眠れる着物帯を、あなただけの唯一無二の作品に蘇らせる「ORIOBI(折り帯)」とは
” 4億点 ”
突然ですが、この数字は何かわかりますか?
正解は…日本全国の箪笥に眠っていると試算される着物帯の数なんです。
この眠れる数々の着物帯を蘇らせようと生まれたブランドが「ORIOBI(折り帯)」です。
筆者である私自身、「ORIOBI」に出会うまで、家庭に眠ったままの着物帯がまさかこんな数にも及ぶとは考えてもみなかったです。
弊社IGLOOOが2020年8月にローンチしたストーリーテリング型越境ECサイト「VOYAPON STORE(ヴォやポンストア)」にて取り扱い第一号ブランドが「ORIOBI」です。
ここで「ORIOBI」についての簡単なご紹介と、心に響く素敵な誕生秘話をご紹介させてください。
▼目次
- 着物帯にまつわる歴史と現状
- 「ORIOBI」誕生のエピソード
- 作家 磨美の想い
1.着物帯にまつわる歴史と現状
かつて、日本の高度経済成長の時代には、絹産業は約45兆円もの売り上げがありました。
しかしながら、人々の服装が和装から洋装へと変化するにつれて生産需要は激減し、その多くの織屋は閉業してしまいました。
職人だけではなく、原材料となる絹や糸、糸を染める職人、道具を作る職人など多岐に渡り、日本の誇るべき技術を受け継ぐ人々は時の流れと共に減り続けています。
そして、消費者の箪笥にあると試算されている4億点もの着物帯も、その多くが着物を着る機会の減少などにより箪笥に仕舞われたままになっています。
日本の素晴らしい技術や伝統的な美しさを誇る帯。
こんなに素敵なものが箪笥にしまわれて陽の目を見ずに眠ってしまっているというのはとても残念なことです。
「箪笥の奥にしまったままの帯、何か使い途はないだろうか・・?」
「リメイクして使いやすいものに形を変えようか・・?」
後に紹介いたしますが、できれば帯にハサミを入れるということはしたくないと考えていた作家 磨美は「そのまま一本の文様や織の美しさを活かすことはできないだろうか?」と思いつきました。
そうした試行錯誤の中出来上がった作品が、日本の「折り紙」の文化を帯に用いた「ORIOBI(折り帯)」という装飾品です。
帯を「折り紙」のように造形したものであることが分かりやすいよう、「折り帯」と名付けられました。
作家自身の、いずれは今なお国内から世界中までも幅広い層に親しまれている伝統文化「折り紙 」のように、「ORIOBI」が身近にどなたでも楽しめるものになれば…という願いをもとに、活動を行っています。
「ORIOBI」の特徴は、帯の形態には一切手を加えずにそのまま1本を使って創っている点です。
作品を解いて元の1本の帯に戻し、そこから他の作品に創り変えることも可能なのです。
一つ一つが唯一無二の一点モノの作品です。
2.「ORIOBI」誕生の秘話
「ORIOBI」が生まれたきっかけは、作家 磨美とその祖母との何気ないやり取りから生じた失敗と後悔、そこから得た気づき、工夫でした。
以下、ORIOBIのnote.より引用
ある日、離れて暮らす祖母が、もう使っていないのでせっかくだから使って欲しいと古い帯を送ってきました。
祖母の帯は色褪せ、シミや汚れやほつれもありました。
どう使ってもよいと言うので、思い切ってハサミを入れ、綺麗なところを切り取り、テーブルセンターとクッションカバーを作りました。
思いのほか洋風だった家にもよく馴染み、その空間が華やかになりました。
母に報告すると、「えっ…」と一瞬間をおいてから、
「もう私は使わないのでどう使ってくれてもいいよ」と言ってくれました。
私は帯にハサミを入れたことを激しく後悔しました。
もしかしたらその帯は祖母の大事な人からの贈り物だったのかもしれない。
もしかしたらその帯は祖母が少しずつお金を貯めて、やっと手に入れた高価なものだったのかもしれない。
その時、帯ひとつひとつに持ち主の想いや大切に扱われてきた歴史・物語があると気づきました。
そこで私は考えました。
祖母の想い、持ち主の想いを汲んで、帯にハサミを入れずにそのまま1本を使い何かにできないものかと。
まだ切っていなかった祖母の帯を取り出し、表を見て裏返し、ひねったり丸めてみたりしました。
そうだ、折り紙のように傷がある見せたくない部分は折って隠し、美しい文様を表に出してみよう!
こうして生まれたのが「ORIOBI(折り帯)」第一号の壁飾りです。
このようにして、静岡の一般的な家庭でのやり取りの中から「ORIOBI」は誕生しました。
普段の何気ない家族とのやり取り、その中から生まれる些細な気づきや工夫から、その人だけの唯一無二な作品になり得るのです。
3.作家 磨美の想い
「装飾品からはじまった「ORIOBI」ですが、日常生活に溶け込むよう、親しみのあるものとしてより身近に感じてもらうため、「ORIOBI」作品をできるだけ忠実にミニチュアサイズで再現したアクセサリーも展開しています。「ORIOBI」作品は帯を切らないことを大切にしているため、ミニチュアのアクセサリーは帯を切ってリメイクをしたものではなく、帯地のハギレで一からミニサイズの帯を作成し、ひとつひとつ手作業で丁寧に作っています。日本では帯をはじめ"昔ながらのモノ"の需要が少なくなってきています。
日本独自の繊細さや技術を新しい形で知って貰いたいという想いで、「ORIOBI」アクセサリーの製作を始めました。
「VOYAPON STORE」にて、大変光栄なことに第一弾の商品ラインナップのひとつとして、今回「ORIOBI」も掲載いただきました。
日本文化に興味のある欧州ユーザーの方へ向けて、IGLOOOさんと共に日本独自の帯や西陣織の美しさを広めていくご協力ができれば嬉しく思います。」
「VOYAPON STORE(ヴォやポン ストア)」は「ORIOBI」をはじめ、” つくり手の想い "や物語を商品と共に、欧米豪を中心に海外へ発信していくストーリーテリング型越境ECサイトです。
詳しくは以下ページをご覧ください。
ECサイト:「VOYAPON STORE(ヴォやポン ストア )」
サービスリリース:PRTIMES
ORIOBI作家/磨美
静岡県出身。
それぞれの帯が持つ “持ち主の方との歴史や物語” をもとに、その想いを汲んだ作品創りを心がけている。
現在は冠婚葬祭向けの記念装飾品としての《想い帯》制作にも力を入れるほか、より多くの人に日本の伝統的な美しさを伝えるための展示会やワークショップなどの創作活動を行っている。
ORIOBI公式HP:ORIOBI.jp
※ORIOBIは作家磨美の登録商標です。
※ORIOBIに関わる著作権、及びその他一切の知的財産権は当作家に帰属します。
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