グローバル人材の重要性を認識し働きやすい環境を目指すKADOKAWA、外国籍社員の声から生まれた「一時帰国サテライトワーク制度」とは?
株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区、取締役 代表執行役社長 CEO:夏野剛、以下 KADOKAWA)は、2023年10月1日より、グローバル人材の採用強化およびリテンション施策の一環として、外国籍社員を対象に、1年度のうち年間平均労働日数の約1/3にあたる最長90日程度、一時帰国先でリモートワークができる「一時帰国サテライトワーク制度」を導入しました。今回はその制度が生まれた背景と実際に制度を試験的に活用した外国籍社員のインタビューをお伝えいたします。
KADOKAWAは、多彩なポートフォリオから成るIP(Intellectual Property)を安定的に創出し、さらにテクノロジーをより一層活用することで、それらを世界に広く展開することを中核とする「グローバル・メディアミックス with Technology」の推進を基本戦略として掲げています。KADOKAWAでは海外事業が加速するなかで高まる日本と海外拠点の橋渡し役を担うグローバル人材の重要性を認識し、「グローバル人材開発センター」を設置しました。
すでに社内で活躍しているグローバル人材に「KADOKAWAで活躍したい!」と思っていただくことはもちろん、今はまだ出会っていない優秀なグローバル人材に「KADOKAWAで働いてみたい!」と思っていただくためには日本で勤務する外国籍社員がより働きやすい環境を実現することがとても重要な柱だと考えました。
「母国に気軽に帰れず寂しい」外国籍社員のための制度構築
外国籍社員に、より納得してもらえる制度を作るためには、現状抱えている課題に向き合うことが必要だと考え、すでにKADOKAWAで働いている外国籍社員に向けてインタビューを行いました。ビザの取得などの手続きや社内での外国籍社員同士のコミュニケーションなど、一般的に想像しやすい問題もあげられる中で、最も大きかった声は「母国に気軽に帰れず寂しい」というものでした。外国籍社員の中には母国に家族を残して日本で働く選択をしていたり、日本と祝日がかみ合わないために帰国しても友人と気軽に会うことができなかったりすることはもちろん、ここ数年間はコロナ禍で今まで以上に海外への移動が制限されたことにより彼らの寂しさは想像以上に募っていたのです。
KADOKAWAではすでに社内の8割以上が自宅でのリモートワークを取り入れており、国内社員向けには上長の許可を得れば実家等で遠隔地勤務(就業場所一時変更)も可能になっていたことから、不要不急の場合でも帰国先でリモートワークができる制度を取り入れることができれば良いのではないかとグローバル人材開発センターの許カーマンは考えました。
母国や家族との接点を維持させながら、日系企業に勤務できる精神的・環境的なインセンティブを実現し、グローバル人材の就業満足度を高めることはKADOKAWAにとってもプラスになると確信され、制度の提案には社内でも追い風が吹いていたものの実質的な運用を考えるフェーズになると向き合うべき問題が多かったと許は話します。
例えば時差の問題。日本の労働基準法はもちろんビジネスマナーとなる時間帯を守って時差のある地域で働くことを想定した場合、適切な時間帯は何時と定めるのがよいのか、頭を悩ませたといいます。
また、課税が発生する滞在日数が国によっても異なるため、これから増えていくグローバル人材の国籍を想像した場合、適切な滞在日数はどの程度なのかと決めるべきルールはとても多く社内の人事・総務・法務など多方面との調整に時間を要したそうです。
グローバル人材開発センターの提案から約半年がたって実現した「一時帰国サテライトワーク制度」は社内の外国籍社員からの反響も大きく、社外へのリリース後からは他社で働く外国籍の友人からは「うらやましい!」と言った声もいただくことが多かったそうです。
そしてなにより許自身もこの制度を使って働くことを望んでいた一人であり、母国のご家族はその報告をとても喜んでくれたそうです。
制度を利用した外国籍社員の声、一時帰国を仕事に活かせるメリットも
本制度を利用した2名の方にそれぞれインタビューを行いました!
Aさん・40代 台湾出身社員
どんな状況と目的で制度を利用しましたか?
ー「母国を離れて東京で生活する期間が長くなり、ここ数年、両親の誕生日や墓参りなど、家族にとって大切な年中行事にほとんど参加できていないことで、地理的にも精神的にも家族との距離が遠くなっていて寂しいと感じていました。加えて、母国にいる主治医に気軽に相談できないことも不安に感じていたので、本制度を活用しました」
実際に利用してみてどうでしたか?
ー「平日は在宅でリモート勤務しますので、日本にいるときと変わりませんが、週末は実家の家族と過ごすことができて満足しています。また、実家でリモートワークする際に、両親が自分の仕事ぶりをそばで見ることができるため、日本でどのような仕事をしているか理解してもらうきっかけにもなりました」
Bさん・30代 中国出身社員
どんな状況と目的で制度を利用しましたか?
ー「コロナ禍の期間中は帰省がなかなかできず、数年間家族に会えない状況が続いていました。ひさびさに帰省をする際には、できるだけ家族と一緒にいる時間を増やしたいと考え、一時帰国サテライトワーク制度を利用しました」
実際に利用してみてどうでしたか?
ー「サテライトワーク時の日々の生活を通じて、中国現地のトレンドなどの動きをリアルに感じることができた点が非常にありがたかったです。仕事面では、中国マーケットの最前線にいるメリットをいかしてフィールドワークを行うことができ、情報収集と新たな企画の考案が実現できました。あまり他社では見かけない制度ですが、とても有意義な時間を過ごすことができて満足しています」
社員の多様性に合わせて、創造性を自由に発揮できる環境を目指す
試験的に「一時帰国サテライトワーク制度」を活用した二人が精神的に満たされたことはもちろん、ビジネス面でも国内よりも熱をしっかりと感じ取ることができる「フィールドワーク」ができたというベネフィットもあり、リリースしてからグローバル人材が多数活躍する企業からも注目されているそうです。
KADOKAWAは、グローバル人材に限らず社員のモチベーションを高め、クリエイティビティを最大化することが、エンターテインメント業界においてさらなる飛躍を遂げるための鍵になると考えています。今後も、社会の変化に迅速に対応し、定期的な社員満足度調査や社員との対話を通じて社内の課題やニーズを把握しながら、多様性のある社員一人ひとりがプロフェッショナルとして自律的に働き、創造性を自由に発揮することのできる環境の整備に努めていきます。
KADOKAWAの働きやすい環境づくり
https://group.kadokawa.co.jp/ir/esg/social/working_environment.html
株式会社KADOKAWAについて
出版、映像、ゲーム、Webサービス、教育、ところざわサクラタウンを中心としたIP体験施設の運営など、幅広い事業を展開する総合エンターテインメント企業です。優れたIP(Intellectual Property)を安定的に創出し、さまざまな形で世界に届ける「グローバル・メディアミックス」戦略を、テクノロジーの活用により実践しております。
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