多様な価値観を持った料理人と人手不足に悩む飲食店をつなぎたい。現場の声から生まれた求人マッチングアプ

株式会社iiiが開発・提供する飲食専門の求人マッチングアプリ『ChefNova』は、飲食業界向けの求人と高スキルな人財のマッチングを可能にするサービスです。

今回のストーリーでは、ChefNova誕生までのストーリーをお伝えします。

人材不足に悩む飲食店と職場を探す料理人のマッチングサービス

当事業の目的は、飲食店業界での人材不足に悩む事業者と、新たな雇用先を探す料理人を効果的にマッチングすることです。

このサービスの主なターゲット市場は、以下の4つのカテゴリーに属する料理人です。

定年退職した料理人
子育て中の料理人
他の店舗で働いてスキルアップしたい料理人
コロナ禍でやむを得ず離職した料理人

また、『ChefNova』の特長として、以下の4つのメリットがあります。

料理人のスキル評価と適正報酬: このサービスは料理人のスキルを評価し、そのスキルに見合った適正な報酬を提供します。これにより、料理人は実力に見合った給与を受け取ることができます。
飲食店の詳細なスキル要件登録: 飲食店は求めるスキルや要件を詳細に登録できます。これにより、料理人は自身に合った働き方で、ストレスなく働く環境を見つけることができます。
正社員登用の可能性: 料理人が『ChefNova』を同一店舗で5回以上利用すると、正社員への登用が可能となります。これは料理人にとって長期的な安定をもたらし、飲食店には信頼性の高いスタッフを提供します。
柔軟な働き方: このサービスを利用することで、料理人はスキマ時間に働くことができ、仕事と生活を柔軟に調整できます。同時に、飲食店も需要に合わせてスタッフを適切に配置できます。

最終的なビジョンは、自分らしくいられる職場で幸福な生活を楽しむ機会を、世界中の人々に提供することです。『ChefNova』は、食と人生の幸福を結びつけ、料理人と飲食店が共に成長し、繁栄する手助けをしています。

飲食店と料理人双方にとっての成長機会を作りたい

コロナ禍を経て従来の活気を取り戻しつつある飲食業界では、業績不振からの立ち直りが見られても、深刻な人手不足による採用難に陥る飲食店も多い現状です。

一方で、外出規制がされる時代のなか、雇用先がなくキャリアが築けなかった料理人もいます。彼らに成長の機会を与えたいという想いもあります。

ChefNova創業にあたり、飲食店と料理人の活躍の場を提供したいという想いから創業しました。

現代の料理人の意識の多様化。時代の変化に応えられる仕組みを

現在の飲食店業界は、以下の点で課題を抱えています。一つは、即戦力の人財が不足しており、求めた通りの能力を持った人財がなかなか見つかりません。採用してみても、期待通りの結果を出せない場合も多く、これが経営者に不安を抱かせています。また、面接だけでは、実際のスキルや適性を正確に判断するのが難しく、採用についての不確実性が高まっています。さらに、高額な求人広告費をかけても、求めるスキルを持った人財が応募してこないこともあり、効果的な採用が難しくなっています。最後に、原材料や固定費の高騰が続いており、経費を削減せざるを得ない状況が続いています。これらの課題に対処しながら、飲食店経営者は今後の展望を模索しています。

一方で、近年副業・兼業が普及して起きており、人財の流動性が高まりつつあります。2022年5月に76名の料理人へ「ほかの飲食店でも働きたいか？」とアンケートを取ったところ、41%の人がYesと回答しました。「スキルアップしたい！」や「他ジャンルを勉強したい！」など現代の料理人たちの意識の変化が読み解けます。一方で、49%がNoと回答し、そのうち70%以上が「仕事より自分の時間が欲しい」というプライベートを重視する傾向にあることがわかりました。

現代の料理人たちの意識が変化していて、時代の変化や働く人々の希望に応えられる仕組みが必要です。

そのため、スキルを細かく指定して人財確保したい飲食店と副業・兼業でスキルアップしたい料理人をつなぐプラットフォームの構築を目指して創業しました。

プロダクトの方向性を決めるために、飲食店側と料理人側の価値の定義をすり合わせることに苦労しました。それぞれ別のニーズがあることから、両者がwin-winとなるような価値が何かを議論しました。

価値①機能的

料理人にとっては、簡潔にわかりやすい直観的な操作感である必要がある。

飲食店にとっては、簡単で手間がかからず、スキルを指定して採用できるので全体の技術レベルを落とさずに運営できる

価値②情緒的

料理人にとっては、楽しい体験、やりがいのある仕事を提供する

飲食店にとっては、教える喜びや、職場に新しい風が入ってくる活気、仕事に向き合う姿勢・スキルなど、既存組織にとっても良い刺激を求めている

また、料理人同士の情報交換の場が増える（ネットワークが広がる）

最新のネットワークを使って次世代の子たちと連携・共有できる喜び

迷える子たちを支える喜び

価値③自己実現

料理人にとっては、これまでのライフスタイルを叶える、ランクアップ出来る

飲食店にとっては、日本の職人の技術と業界の永続に貢献する

「料理人離れする人に道をつくる」一人である

時代の変化に強い経営を実現する経営者であるという自己実現

次世代へ技術継承

料理人の価値を上げる（料理人の存在意義）

↳食文化に貢献

自店のレベルUP・存続・経営改革に一石投じれる

人材難・従業員に依存しない自立（攻め）の経営を確立できる

組合との橋渡し・結束力・存続（存在意義）に貢献（横の繋がりに貢献）

両者の価値を実現するプロダクトは何か？インタビューを何度も重ね、『ChefNova』にいきつきました。

試行錯誤しながらの開発

アプリの開発過程では、料理人のスキルや経歴を詳細に把握し、求人情報とマッチングさせるための仕組みの開発が必要でした。この過程で、ITエンジニアや現場の料理人など、さまざまな専門家が協力して検討を重ねました。求人におけるスキルのミスマッチを減らすようどのようなスキルを評価すべきかや、使いやすい直観的なUI/UXを実現するために多くの時間を割きました。

そして、リリース前には、料理人や飲食店経営者にベータテストを行い、ユーザーフィードバックを集めました。出てきた改善点を反映させ、使いやすく効果的なアプリを提供できるようにしました。夜間、土日関わらず試験を続けたことは、今ではいい思い出です。

今後は、より多くの事業者とワーカーに利用してもらうよう認知する広告活動や、料理人同士が集まれるコミュニティ機能などより魅力的なアプリにすべく開発を続けます。

『ChefNova』を通して、料理人が新しい可能性を感じたり、飲食店の成長を支えることを目標に、これからも進化し続けます。

現場の担当者のコメント

コロナ禍でスタッフとともに苦しい3年を経ており、同期の友人がホテルでの大量解雇に遭い、救いたい気持ちもありましたが、自身の店のスタッフに専念。他の似たような話を聞いて何もできない無力感を感じていました。若い才能を育て、日本の素晴らしい食文化を次世代に繋げるために頑張っています。協力者や支援者に感謝し、アプリを完成させたことを嬉しく思っています。志は「食で人生を豊かに」。『ChefNova』を通して、食文化の発展に力を合わせていきたいです。