児童養護施設(14~15歳)

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著者: 橋本 隆生
児童養護施設は、大まかに一日のスケジュールが決まっています。
音楽も好きな時に聴くことはできません。音楽を聴ける日は土日の昼間のみでした。
 
色々と制約はありましたが、家に比べれば何倍もマシでした。
父と継母への憎しみがどんどん増していました。
怒りで吐き気と寒気がするくらい。
 
施設では”勉強の時間”というのがあるのですが、
勉強を教えてくれる人がいる訳ではないので、基本は自習です。
学校の授業についていける子は少ないので、勉強嫌いな子がほとんど。
勉強の時間ではあるものの、雑談で終わりというのが現状でした。
 
僕は家出から始まり、児童相談所の一時保護所経由で施設に入ったので、
1~2ヵ月位は学校に行っていません。
考えてみれば、勉強についていける訳がないのです。
 
施設に入っている子たちはみんな、勉強の必要性を感じていなかった気がします。
なぜなら”中卒で就職”という選択をする子たちが多かったからです。
早く施設を出て、自分で金を稼ぐことに憧れを持っていました。
 
そんな施設での僕はまた孤立していました。 
心がすっかり歪んでいた僕は、暴力的な性格に逆戻りしていたからです。
でもそれはあくまで施設内でだけ。学校ではすぐに友達ができました。
そして施設の職員、学校の先生に対して心を開くことはありませんでした。
とにかく大人が大嫌いだったから。

ちなみに僕が入っていた児童養護施設。
職員の暴力行為は日常的にありました。
”お仕置き”はだいたい暴力です。
その”お仕置き”は風呂場で行われていました。
施設内では、適度な広さの密室がそこだったからです。

今日もまた誰かが風呂場に連れていかれる。
その様子を見ていつも思っていたのは、
 
”本当に大人はクソだ…”

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進路(15~16歳)