クラウドファンディングを通して、こだわりの果物販売を継続的に。
Kibidangoでの3回目のクラウドファンディングが絶好調の【72年目の梨物語】思わず微笑む玖珠のこだわりの梨を食べてほしい!!】。今回は、クラウドファンディングプロジェクト起案者である大野ひかるさん(写真左)に、梨農家・玉井さんへの思い、「農家と食べる人が支え合う」ということ、そしてCFを通して果物販売を行うことの意義についてお伺いしました。
開始早々でゴールを突破されていましたね!
リピーターさんが真っ先に購入枠を埋めてくださっていて、とてもありがたいです。
これまでと比べるとかなり早い達成のペースです。前回は開始2、3日目で一人か二人というペースでしたが、今回は開始二日目で95パーセント達成という状況です。「梨作りに対する自分の思いを理解してくれる消費者の方と、長く関係を続けて行きたい」という玉井さんの想いが実現できているようで、私としてもやりがいを感じます。
もともと玉井さんの梨は農協にはおろしておらず、地元の人に直売で販売したりや産直品として地元の大型ショッピングモールに出荷しているくらいです。こうしてCFを通して玉井さんの梨をより多くの方に継続的に届けられるようになったのは嬉しいことです。
玉井さんの反応は?
玉井さんはインターネットをほぼ使用しないので、Kibidangoでの支援者さんからのコメントを私が印刷して持って行ったりします。そんな時、玉井さんは表立って分かりやすく嬉しそうにする人ではないので、静かに「ありがとう」と言ってくれます。
大きく喜んでくれるのは、奥さまの方です。支援者さんの声を印刷し束にしたものを手に、周囲に自慢して回ってくれるのです。「私たちの思いややっていることをこうして分かってくれる人がいると思うともう涙が出て…」と。本当に喜んでくれているのだろうということが伝わってきます。
玉井さんの梨はココがすごい
彼の作る梨にはとにかくハズレがなく、どれをとっても本当に美味しいのです。
私が様々な梨を手売りしていると、玉井さんの梨に対しては明らかにお客さんの反応が違います。梨を一口食べると、彼らの顔が本当に緩むのが分かります。眉間がパッと開くというか、表情が全然変わるのです。ただ他と比べて値段が高く、「高いねえ」や「あっちの梨屋さんの方が安く売ってるよ」などと言ってくる人がいたり、一緒に売ってくれている友人にも「値下げした方がいいんじゃないか」と指摘されたりもしました。それでも価格を維持したままでいると、人が人を呼ぶのか、最終的にはよく売れて行きます。外国の方がお土産用にと箱いっぱいに詰めて持ち帰られたこともあります。
私自身、決して安い値段ではないと自覚しています。それでも良く売れていくのは、やはり味が抜群に美味しいからなのだと思います。
農業に対して玉井さんの持つこだわりとは?
第一に、梨の質に対するプロ意識が本当に高いのです。長年の経験と確かな知識に基づいて一つ一つ丁寧に梨を育てていらっしゃいます。梨の見栄えではなく、ひたむきに味を追求していらっしゃるのです。
第二に、安全性にも人一倍敏感です。農薬はただ使えばいい/無くせばいいというわけではなく最適な使い方というのがあると私は捉えているのですが、玉井さんは本当に注意して考えていらっしゃいます。「食べる人の体に入れていいものなのか悪いものなのか」という点を常に追求されています。
「見た目」「糖度」「有機農業かどうか」などの分かりやすいレッテルでは伝わらないような、梨の真の価値や農業に対する玉井さんのこうした覚悟を理解してくださる方に、梨を買っていただきたいです。
玉井さん自身も、自分たちのことを分かって買ってくれる人という点に重きを置いていて、そういう人たちとの関係を大事にしていきたいと仰っています。
消費者の方となるべくお互いの顔の見えるおつきあいをしていくことに価値を感じているのです。
「顔の見えるおつきあい」
購入者の方にとっては自分が口にするものは誰がどのように手をかけて作られたのかが見える。生産者としては、ずっと買ってくれている方々の顔や声を思い浮かべながら農作業に取り組むことができる。このことは持続的な質の保証をしていくことにもつながると思うのです。
本当はどの農家さんも、購入される方との「顔の見えるおつきあいがしたい」とは思っていらっしゃるはずです。ただ、残念ながら、消費者一人一人に農家さんが直接販売をしていては農業が回りません。農家さんの中には自力でネット販売をして成功している人などもいますが農作業と並行してそれをやるとなると相当な労力となりなかなか難しく、そのため役割分担として私のような中間の販売業者がいます。玉井さんの場合、販売の部分は自分ではしないでおこうときっと割り切っていらして、値段設定などを快く私に一任してくださっています。
これは玉井さんと販売業者である私との間に強い信頼関係が築けているからこそできることであり、これまで接してきた他の農家さんたちとの間では玉井さんとの間のような関係性を構築することは難しいと実感することが多くありました。
農家の方と販売業者の方との間の信頼関係というハードルを乗り越えたものたちが、我々の元に届くのですね。
クラウドファンディングで果物を売ることの意義とは?
以前果物通販の会社に勤めていた経験から申しますと、果物通販は糖度、値段の安さ、そして見た目など分かりやすい基準を前面に出して売りに出します。これでは本当の意味での安全性や、農作物にかける農家さんの思いを文章で伝えられないと思いました。また、キーワードのインパクトで販売していると、同じようなキーワードを持つ他の商品でも代えがきくので、生産者の方と消費者の方との関係は単発で終わってしまいがちです。
私や玉井さんは、農家の想いを理解して長く付き合ってくれる人たちに買ってもらいたいと思っています。「農家と消費者が互いを支える」という関係を作りたいと玉井さんがよく仰るのですが、「支え合う」ためには互いに長いおつきあいをしていくことが大前提なのです。
CFというしくみでは、これが叶えられます。購入者の方にとっては自分が口にするものは誰がどのように手をかけて作られたのかが見える。生産者である玉井さんとしては、ずっと買ってくれている方々の顔や声を思い浮かべながら梨作りに取り組むことができる。このことは持続的な質の保証をしていくことにもつながると思うのです。
このように、CFを通して「まさに農家と消費者が長く支え合う」という関係性を作れていると感じています。
Kibidangoを選ぶに至った決め手は?
第一に、Kibidangoの担当者さんが最初にしっかり、ゆっくり話を聞いてくれたことです。
Kibidangoの他にも有名どころのCFプラットフォームをいくつか検討したのですが、多くの場合コミュニケーションを取る前に書類などの手続き面を要求されました。話し合うよりも先に、出来上がった書類を見て数字やラベルで評価するのかと思い、少し残念でした。
それに対してKibidangoは条件云々の前にまずきちんとお話をする機会があり、こちらの話をしっかりと聞いてくれました。こことならFace to faceでの人間的なお付き合いができそうだと思い、「もうKibidangoさんだな」と決めました。
このように「人となり」が見えるところがKibidangoのいいところだと思います。
第二に、Kibidango上で継続販売をしている知り合いのオリーブオイル生産者の方の様子を見て好印象を持ったことです。初めはCFというと広告ありきで売り出すというイメージがあり、そんなお金もないしどうしようかと思っていました。すると、その知り合いの方が「Kibidangoはそういう売り出し方じゃなくて想いを丁寧に伝えて賛同を得るということでも成立できるんだよ。実際私もそれで毎年やっているよ。」と教えてくださいました。
これらの理由から、Kibidangoを利用することにしました。
今後の展望は?
初めはいろんな農家さんに声をかけてCFというやり方を広げていきたいなと思ってはいましたが、やはり私としても強い思入れのある農家さんじゃないと熱のこもった文章は書けないのです。中途半端な思い入れでは、やはり「売るため」の文章になってしまいます。常日頃お付き合いがあるくらいじゃないとなかなか文章は書けない、だから今はとりあえず玉井さん一本でやっていこう、そう思っています。
支え合いの関係を基盤に、より多くの支援者さんに玉井さんの梨を長く提供していきたいです。
[CFプロジェクト詳細ページはこちら]
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<大野ひかる>
京都生まれ、北九州育ち。現在は福岡市に住んでいます。
果物通販に携わる過程で様々な農家さんとのお付き合いを経験し、それぞれの農家さんのこだわりと情熱をお聞きしてきました。
特に、玉井農園の皆さんの人柄と梨に惚れ込んでしまい、会社を辞めた後も玉井さんの梨のおいしさを知ってもらおうと活動をしています。
<玉井農園 玉井さん>
大分玖珠(くす)で梨を作っている玉井さんは、超が付くほど真面目な人。お酒もたばこもしません。ご両親が作られた山の上の梨畑を愛情込めて見守っており、長いものでは樹齢70年以上にもなります。梨のほかにも、花、米、ほうれん草などを作っていらっしゃいます。農業に対する玉井さんの信念と覚悟には胸を打たれます。
<Kibidangoのプラットフォーム事業について>
「この世にないモノをつくりたい」「こんなコトを実現したい」そんなアイデアを持ったプロジェクトオーナー(プロジェクト開催者)とサポーターの出会いの場を提供しています。経験豊富なKibidangoの担当スタッフが夢の実現へ向けてしっかりとサポートします。
「Kibidango(きびだんご)」https://kibidango.com
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