「人生って意外と 捨てたもんじゃないよ。」
「病院から何か書類届いてるよ」と
電話があった。
この頃には実家ではなく嫁さんと一緒に東京に住んでいたから。
本当は自分の目で確認したいけど結果が気になる。
母親に内容を読んでもらう事にした。
「性別変更判定会議におきまして身体的治療の適応が承認されました。」
やった。
ついに性別適合手術する事を認められた。
母親にお礼を言い電話を切った。
本当に嬉しかった。
戸籍が男になるまであと少し。
嫁さんも喜んでくれた。
手術は2013年3月21日に決定した。
手術をする名古屋へは手術前日入り
新幹線に乗り込みいざ名古屋へ。
前日は病院近くのビジネスホテルに、仕事を休んでまで付き添ってくれる嫁さんとチェックイン。
手術前日にやっておくように指示されたのは、
爪切り、
21時以降の絶飲食、
下の毛を全部剃る、
浣腸をする事。
浣腸と剃髪は嫁さんにお願いした。
2人とも経験がないので思ったよりかなり苦戦したな・・・。
浣腸にいたっては、挿入がうまく行かず激痛が。
トイレに行ったら物凄い勢いで出血してた・・・。
それでもなんとか完了。
翌日に備えて睡眠薬を飲み寝た。
いよいよ手術当日がきた。
朝7時にもう一回浣腸をして9時にタクシーで病院へ向かった。
病院についてすぐに手術着に着がえて点滴を開始した。
9時45分に手術室へ入る。
麻酔科医の先生に全身麻酔をされてからの記憶は全くない。
記憶が戻ったのは夕方位だった気がする。
手術時間は3時間ちょっとだったらしい。
手術はそんな感じで無事に終わったけど、麻酔から覚めたその後はマジできつかった。
まずは頭が朦朧として面会に来てくれた嫁さんともまともに話せない。
それに加えて下腹部がめちゃくちゃ痛む。
一晩で3回痛み止めの点滴を追加してもらった。
吐き気も辛かったね。
吐き気止めの点滴も2回追加してもらった。
その日の夜は浅い眠りにしかつけなかった。
上手く身動きが取れず腰とか首も朝になるころには物凄く痛かった。
夜になって看護師さんが水を少しだけ飲ませてくれた。
前回のおっぱいの手術と同じくこの瞬間は非常に幸せだ。
丸1日我慢した水を飲んだ時の幸せ感は格別。
オレは全く酒が呑めないからよく分からないけど、
真夏に風呂上りでビール呑むのと同じ位だと思うよ。
全身麻酔だったせいか、眠気っていうかフラフラ感も次の日の朝まで続いてたな。
おっぱい取った時の麻酔は硬膜外麻酔だったので、
すぐに麻酔は切れて意識もすぐにはっきりしてたからね。
やっぱり全身麻酔の威力は凄い。
目が覚めて良かったとつくづく思った。
手術2日目の朝、ゼリータイプの飲物をくれた。
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