自治体の働き方改革を実現し、市民の暮らしも守っていきたい!法改正によって急増する自治体の管理業務をサポートする新サービス「まもりど」とは
アーバンエックスは「都市インフラをアップデートし、すべての人の生活を豊かに。」をミッションに、都市インフラ管理のデジタルサービスを展開しています。
都市インフラにまつわる社会課題は多種多様です。
その最たる例が「人員不足」。労働人口が減少している日本において、インフラ管理のための点検人員の不足は、特に地方都市では大きな課題です。
一方で、管理対象の「インフラ」はどんどん拡大している現状があります。
今回は、将来、管理対象が爆発的に増加することが見込まれている「盛土」を取り巻く課題と、その解決策として開発した、自治体が収集する盛土に関する情報を一元管理する新サービス「まもりど」の開発秘話についてお届けします。
(話し手:「まもりど」事業開発担当 山本・福冨)
盛土問題が自治体の負担へ。「既存の盛土の経過観察」「不適正盛土の早期発見」といった業務が増加傾向に
2021年7月、静岡県熱海市にて豪雨によって不適正な盛土が崩落したことによって甚大な被害が発生したことを受け、危険な盛土等を包括的に規制し盛土等に伴う災害を防止する「宅地造成及び特定盛土等規制法(通称:盛土規制法)」が2023年5月に施行されました。
この法律の対象となるのは「都道府県・指定都市・中核市」。
全国の100を超える自治体が対象となります。
この法改正によって自治体が盛土について把握すべき区域が広がり、従来は丘陵地に造成された宅地等に限って指定されていた規制区域が、自治体のほぼ全域にまで広がる地域もあると想定されています。
しかも、現状ではこれらが宅地造成のための盛土なのか、工事で出た残土の置き場なのか等、盛土の種類によって情報を管理している部署が異なる自治体も多く、複数の部署でデータをバラバラに所有しているケースが散見されます。
さらに、規制対象に工事中の土砂の仮置き等も加わったこともあわせ、「既存の盛土の経過観察」「不適正盛土の早期発見」といった業務の負担が増加しています。法改正によって生じるこれらの事務的な手続きの量は、自治体によっては数百倍になることも予想されているんです。
このような家を建てるために盛土を行うケースもある
都政課題を解決するためのピッチイベントを通じ、盛土の現状を把握。新サービス「まもりど」の開発へ
創業時から、このような都市のインフラ管理にまつわる課題に向き合ってきたアーバンエックス。我々は、「UPGRADE with TOKYO」という東京が抱える様々な都政課題を解決するためのピッチイベントを通して、このような盛土にまつわる現状を知りました。
ピッチイベントの第26回の提案テーマは「都民の力を活用した盛土の見守り(安全性確保)サービスの開発・普及・利用促進」。そこではめでたく優勝することができ、その後1年以上をかけて具体的なシステムを構築してきました。
*詳しくは、UPGRADE with TOKYOの公式note「AI画像検知による盛土の見守りサービス(第26回優勝社 株式会社アーバンエックステクノロジーズ)」をご覧ください。
このような経緯を経て、2024年7月31日に「まもりど」は東京都での運用をスタート。その他の盛土規制法対象都市への展開を開始しました。
盛土のリストアップが急務に。まずは自治体が「見つける」ことを支援する
今回の盛土規制法の施行によって、自治体には大きく2つの仕事が発生しました。
まずは盛土を「見つける」ということ。
これまでは規制区域ではなかった盛土の中にも、今後「危険な盛土」になってしまうかもしれないものは含まれています。その盛土をまずは見つけ、リストアップする必要が生じました。
次に盛土について集めた「情報を管理する」ということ。
リストアップした盛土は、定期的に経過観察をし、市民の暮らしに影響がないことを確認し続ける必要があります。その際、管理表を作成し、場所や状況についての情報を管理しておくことに加え、点検結果のデータも追加していかなければなりません。
一般的にはこの「管理表」と「点検表」の2種類が自治体の報告書として取り扱われるケースが多いため、すぐに取り出せるようにする必要があります。
旧法では指定区域が限られているため、紙で管理している自治体もある盛土。
自治体は、2025年5月までに「基礎調査」「区域指定」「申請手続きの開始準備」を完了しなければなりませんが、どの自治体もまだ準備に着手したばかりのため、情報を管理する必要がある「盛土」がいくつあるのかわかっていません。
そのせいで、自治体の担当者の方は、盛土関連業務のために何人の職員が必要なのか、現段階では気づいていないのが、現在の一番の問題です。場合によっては数百・数千倍の管理対象盛土が生じる場合もあると、アーバンエックスは想定しています。
したがって、盛土を「見つける」という業務が進行してくる今年度〜来年度にかけて、このシステムのニーズが爆発的に増大するのではないかと考えています。
自治体の業務をDX化で解決し、日本のインフラをサステナブルへ
アーバンエックスとして、この「まもりど」を2025年中に全国の対象自治体の10%に導入することを目標としています。
また、今年度中には自治体の皆様が業務において作成が必要な盛土情報の「管理表」と「点検表」を自動生成できるようにする機能をリリース予定です。
そのためにもまずは、共同で開発プロジェクトを進めてきた東京都の皆様の業務状況をしっかりとヒアリングし、全国に盛土業務のモデルケースとして展開できるような基礎づくりをサポートしていきたいと考えています。
この事業を拡大することは、アーバンエックスのビジョンである「都市インフラをアップデートし、すべての人の生活を豊かに。」の達成のために必要なことです。
自治体業務のDXをソフトウェア技術を通じて解決し、日本のインフラをサステナブルにしていきたいと考えています。
その先に実現したいのは、自治体で働く皆様の働き方改革だけではなく、そこに住んでいる市民の皆様の安心して暮らせる環境の実現です。
インフラは、「当たり前」にそこにあるものです。中でも道路のようなインフラは、異常が生じたら比較的早期に発見することができますが、盛土は気づいていないことがほとんどです。今、あなたが暮らしている家の盛土が危険に晒されていることだってあるのです。
我々の暮らしのなかの「当たり前」は、誰かの努力の上に成り立っています。この生活を、何もしなくても維持ができるということはありません。私たちはこの「当たり前」の維持をサポートし、市民の生活も守っていきたいと考えています。
社名:株式会社アーバンエックステクノロジーズ
本社所在地:東京都中央区京橋二丁目5番1号 TCMビルディング2階
代表取締役:前田 紘弥
事業内容:都市インフラ管理のデジタルサービス
設立:2020年4月7日
WEBサイト:https://www.urbanx-tech.com/
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