すべての人が歩き続けられる世の中のために。ケガで野球を断念した創業者の体験から生まれたマシンとは。4D-Stretch株式会社の創業と事業成長のストーリー
#創業ストーリー #開発ストーリー #トレーニングマシン
4D-Stretch株式会社は高齢者からアスリートまで使えるトレーニングマシンの開発・販売を行うスタートアップ企業です。
既に整形外科やリハビリ施設などの医療機関、慶應大学硬式野球部、亜細亜大学硬式野球部、広陵高校野球部、明豊高校野球部、そして明治大学競争部などのスポーツ団体や、接骨院、ストレッチ専門ジムなどへの多くの納入実績を持ち、2,000人を超えるユーザー様での実証実績がございます。
患者様や選手に対して行ったアンケートでもトレーニングマシンの継続利用意向は100%を実現し、90%以上のユーザー様で関節可動域や身体操作性の向上が確認され、野球選手であれば球速アップやスイングスピードなどのパフォーマンスが向上するというデータが集まっております。アスリートからはウォームアップでの使用によるケガ防止に対しても好評を頂いております。
事業も確実に成長しており、3期目となる今期は上半期だけで約90台を成約し、今期の売上は成約ベースで1.5億円を超えました。
【4D-Stretch株式会社の事業概要】
創業者の製造業の知見と神経系ストレッチの知見をバックグラウンドとし、筋肉の伸長収縮サイクルにおける弛緩へ着目することにより脳と神経と筋肉の連動性を最大化させるトレーニングを可能とするマシンの開発と販売を現在の事業の軸としております。本トレーニングメソッドを一般化させ、より多くの人々が最後までやりたいことに打ち込める社会を作ることを目標とした会社になります。
度々の怪我に悩まされた大学までの野球人生。ものづくりの出会いが転機に。
【創業経緯】
4D-Stretch株式会社・代表の鈴木元と申します。
私は小学生の時、野球クラブに入部してから野球が大好きになり、練習に明け暮れました。
しかし小学校の時はシーバー病(踵の成長痛)、中学時代は膝のオスグットシュラッター病(膝の成長痛)と腰椎分離症に、高校時代は肩の関節唇損傷にと怪我に悩まされ続けました。ただ、プロはだめでも野球でキャリアを作りたいと思っていましたので、立教大学の野球部に入部します。
しかし大学でも肩の怪我を再発し、満足に練習できない日々が続きました。怪我を治すために何か有効な手段はないかを日々模索し、たくさんの本を読む中で、理学療法が元になった神経系ストレッチ(PNF療法)に出会いました。これを調べていくと、実験を基とした科学的根拠が述べられており、私の興味はさらに深まりました。実際にこのトレーニングをすると身体に潤滑油を入れたような今までにない感覚が手に入り、肩の痛みも和らぎました。しかしこのトレーニングは専門的な指導とマシンを必要とし、まだ都内でも実施できるところは限られています。
「やりたいのは野球の前と後なのにマシンのあるジムが身近にない、そしてそもそも練習後に営業しているジムがない」
こう言った課題に直面して結局このトレーニングの恩恵は受けられずに、肩も日常生活で痛むレベルになりました。精密検査を受けると関節唇損傷との診断で、手術をしてもしなくても回復には1年近くかかるだろうとのことした。これは2年の秋のことでしたが、甲子園のスターが集まる大学野球部で3年の秋から復帰して4年の春からデビューすることは不可能に近いであろうと、神宮球場でプレーすることも野球でキャリアを作ることもこの時、諦めることになります。
目標を失った私の生活は荒れ、練習をサボるようになり気持ちもグラウンドから遠ざかっていき、3年に退部することにしました。野球以外に打ち込むことがほとんどなかった私は目標もなく就職活動をし三菱商事テクノスという会社に入りました。
しかしそこで私が野球以外で初めて「面白い!」と思えるものに出会いました。それは「ものづくり」です。三菱商事テクノスは生産効率の改善や品質改善のために設備を販売や技術提供を行う会社です。お付き合いのあるのは超一流のモノづくり企業で、私はその技術にどんどん興味がわき、 金属加工のことを深く調べるようになり、5年後には大抵の金属加工方法とコスト感を理解するようになりました。
製造業で培ったノウハウを活かし、マシン製作を企画
社会人時代、腰痛改善とゴルフの競技力アップのため、大阪の社宅から1時間もかけてこの神経系ストレッチができる神戸のジムに通っていた時がありました。そこで競技に一生懸命励む大学生から、「素晴らしいトレーニングだがやりたい時にできない!」と私が大学の時に思っていたのと 全く同じ声を聴くことになります。その言葉を聞いて私の大学時代の思いが強烈にフラッシュバックしました。彼らと出会い、私が製造業で培ったノウハウを活かして何とかこの状況を改善できないかと思う気持ちが芽生え、私は一からトレーニングメソッドとマシンを研究し始めました。
製造業が身近にあったとはいえ、自分で物を作るのは初めてのことです。まずは試作機を作るところからスタートしましたが、何度も部品の選定を間違え、購入した多くの部品が金属のクズになりました。妻は貯金を使うことを許してくれましたが、せっかく二人で一生懸命貯めたお金が謎の金属部品に変わっては家に溜まっていく姿をみて、内心かなり不安だったのではないかと思います。
自宅の庭で組み付けたプロトタイプ↓
また後発品なので、開発途中段階で特許問題に直面しましたが、苦節を乗り越えて最終的に特許を回避できるアイディアを思いつき、そのマシンを開発、 私が昔から身近にほしかったトレーニングができる環境を作れるようになりました。
苦労した創業1期目と2期目
プロダクト開発後に実施したことは、まず一流の大学野球部などに手紙を送りテレアポをするところからでした。前職ではテレアポなどしたことはなかったので、緊張して手汗でスマホが反応しなかったこともありました。
幸い、慶應義塾大学野球部や亜細亜大学硬式野球部などに導入頂き、様々な選手の意見を取り入れながら商品をブラッシュアップする機会に恵まれました。一部厳しい声も頂きましたが、多くの選手に喜んでもらえ、まずは一定の価値がある製品を作るところまでは来れたと、開発時に感じていた「お金と時間がすべて無駄になるかも」という不安はようやくなくなりました。
しかし商品のリリース後は様々な経営課題に苦心することになります。マシンの開発も初めてのことでしたが、前職時代は経営とは程遠い現場の営業だったので、会社運営のことは何も分かりませんでした。
そもそもマシンの開発している時は会社の登記すらしておらず、ただただマシンを作っており、慶應や亜細亜の案件で急に売上が立つことになってから急いで会社の登記をしました。
また来月いくら使えるのか知りたいけど資金繰り表の作り方もわからない。気づけば金属加工業者への支払が足りなくなっているという状況で、親戚にお金を借りてなんとか支払いを済ませましたが、多くの人に迷惑をかけました。
起業して初めて経理、法務、総務、人事などのいわゆる間接部門の大切さと大手企業の土台の強さを実感しました。
困難を乗り越え、なんとか3千万円弱の売上実績を作って1期目を乗り切りました。
2期目は社員一号となる樋口を新卒で迎え入れ、2名でのスタートとなりました。樋口は世界一厳しいと言われる亜細亜大学硬式野球部出身で、私と同じように肩の怪我に苦しみ最後は選手を諦め学生コーチとしてチームを支えていました。納品後のトレーニング指導で仲良くなり色々話したところ、多くの学生が超大手企業に就職する亜大野球部では珍しくベンチャー企業に興味を持っていたり、怪我をした境遇も似ていたりして、一緒に働きたいと思いこちらから声をかけました。既に親御さんの会社へ就職が決まっていましたが、お父様と面談もして最終的に4D-Stretchに入ってくれることになりました。ただ樋口を迎え入れた後はマネジメントの問題に直面します。よく考えれば前職時代は部下を持った事も、後輩育成をしたこともなく、どのようにマネジメントすればいいのか、どうすれば樋口を育成できるのか、右も左もわからない状況でした。樋口には曖昧な指示でたくさん困らせたと思います。
苦戦するも、地道な情報発信が功を奏し、多くの反響をいただく。兼業メンバーを使って事業を拡大。
上記のように色々な方面で苦労する中、3期目は樋口の毎日のSNS投稿が実を結び、動画投稿が拡散され、多くのDMや反響を頂きました。そこから多くの引合いを頂き、運動部のみならず整骨院やリハビリ施設などからもお声がけを頂くようになりました。地道な宣伝活動が実を結び大きな成果に結びついたと言えます。3期目は上期だけで90台を成約し、売上も成約ベースでは1.5億円を達成しました。
導入頂いたお客様やそのユーザー様からは4D-Stretchは関節に潤滑油を入れたようなスムーズな動作をもたらしてくれ、 思いっきり体を動かしたくなるトレーニングであるとよく言われます。90%のユーザー様で関節可動域の改善が見られますが、主観的な評価でも「身体が動かしやすくなった」「腰の痛みが無くなった」「球速が153キロになりました」などの喜びの声を頂きます。このように喜んでいただいた時はこれまでの苦労が報われた気分になります。
またフルタイムで働くメンバーは私と樋口の2名ですが、兼業で4D-Stretchを手伝ってくれるメンバーは経営の鳥居、営業の髙尾、マーケティングの神谷、設計の森、財務経理の小谷と尾崎、トレーナーの宝積と中山、デザイナーの石田と合計9名になりました。顧問団も弁護士の大江先生、弁理士の甲本先生、税理士の宗先生、トレーニングのアドバイザーとしてそしてショールームとして場所を貸して頂いているコバトレの木場先生、お医者様の立場から監修いただいている寺田先生など強力な顧問も増え、10名を超えるメンバーでさらなる事業拡大を目指しております。
今後の展開
当社の最上位にある目的(ミッション)は「人々がやりたいことを最後までやり続けられる社会」を作ることです。そのためには人々の健康作りに貢献をしていく必要がある。人々が健康になるためには日々健康について考え「息をするようにフィットネス」する社会にしていく必要がある。そのためには心地よく毎日できる運動や身体の不調を治すトレーニングが必要。そこで我々は人の身体にとって自然で本来持っている機能を呼び戻してくれる4D-Stretchが必要になってくると信じ、ビジョンを「日常に4D-Stretchを」にしております。現在は学校、治療院、整形外科などへの販売が中心ですが、これからは販売だけでなく、このトレーニングができるジムを増やしていくため、大手フィットネス事業会社とのタイアップや直営ジムの展開やFC事業を計画しております。
当社ビジョンである「日常に4D-Stretchを」を達成し、ミッションである「人々がやりたいことを最後までやり続けられる社会」の実現に向けて、これからも邁進してまいります。
【会社概要】
会社名:4D-Stretch 株式会社
所在地:〒336-0912 埼玉県さいたま市緑区馬場1-41-10
代表者:鈴木 元
設立:2021年4月27日
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