累計販売個数1億9200万個の「ぐーぴたっ」が23年間愛される理由
累計販売個数1億9200万個の「ぐーぴたっ」が23年間愛される理由
おなかの「ぐー」を「ぴたっ」と止めるというわかりやすいコンセプトで、栄養調整食品「ぐーぴたっ」がデビューしたのは、1997年。今から23年前のことで、当時はこういった菓子に美容系の栄養素が配合されていることは珍しい時代でした。ダイエット中におなかが「ぐー」となるのが恥ずかしいという女性の気持ちに寄り添い、現在まで累計販売個数1億9200万個の「ぐーぴたっ」は今から2年前に大幅リニューアルをしたことにより、現在も伸長を続けています。コロナ禍のもと、太ってしまったという女性の支持も高い「ぐーぴたっ」について、ナリス化粧品 取締役 リテール事業部長の西田隆一に、これまでの変遷について聞きました。
ナリス化粧品 取締役 リテール事業部長 西田隆一
「ぐ―ぴたっ」デビュー当時は「グーピタッ」だった
現在は、しっとりクッキーとビスケットの2種類 各4フレーバーの8品で展開している「ぐーぴたっ」ですが、1997年のデビュー当時は、2フレーバーのグミのみでスタートしました。ブランド名を、「グーピタッ」とカタカナ表記しているのは、おそらく、化粧品会社ならではだと思います。このネーミングは、社内で検討したのですが、化粧品のブランド名は、それまでほとんどが英表記とカタカナ表記。「グーピタッ」のカタカナ表記に違和感を持つ人は誰もいませんでした。当社では、当時は訪問販売流通で、サプリメントなど健康食品の開発実績はありましたが、ドラッグストアやコンビニエンスストアの流通で、こういったお菓子に近いようなアイテムの開発は、初めての事でした。
1997年 デビュー時のグーピタッ
1999年、救世主「ぴたすけ」現わる
デビュー当時の「グーピタッ」は、なかなか売り上げが伸びず、1年後にリニューアルをしたのですが、売り上げは伸びませんでした。ただし、ユーザーとなる女性に徹底的に調査をしたところ、コンセプト調査の結果が非常に良好だったために、再度リニューアルに挑戦することにしました。デビュー当時のパッケージの最大の問題は、「何をしてくれるものかわからない」ということ。キャラクターのおなかの音を止めるというマークも全く伝わっていないことがわかりました。その時に、グミに加えて、ビスケットを投入。パッケージも大幅にリニューアルしました。
大幅リニューアルしたデザインは「グーピタッ」から、「ぐーぴたっ」とひらがなの表記に。デザイナーの、「キャラクターがユーザーに寄り添っていない」との思いと、「カタカナよりもひらがなの方がおいしそうな感じがする」という思いが、「グーピタッ」を「ぐーぴたっ」に変え、親近感のある新しいキャラクターの開発と、キャラクターに中身がしてくれる価値を語らせるというコピーの開発に至りました。この時のこだわりは、中身がしてくれることをきちんと伝えたいという思いでした。ひと箱に食物繊維が7g入っているという設計は、女性が必要とされている1日の必要摂取量21gに対して、一般の女性が摂れている摂取量が14g。その差を埋める量をしっかり摂れるという配合量でした。ブランド名は少しカジュアルで面白い感じですが、企画は至ってまじめ。効果がしっかりわかる配合量を入れていたので、「面白いけど、まじめ」路線ですね。でも、まじめにくどくどと説明するのは女性に嫌われると思い、親近感がわくように「ぴたりん」「ぴたすけ」という名前をつけ、このキャラクターが語るという手法を取りました。このパッケージは2000年にジャパンパッケージデザインコンペティションの健康食品部門賞を受賞。コンセプトがユーザーに伝わるとともに売り上げを伸ばしていきました。
1999年 「ぐーぴたっ」にリニューアル
まるでスイーツ? ゼリーやキャンディまでラインナップ
2000年に入り、ぐーぴたっは、好調なブランドとして成長していきました。
ビスケット、グミに加えて、果肉ジャム入りのソフトクッキーや、豆乳おからクッキー、クリームを挟んだビスケット、キャンディやゼリーまでラインナップしていたこともあります。地域限定のぐーぴたっを発売していたのもこの時期で、ぐーぴたっは、アイテムが増えるとともに認知度も上がっていきました。デビュー当時はメインのユーザーを、女子校生や、女子大生に設定していましたが、そのうちにユーザーは広がりを見せ、OLや主婦層からも支持をいただけるようになっていきました。その時に追及していたことは、「まるでスイーツのようなおいしさ」。いかにおいしそうに見えるか、楽しそうに見えるかということでした。中身のアイテムごとにキャラクターがいましたので、当時はキャラクターであふれ、常に新製品開発に追われているような状態でした。
オトナの「ぐーぴたっ」に大変身 働く女性の「ぐーぴたっ」へ
多くの女性のダイエットを応援してきた「ぐーぴたっ」ですが、2010年代後半になると、多くのラインナップのなかで、アイテムごとにお客様のニーズが異なり、ブランドとしてのパワーが薄れてきたように感じるようになってきました。また、デビュー当時は、ほとんど競合のアイテムが存在しなかったぐーぴたっも多くの競合品のなかで、以前のような存在感をなくしていました。2010年代半ばになると、お客様から、「高校生の時は食べていたけれど今は食べていない」「昔はよく買っていたけれど、そういえば最近買わない」という声が出てくるようになりました。主要なお客様である女子高生や女子大生が、就職や結婚をし、ぐーぴたっから卒業している傾向がはっきり見て取れました。
危機感を感じた時に見いだした結論は、「学生の時に食べるもの」という印象を払拭することです。わたしたちも、今までの「ぐーぴたっ」から卒業しなければならないと感じ、メインのお客様を働く女性に切り替えました。
2018年 ロゴもリニューアル
ぐーぴたっ しっとりクッキー ブルーベリーチーズケーキ
ぐーぴたっ しっとりクッキー ショコラバナーヌ
ぐーぴたっ しっとりクッキー メープルブリュレ
ぐーぴたっ しっとりクッキー 苺のガトーショコラ
ぐーぴたっ 豆乳おからビスケット ショコラ
ぐーぴたっ 豆乳おからビスケット 抹茶
ぐーぴたっ 豆乳おからビスケット いちご
ぐーぴたっ 豆乳おからビスケット プレーン
パッケージもアイテムも一新。目指したのは、かわいいぐーぴたっでなく、「かっこいい女性がスマートに食べるぐーぴたっ」に。SNSなどの販促もオフィスのOLが仕事や会議の合間に食べるというようなシチュエーションを想起させるものに一新しました。現在は、ビスケットとしっとりクッキーの2種4フレーバーの合計8アイテムに絞り込みました。ビスケットは糖類ゼロでたんぱく質入りであることを大きく打ち出し、しっとりクッキーも糖類オフを打ち出しています。カロリーが気になるけれど、スイーツのように甘いものを食べたいと思う女性が、おなかだけでなく心も満たしてくれるように、パッケージでは、中身のフレーバーをイメージできることにこだわり、2018年のリニューアルから1年間で出荷数量は1.3倍の増加。しっかりとリピート買いされるアイテムにすることができました。今までのぐーぴたっを変えることにはとても勇気が必要でしたが、時代に応じた変更は必ず必要だと実感しました。今後も女性に寄り添う、という軸はぶれさせず、必要な変化に対応していきたいと考えます。
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