行動データを元にしたエンジニア採用。日本最大級のエンジニアコミュニティ「Qiita」が仕掛ける、より精度の高い採用マッチング-後編-〜日常のエンジニア活動と転職がよりシームレスに〜
日本最大級のエンジニアコミュニティ「Qiita(キータ)」での活動データを元に企業が採用を行えるエンジニア採用支援サービス「Qiita Jobs(キータジョブズ)」。2019年10月にリリースした本サービスは、2020年8月にコンセプトの変更とサービスリニューアルを発表。
本記事では、実際にサービスを利用する企業との接点を持つ営業チームのメンバーから、サービスリニューアルを経て実際の利用企業から出た「Qiita Jobs」に対するリアルな声を聞きました。
※注釈:「最大級」は、エンジニアが集うオンラインコミュニティを市場として、IT人材白書(2019年版)と当社登録会員数・UU数の比較をもとに表現しています。
▼本インタビューの前編はこちら
岩田 夏実(イワタ ナツミ)
Increments株式会社 Qiita Jobs開発グループ Qiita Jobs事業企画チーム
2009年に株式会社エイチームに中途入社。株式会社エイチーム引越し侍の業務推進部立上げ等を担当し、2016年に社長室人材開発グループに異動。主にエンジニア、デザイナーなどの専門職種の中途採用を担当した後に、2020年2月よりIncrements株式会社に異動。Qiita Jobs事業企画チームとして主にインサイドセールスとカスタマーサクセスを担当。
丸一 智加(マルイチ チカ)
Increments株式会社 Qiita Jobs開発グループ Qiita Jobs事業企画チーム
2016年に株式会社エイチームに新卒入社。株式会社エイチームブライズに配属後、結婚式場情報サイトに関する企画営業を担当。2020年5月よりIncrements株式会社に異動。Qiita Jobs事業企画チームとして主にフィールドセールスとカスタマーサクセスを担当。
福村 朋基(フクムラ トモキ)
Increments株式会社 Qiita Jobs開発グループ Qiita Jobs事業企画チーム
2018年に株式会社エイチームへ新卒入社。株式会社エイチームブライズに配属後、アライアンス企業とのリレーション構築や新規事業の法人営業を経験。2020年2月よりIncrements株式会社に異動。
Qiita Jobs事業企画チームとして主にインサイドセールスとフィールドセールスを担当。
大野 仁美(オオノ ヒトミ)
Increments株式会社 Qiita Jobs開発グループ Qiita Jobs事業企画チーム
2012年に株式会社エイチームに中途入社。社長室人材開発グループや人事企画グループで中途採用、研修、制度などの人事領域を担当した後に、2019年5月よりIncrements株式会社に異動。Qiita Jobs事業企画チームとして主にインサイドセールスとPRを担当。
サービスのプレゼンではなく、企業の課題解決をしたい
-- 利用企業の増加を目指してまず営業組織を変更したとのことですが、現在はどのような体制ですか?
岩田:営業チーム6名の中でマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスに分かれ、それぞれの専門的な動きをしています。BtoBビジネスってどうやってやるんだっけ?というところから始まり、エイチームグループの別のサービスのノウハウも参考にしながら、営業体制の理想形を探しました。始めは手探りで、このやり方が上手くいく確証はない中だったのですが、今のやり方を始めたことによって確実に「Qiita Jobs」に参画していただきたい企業へのアプローチはできるようになってきたと思っています。
首都圏で、エンジニア採用を行っている企業は何万社とある中で、どの企業からアクションするか?コネクションもないくてどうアタックするか?など自分たちがターゲットとする企業に対してどうやって効率的にアクションしていくかがとても重要な課題でした。それを実現させるための体制として、今の組織体制ができあがりました。
-- その際にコミュニケーションの方法も変更したとのことですが、どのように変えましたか?
丸一:事前に現在の採用状況や感じていらっしゃる課題を企業にヒアリングした上で打ち合わせ日を設定しています。これにより限られた時間でも企業に寄り添った提案を行うことができるんですね。一概の課題といっても企業によって内容は本当に様々なので、事前にヒアリングができていると、「Qiita Jobs」をどのように活用していただくことがその企業にとって最も適切なのかという話が打ち合わせでできる点がいいですね。
-- 変えてよかった面はありましたか?
福村:事前に企業との相性は分かるようになりました。はじめは打ち合わせの時間が自分たちのプレゼンテーションの場になっていたのが、企業の課題を事前に聞けているからこそ仮説を立てることができ、打ち合わせ時には解決方法の提案ができるようになりましたね。
福村:また、時間の使い方が変わってきたのも実感としてあります。以前は、短い時間でもお時間をいただき、どれだけ自分たちのサービスの魅力を伝えることができるかを考え、営業活動していました。今は事前情報も含め、企業の課題解決のためにある程度お時間をいただき、コミュニケーションを取りながら、課題に合わせて提案するようになりました。当社が解決出来ない課題で悩まれている場合は、当社のサービスを無理に勧めず、他サービスや施策を提案することもあります。
その結果は数値にも現れていて、受注率も大幅に改善しました。これは企業に自社の課題に合う「Qiita Jobs」の使い方を正しく理解してもらうことができ、サービスにメリットを感じてもらえている結果だと思います。
-- なぜ、特に首都圏の企業をメインに営業活動をしているのですか?
福村:前提として、「Qiita Jobs」の求職者は必ずQiitaユーザーなので、居住地などの属性に関しても「Qiita」の縮図のようになります。Qiitaユーザーは首都圏の方が6割以上(※2020年8月月次、グーグルアナリティクス調べ)を占めているため、特に首都圏の企業が「Qiita Jobs」を利用すると、より求職者としての母数も多く、マッチ度の高い採用を行える可能性があるという点から首都圏の企業をメインとしています。
期待をしてくれて一緒にサービスを作っているからこそ、私たちにできることに全力で応える
-- 現在はカスタマーサクセスにも注力しているとのことですが、それによって何か良い部分はありましたか?
丸一:企業と密なコミュニケーションを取れるようになったのは大きいですね。営業として、契約企業を増やすアクションをメインで実施していた時は、企業の課題をお伺いして、「Qiita Jobs」での解決方法の提案までしかできなかったのですが、今は提案したものを実践していただき、効果の振り返りまで一緒に追えるので、おこがましいですがエンジニア採用を一緒にやり切っているといる感覚を持っています。
現在の「Qiita Jobs」だからこそできるカスタマーサクセスという内容だと、プロダクト自体もまだ立ち上がったばかりで、4月にチーム採用を緩和し、8月に大きなサービスリニューアルを行うなど常に大きな変革期がきているんですね。ただ、その分打ち合わせなどでいただいた意見をすぐサービス改善に活かせるという点はメリットだと思います。
企業の採用担当者様から、他のサービスでは実現が難しい機能だけど、「Qiita」や「Qiita Jobs」であればこういうことができるよねという意見をいただいて、実現できる実行力とスピード感はあると思います。これは「Qiita Jobs」でしか叶えられない部分で特に大きなポイントです。
岩田:あとはリニューアルが予定より遅れてしまった時も、開発の状況を理解してくださり、リニューアルを待ち遠しくもあり期待して待ってくださったことや、ここを直して欲しい!という要望などを気軽にいただけることも企業との距離感が縮まっていることを感じました。
しかも、その改善は差し込みでやれてしまう。ちょうど改修しているタイミングなので、使いづらいという意見を開発に伝えると、じゃあ一緒にやっちゃいましょうとなるコミュニケーションが新鮮でもあり、企業と一緒にサービスを作っている感覚がすごくありました。
-- すごくありがたいことですが、企業はなぜそれでも利用してくれるのでしょうか?
岩田:それは期待をしてくださっているからに尽きるのかなぁと思います。
よくお声を聞くのは、「Qiita」というプラットフォームをベースにしたサービスであるということへの期待や可能性をすごく感じていること。
もちろん、サービスの未熟さでご迷惑をかけていることは私たち自身も重々理解しています。成熟していて使いやすいサービスを提供できることがベストですが、一緒に関わってくださっている企業はこのサービスに期待も込めて使っていただいているので、だからこそ私たちも、ひとりでも多くの求職者との出会いを作っていただけるように、全力でサポートして結果を出したいという想いに繋がっています。
-- 企業からいただいた声で、「Qiita Jobs」ならではのポイントはありますか?
丸一:エンジニア採用って特殊で専門的な知識が必要だと思うのですが、今回のリニューアル後の管理画面では、エンジニアの知識がなくてもエンジニア採用ができるというのは一つポイントですね。そしてその求職者のより深い部分を見たい場合は、「Qiita」のマイページに遷移することもできるので、活動データや投稿記事などのアウトプットも確認することもできます。
現場と連携して採用を進めていく必要がある場合、エンジニアの本業は開発なので、なかなか採用活動への工数に多くの時間は割いてもらえない。そのためある程度採用担当者で進めていかなければならないけれど、知識が少ないから適切な候補者を絞れないという声を聞きます。
「Qiita Jobs」では言語や活動データなどの定性的な条件でも絞り込みができるので、現場のエンジニアと連携をする際もスムーズで、仮に知識がない採用担当者でも使いやすいサービスだとおっしゃっていただくことが多いですね。
大野:その他で嬉しいお声をいただいたのは、他のサービスの求職者プロフィールは基本的に自己申告制ですが、「Qiita Jobs」の場合は転職用に作られたものではなく、日頃のリアルな活動データという点ですかね。エンジニアがエンジニアを見る時の視点は非エンジニアと異なる点もあるらしく、「Qiita」での活動内容を見るとそのエンジニアを表していることが多いそうです。
スキルを知ること以外にも、人に何かを伝えたい時の文章の書き方や構成力など、人となりまではいかないにしてもそういうことも含めて「Qiita」の記事を見ていますという、エンジニアの採用担当者の方もいますね。
そのように求職者の「普段」が見える部分は「Qiita Jobs」の強みでもあり、今ご利用いただいている企業の皆様にいいなと感じていただいているポイントの1つだったりします。選考の対象となるデータが転職するために作られた自己申告のものだけではなく、エンジニア活動している日常の行動なので、双方にとってより精度の高いマッチングに繋がるのかなと。
チャットリクエストの承諾率「30%」の理由
-- 独自の「チャットリクエスト」という機能は通常のスカウトと何が違うのですか?
丸一:「チャットリクエスト」はよりカジュアルに求職者とコミュニケーションを取ることができる機能です。企業によってとても柔軟な使い方ができるため、直接的な採用面接や面談の案内もできますし、もう少し手前の部分として、自社で開催している会社説明会や勉強会への招待にも使っていただけたり。何かしらエンジニアにアプローチしたい企業であれば、柔軟に使っていただけると思います。
岩田:またチャット形式なので一気に選考に進むのではなく、まずはテキストのみのコミュニケーションで完結している企業もあります。チャット開設後、まずは具体的にどんな仕事をしているかといった相互理解の内容や、興味を持った点などをテキストベースでコミュニケーションしていただき、双方が良いと感じた場合のみ面談や面接に進むケースがあるようです。
チャットで温度感を図りながら、次のアクションに備えられて柔軟に使えるということは、それぞれの企業のスタイルに合わせることができ、また求職者のスタイルや転職に対する温度感にも合わせることができるので、コミュニケーションの取り方は無限大だと思います。
大野:あとは、「Qiita」の投稿記事を見た上でチャットリクエストを送ることができるので具体的な話をすることができ、求職者の方もなぜ自分に声をかけてもらったのか納得感を持つことができます。その結果としてチャットリクエストの承諾率もかなり良い数字になっています。リニューアルの1つとして「Qiita」上に「Qiita Jobs」の通知も表示されるようになったことで、チャットリクエストの承諾率は現在約30%まで上がっています。この点も非常に喜ばれるポイントですね。
エンジニアの方は普段の活動で自然に「Qiita」にログインするので、その行動の延長線上で企業からの声かけに気づくことができます。企業からの声かけにそもそも気づいていなかったという状態は解消されているかと思います。
このように、これからは転職が特別なことではなく、エンジニアの普段の活動とシームレスな世界にできればと思っています。
▼サービスリニューアルに関するのプレスリリースはこちら
「Qiita Jobs」について
日本最大級のエンジニアコミュニティ「Qiita」のネットワークを使って、エンジニアの次の仕事を最高にするお手伝いをする、エンジニアに特化した採用支援サービスです。
Qiitaが持つ様々なデータとネットワークを活かして、企業と仕事を探すエンジニアの最適なマッチングを提供します
https://jobs.qiita.com/e/about/recruiting
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