら。
経験した私だからこそ、つくれるものがあるんじゃないかと思いました。
未経験でも課題解決がしたい!異動願いの武器は「想いの強さ」
自分で事業を手がけるべく異動を願い出でたのは、コーポレートサイトのリニューアルが無事完成した約半年後でした。
狙うは、家族向け出張撮影プラットフォーム「fotowa」のfotowa事業部。そこに商用利用のサービスを立ち上げたいと願っての異動願いでした。
ですが当然、私は未経験です。事業立ち上げはもちろん、既存事業の運営に関わったことすらありません。そんなド素人も同然の私を、一体誰が信用するだろうと自分でも思いました。だから採用業務の傍ら、業務後や休日を活用して自分なりに市場調査や競合分析をして、fotowaの事業責任者に「もし私に任せてもらえるなら、こういうサービスをつくりたい!」とプレゼンしました。そうでもしなければ、わたしの本気を伝えられないと思ったからです。
当時つくったプレゼン資料の一部。サービスフローや競合他社の調査を元に提案した
もともと、ピクスタは個人の意志や熱意を重視してくれる組織文化の企業です。今にして思えばずいぶんと拙いプレゼンだったはずですが、私の根性とやる気を買ってくれたのでしょう。希望通りfotowa事業部で商用利用の出張撮影マッチングサービス「fotowa biz」を立ち上げることになりました。
私にとってはゼロからのスタート。不安がなかったわけではありません。でも、きっとなんとかなる――なんとかしてみせると思っていました。
想像以上に高かった未知の壁と、届けたかった価値への確信
ところがいざ始めてみると未知の壁は想像以上に高く、手探りの日々はうまくいかないことばかり。なんとかするしかない、なんとかしてみせるという根拠のない自信と暗示は削れていく一方でした。
先輩社員の助けを借りながら約半年後、なんとかfotowa bizをスタートさせたものの、思い描いていた理想には程遠いのが現実でした。
それでも、私がそうだったようにホームページをリニューアルしたい、採用PRに使いたい需要は確かに多く、はじめての撮影依頼には、思ったとおりの悩みと不安を抱えていて、私が世の中に届けたいと思った価値と解決したかったことに間違いはなかったと確信も持てました。
「おかげで素敵なホームページになりました」
「写真でこんなに変わるんですね」
と言ってもらえるたびに、どれだけ嬉しかったことか。
撮影した写真が使われた企業のWebサイトを見て、当初うかがっていたイメージ通りの発信ができているとわかった時は、他社の事業に貢献できた喜びがありました。
美容院からの撮影依頼を受けて納品した写真の一部(Photographer:モロズミケイタ)
やってみたからこそ気づけた真のニーズ
一方で、やってみたからこそ気づけた新しい発見もありました。
採用やPRの担当者は、撮りたい写真のイメージが漠然としているからどう依頼したらいいのかわからないのだと思っていましたが、それは少し違いました。
撮りたい写真のイメージは漠然としていても確かに存在していて、その撮影にどれくらいの時間と枚数があれば十分なのかがわからないからどう依頼したらいいのかがわからない。似ているようで、困っているポイントが違っていたんです。
撮影プランがシンプルであればわかりやすく選択してもらいやすいだろうとも思っていましたが、シンプルなわかりやすさよりも「自分たちが実現したい撮影だと、どのくらいの時間と費用がかかり、どのくらい納品してもらえるのか」というカスタマイズされた具体的なことが知りたい。
しかも、そういう時はたいていまだ検討段階なので問い合わせなどの余計な手間はかけたくない。でも、具体的な内容をサクッと入手したい。
こうした「真のニーズ」が見えてきた矢先、fotowa bizはPIXTAオンデマンドと名を改め、再スタートさせることが決まりました。
PIXTAオンデマンドとしての再出発は期待と可能性の表れ
それは、fotowa bizが失敗だったという話では決してありません。
むしろ、フォトグラファーとのマッチングや出張撮影というfotowa事業の強みも活かしつつも、もっと大きな商用撮影市場を取りに行くという当社の決意の現れでした。
それを引き続き、私に任せたいと言ってもらえた時は本当に嬉しかったです。
事業づくりにおいて、まだまだヒヨッコの私を認めて信じてくれたことはもちろん、採用担当だったかつての私を助けるつもりではじめた商用写真の撮り下ろし撮影サービスに、より広い可能性を託してくれたことに、わくわくしました。
サクッと知りたいことがわかる、問い合わせ不要の自動見積り機能を搭載
そうして、fotowa bizでの経験を活かし、今度はデジタル素材のクリエイティブプラットフォーム「PIXTA」の派生サービスとしてリスタートしたのが「PIXTAオンデマンド」です。
今はまだ、一見、fotowa bizと大きな違いはありません。でもfotowa bizをやったからこそ得た真のニーズの一端は、PIXTAオンデマンドで解決しています。
それは、撮影プランを選ぶのではなく、必要情報を入力するだけでサクッと適切な撮影プラント料金がわかること。そしてそのままサイト上ですぐに撮影内容に適したフォトグラファーを提案してくれ、経歴や事例を自分の目で確認した上で申し込めること。
本来なら、後者まで実現しているのが理想ですが、今はまだ開発の途中なので、候補者のフォトグラファー情報の提案までは数時間〜2営業日ほどいただいています。PIXTAオンデマンドがきちんとクライアント企業とフォトグラファーの間に入り、撮影クオリティを担保することで、クライアント企業の不安を払拭する仕組みへと進化させています。
PIXTAオンデマンド内に搭載された自動見積り機能
PIXTAが目指すのは、すべてのビジュアルニーズに応えること
私たちPIXTAが目指すのは、ストックフォトにせよ撮り下ろし写真にせよ、クリエイティブ制作の現場において「ビジュアルがほしい」と思った時に「ここ(PIXTA)に来れば、すべてがそろう」という存在になることです。
デジタル素材のマーケットプレイス「PIXTA」としては、一定の存在感を得られるようになってきたのではないかと思います。しかし、クリエイティブ制作において、ストックフォトで制作できる部分とできない部分があります。自社の商品や施設、スタッフたちなど、撮り下ろしでなければ伝えられないこともたくさんあります。
でもPIXTAなら、そのどちらも入手可能になります。
それはクリエイティブ制作において欠かせない存在になりたいという想いで掲げた「クリエイティブインフラになる」というPIXTA事業のビジョンの実現に近づく一歩。
今はまだスタートしたばかりの「PIXTAオンデマンド」ですが、目指す世界はあらゆる企業のあらゆる撮影需要に応えられる存在になることです。将来的にはフォトグラファーだけでなく、撮影に必要な他の才能も含めて一括で手配できるサービスへと発展していけたらと思っています。
クリエイティブはひとりの才能によって生み出せるものと、あらゆる才能が集まって生み出されるものの両方があります。PIXTAは個人が才能を活かせる場であるとともに、あらゆる才能に出会える場所としても、今後も進化し続けます。
PIXTAオンデマンドを加えたこれからのPIXTAに、今後も是非ご期待ください。
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