「人生って意外と 捨てたもんじゃないよ。」
④ 婦人科での検査
性別適合手術にはもう一つ必要な事がある。
それが婦人科で
染色体の検査、
性器が女性器であるかの確認、
ホルモン値検査。
要するに医学的に体が女性で間違いないかの検査をする。
オレらみたいな人間にとっては非常に嫌な検査だ。
そりゃ
「あなたは間違いなく女ですよ。」と
レッテルを貼られるんだからね。
それでも手術の為には乗り越えなければいけない。
重い足取りで婦人科へ。
見た目が明らかにオッサンな奴が婦人科に入れば痛い程の視線を浴びるのは当然で・・・。
結局、待合室に居座る勇気は無く、受付の人に伝えて外で待つ事にした。
まるで変質者(笑)を見るかの様な眼差し。
変質者じゃありませんから。
残念。
順番が来て看護師さんが呼びに来てくれた。
超うつむきながら診察室に入る。
まずは問診。
現在の治療状況、今までの性経験等を簡単に話して内診へ。
痛かったわ。
マジでめっちゃ痛かった。
先生優しくしてってマジ思ったわ。
足ピーンってなったわ。
そんな内診も5分位で終わり血液を採って終了。
次回は1か月後に検査結果と意見書をもらいに来る。
次回は絶対一人なんかで来るのだけはやめようと思った。
もうこんな痛い視線を浴びるのはこりごりだ。
1か月後は嫁さんを引き連れて病院へ行った。
これなら付き添いの旦那さん風で問題なし。
検査結果は性器も女性で染色体も女性で問題なかった。
ん?
問題無かったでイイのか?
まあイイか。
先生の意見書をもらい終了。
これでもう、おっぱいも無いし、子宮と卵巣取っちゃうから
一生婦人科のお世話になる事は無くなった。
めでたしめでたし。
あばよ婦人科。
⑤ 性別適合手術
全ての準備が整い、
性別変更判定会議
(患者が身体的治療を受けるべきかどうかを検討するために、各分野の専門医と
法律関係者からなる会議)にかけられた。
結果は自宅に送られてきた。
嫁さんと冗談で
「残念ですが女として生きて行って下さいって書いてあったらどうする?」
なんて言ってたけど、オレの心の中は正直不安だらけだった。
この会議で認められなければ性別適合手術が受けられない。
イコール戸籍を男に出来ない。
マジこの判定一つでこの先の人生が地獄になってしまうかもしれないからね。
母親から
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