「人生って意外と 捨てたもんじゃないよ。」
痛みはないけど、とにかく物が持てない。
会議に向かう時にノートパソコンを両手で重そうに持っているのを見て
同僚は笑ってたわ。
オレ的には笑いごとじゃないんだけど、なんせいじられキャラなんでね。
そんな感じで1週間を過ごし術後初の病院へ。
先生に診てもらったら胸の中に体液が結構溜まっていたらしい。
ぶっとい注射器で体液を抜きとる。
まだ感覚は戻ってなかったから痛みはなかったけど血を抜かれたせいか、
貧血を起こしてベットに倒れこんだ。
すぐに治ったけどね。
体液が溜まりやすい体質みたいで、またバンドを巻いての生活に逆戻り。
しかも週2ペースで仕事終わりに名古屋の病院へ通院した。
正直あれはきつかった。
5回目位でやっと次回は1か月後でイイって言ってもらえた。
長かったな。
でもまめに病院で処置してもらったお蔭できれいに仕上がりました。
乳首を移植したら腐ってとれちゃう人も結構居るらしいけど、
オレの乳首は頑張った。
乳輪が無いのが何とも言えず奇妙だけど、今後刺青して乳輪を作るらしい。
乳輪が刺青って(笑)奇抜。
これが乳房切断手術の記録。
今でも完全に感覚が戻っている訳でなく、所々の感覚が戻ってきてる状態。
乳首の感覚は戻る事は無いらしいのが切ないけどね・・・。
手術してまた一歩男の体に近付き自信を持てたそんな手術だった。
③ カウンセリング
乳房切断手術も終わり、性別適合手術に向けて、
遅ればせながらガイドラインに沿ってカウンセリングを開始した。
性別適合手術を実施する条件として、
2名の精神科の意見書(診断書)が必要である。
通常であれば半年〜1年程度かかるそうで。
オレの場合は1人の先生につき1回の計2回で終了しちゃった。
多分かなり稀なケースなんだと思う。
1回で済んだ理由には、
まず周り(家族・友達・パートナー・会社)に全てカミングアウトをしていて、
すでに日常生活が男として確立されていた事、
長年、男として生きて行くと言う強い意志が揺るがなかった事、
外見が男にしか見えない事、
手術費用が用意出来ている事とか、
みんなが精神科の先生のカウンセリングの元で進めて行く事を
全て済ませていたからと思う。
精神科の先生から聞かれた事は、
1.家族歴
2.病歴
3.生活歴(物心ついたとき・小学校〜友人関係・いじめなど)
4.職歴(仕事で辛かったこと・主に人間関係)
5.性歴(初恋・どちらの性を好きになるか・等)
6.性別の不快感(いつからか・どのように)
7.望みの性に近づくためにしたこと、
8.今後はどの様に生きて行きたいか
くらいだったかな。
1人目の先生が詳細なカルテみたいな物を作成してくれ、
2人目の先生とは、そのカルテみたいなものに書かれた内容に
間違いがないかの確認をした。
そんな感じであっけなくカウンセリングは完了して、
2名の精神科の先生の意見書(診断書)をもらえた。
こういう場面ではつくづくツイてる奴だ。
著者の大川 忍さんに人生相談を申込む
著者の大川 忍さんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます