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“全体最適”の視点で、テクノロジー活用によって生み出されるパーソルキャリアの価値を最大化する

著者: パーソルホールディングス株式会社

パーソルグループでは、中期経営計画2026において目指すべき方向性として「テクノロジードリブンの人材サービス企業」への進化を掲げ、グループの各事業・サービスがテクノロジー活用の取り組みを加速させています。


今回はパーソルキャリアのCIO(Chief Information Officer)として、テクノロジー活用推進の取り組みを牽引する片山にインタビュー。これまでの経験や現在担う役割と、テクノロジー活用推進をめぐる施策や組織づくりの歩みについて聞きました。


パーソルホールディングスが運営するWebメディア「TECH DOOR」では、パーソルグループ内で取り組んでいるITプロジェクトを紹介しています。本記事と併せてぜひご覧ください。


<パーソルキャリアとは>

パーソルキャリアは、パーソルグループのCareer SBU*1の中核会社。転職サービス「doda」やハイクラス転職サービス「doda X」、プロフェッショナル人材の総合活用支援サービス「HiPro」などの多様なサービスを展開している。


*1 Career SBU:人材紹介や転職メディア、ダイレクトソーシングなどをはじめキャリア関連の事業を展開するSBU(Strategic Business Unit)

中長期的な視点を持って、ITで事業の成長に貢献したい

―まずはこれまでの経歴から聞かせていただけますか。

新卒でITコンサルティング会社に入社し14年にわたって、システムの開発・運用保守から、業務プロセスの変革に伴うシステムの導入、IT化構想策定をはじめとした上流案件の提案など、幅広い業務を経験しました。


その後パーソルキャリア(旧:インテリジェンス)に転職し、人材紹介・転職メディア事業でのIT責任者の経験を経て、IT組織を管掌する立場を任せていただくようになって今に至ります。

―前職からのキャリアチェンジを考えられたのはなぜですか?

お客さまとのリレーション構築を主体となって進めた案件を完遂したのを機に、新たなチャレンジをしようと転職活動を始めました。


前職では事業の当事者ではない立場上、どうしても自身の仕事が“スポットの支援”に終始してしまうことにもどかしさを感じていたため、「これまでの経験を活かしながら中長期的な視点を持って事業の成長に貢献したい」という思いで新たなキャリアを模索していましたね。

―転職先としてパーソルキャリアを選ばれたのはなぜですか?

転職活動当時「doda」を利用しており、キャリアアドバイザーの方からインテリジェンスを紹介いただいたのがきっかけです。


当時はBITA*2組織の立ち上げ期で、この組織の「事業から依頼を受けて取り組みを進めるのではなく、事業に入り込んでテクノロジー活用を積極的に進めていく」という考えに深く共感したことが決め手として大きかったと思います。


また実際に「doda」を利用する中でその社会的な価値の高さを感じたこと、インテリジェンスのベンチャー気質な風土に惹かれたことも、決断の後押しになりました。


*2 BITA:Business IT Architectの略称。ビジネスを理解し、IT知識を持ち、IT施策を推進する組織として2012年に旧インテリジェンスで新設部門「BITA」が立ち上げられた。

―現在の役割について聞かせてください。

現在はパーソルキャリアのCIOとして、テクノロジー活用の推進をリードする役割を担っています。ミッションとして、インフラを中心としたシステムの安定性やITセキュリティなど重要な守りの部分をしっかりと維持しながら、複雑化するテクノロジーを積極的に活用して高い価値を発揮していくことを期待されているのだと自覚しています。

全体最適の視点を重視し、さらに組織の実行力を高める

―パーソルキャリアにおいてサービス開発や事業のプロセス設計、システム開発などを担う「テクノロジー本部」では、2024年度から組織体制を変更されたと伺いました。その背景や狙いを聞かせていただけますか。

これまで各事業やプロダクトにおいて個別最適でさまざまなテクノロジー活用の取り組みを進めてきました。一定の成果を挙げることができてきた今、さらに実行力を高めて取り組みを力強く推進していくために“全体最適”の視点も取り入れていこうという考えが背景にあります。


新たな体制では、ITマネジメントやITアーキテクチャなどを強化するための機能を新たに部として配置し、各機能を連携させてテクノロジー本部全体のケイパビリティを高めることを目指していきます。


個別最適の取り組みが進んだ結果、各事業・プロダクト内で生じた品質面や技術的負債などの課題を、こうした全体最適視点で見られる体制によって解消するとともに、ITの取り組みの難易度が高まる中でも継続的に成果を挙げて、事業の成長により貢献できることを狙いたいです。

“顧客体験価値の最大化をテクノロジーで実現する”べく、施策の実行推進・支援を担う「ITマネジメント&インフラ・セキュリティ統括」

―テクノロジー本部の中で片山さんが管掌される「ITマネジメント&インフラ・セキュリティ統括」とはどのような組織なのでしょうか。概要をお聞かせください。

パーソルキャリアの『中期経営計画2026』におけるテクノロジー戦略のメインテーマ「顧客体験価値の最大化をテクノロジーで実現する」を形にするために、各事業・プロダクト領域におけるテクノロジー活用の取り組みを“実行支援”“実行推進”していく役割を担う組織です。


事業成長を牽引する実行組織(1線)を、事業横断的なリスク管理(2線)と実行力の向上(1.5線)の観点からサポートするという位置付けになります。

組織としては「ITマネジメント&セキュリティ部」と「インフラ部」、ソリューション軸での横展開を担う「統括直轄組織」の3つからなり、ITマネジメント&セキュリティ部とインフラ部はそれぞれ20〜30名ほど、直轄組織は10名ほどの体制で取り組んでいます。

―具体的にどのような取り組みを行うのでしょうか。「実行推進(2線)」と「実行支援(1.5線)」それぞれについて教えてください。

まず実行推進については、ITガバナンス / ITマネジメントの確立、インフラの安定化 / クラウド化、ITセキュリティの強化を主なテーマとしています。


●  ITガバナンス / ITマネジメントの確立

これまでもITガバナンスやITマネジメントは行ってきましたが、事業成長を加速させるためにもう一段高度な仕組みにアップデートしていくことが必要です。


具体的には、ITガバナンス方針を確立して事業戦略に紐づくIT戦略を網羅的なものにブラッシュアップしていくこと、品質管理やITリスク管理の取り組みを底上げするべくITマネジメントを標準化すること、IT投資の結果を分析・フィードバックしてIT投資の実行レベルを高めていくことなどに取り組みます。


●  インフラの安定化 / クラウド化

現在クラウドリフトが6割ほど完了している段階にあり、今期中に主要な業務システムすべてを、来期中にはサブシステムや個別システムなども含めて、クラウドリフトを完了させることを想定しています。一方でクラウドリフトが目的ではありませんから、インフラ構成の見直しやマネージドサービスの活用など、クラウドシフトについても同時に体制を強化しながら進めていきたいところです。


●  ITセキュリティの強化

エンジニア環境などパーソルキャリアの固有環境と言われるものについて、グループ全体の環境とは別でログの取得・分析ができる仕組みを作っていくことに今期注力していければと思っています。

―「実行支援」についてはいかがですか。

確立されたITガバナンス / ITマネジメント方針を現場の運用に落とし込んで品質を高めていくこと、SFDCやRPAといったソリューションにまつわるナレッジをしっかりと蓄積して横展開していくことによって、取り組みの実行を後押ししていきます。


また組織力を底上げするために、BITA人材の採用や最適配置、育成強化にも実行支援の一環として注力していく必要がありますね。

―「BITA人材」には、どのような価値発揮を期待されていますか?

BITA人材はITの専門性と事業理解の両方を持ち合わせている、“事業のIT人材”と言える存在です。そのため事業を深く理解した上で、ITやプロジェクトマネジメントのスキルを活かし、当事者意識を持ってテクノロジー活用の取り組みを推進してもらうことを期待しています。


ただ、すべてを一人で担う必要はありません。もし事業観点が弱いのであれば事業のメンバーを、ITに自信がないのであればITに詳しいメンバーを巻き込んで、チームとして取り組みを推進していけばいい。BITA人材としてのマインドを持って、足りないスキルは補完しながら事業・ITの両方の観点を持ち合わせて取り組んでもらうことが重要なのかなと思っています。


「ITセキュリティのレベルが高く、テクノロジー活用が高度に進んでいる企業」を目指して

―ITマネジメント&インフラ・セキュリティ統括として、今後の方針やロードマップをどのように描かれていますか?

まず2024年度は、ITガバナンス/ITマネジメントの領域において“全体最適管理”をしっかりと確立することに注力していきたいと考えています。

そのためにIT戦略のアップデート、IT戦略のパフォーマンスを評価できる指標の定義とモニタリング、IT投資管理やリスク管理といった重点領域における方針の策定と標準化などを進めていきます。


こうした土台の部分を整えた次の段階としては、運用をしっかりと現場に浸透させて回していくことが重要になります。テクノロジー活用の取り組みの実行レベルが引き上がっていると体感できる状態を目指して、来期は今期実施した取り組みを評価することをはじめ、運用定着に向けた対応を進めていければと思います。


―それらを実現した先で、パーソルキャリアがどのような状態になることを目指していますか?長期的なゴールを教えてください。

最終的には、パーソルキャリアがテクノロジー活用によって大きな成長を遂げ、業界や社会において「ITセキュリティのレベルが高く、かつテクノロジー活用が高度に進んでいる」と言われる存在になっていたいなと。またミッションとして掲げる「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」の実現に少しでも近づき、人々の“はたらく”にまつわる課題の解決や、“キャリアオーナーシップ”の社会的な広がりに貢献できている会社だと認知されていることを目指したいなと思います。


※2024年7月時点の情報です。


パーソルホールディングスが運営するWebメディア「TECH DOOR」では、パーソルグループ内で取り組んでいるITプロジェクトを紹介しています。パーソルグループでは、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」が体現できている社会を目指します。




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