【第12話】『答えを出さなきゃ…』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜
長野県突入!!
山梨を突っ切り、長野に辿り着いた。
長野なんて、スノボのバスツアーでしか来たことがない。
「長野まで歩いて来ちゃったよ!」
「自分すげーよ!」
「すげーよ!自分っ!!」
胸は高鳴った。
日本海までの道のりはまだまた遠い。
しかし、確実に近付いている。
ゴールは見えなくても、進んで来た道のりが正しいと実感出来ると、
また更にやる気が出る。
現在の自分の居場所を知って、
「まだまだだ…」
と落胆することも出来るが、
「ここまで来れたんだ!」
と自分を賞賛することも出来る。
その違いはきっと、
「なぜゴールに辿り着かなくてはならないのか?」
という「動機」と、
「何としてもゴールに辿り着いてやる!」
という「情熱」の差だと思う。
僕は、自分の限界を知らなければならなかった。
今後の人生を、納得した選択をするために、
何としても限界というゴールへ辿り着かなければならなかった。
「本当の自分の気持ちが知りたい!」
たったこれだけの理由で、歩き続けた。
道の駅「信州蔦の木宿」に到着。
この道の駅は、温泉がある。
前日、お風呂に入っていなかったため、ここで一風呂浴びたかったが、
足の所々に巻き付けたテーピングを外し、また巻き直すのに気が引けた。
一度しっくり来たテーピングを巻き直し、それがまたしっくり来るかどうかは分からない。
それに何と言っても、お風呂に入っていたら、かなりの時間をロスしてしまう。
今の優先順位は、お風呂より、前に進むことだ。
芝生でストレッチをし、少し休憩して、道の駅を後にした。
「今日も天気がいいぜー!!」
カーペンターズの曲に、
「雨の日と月曜日は私を憂鬱にさせるの」
という曲があるように、
「晴れの日といい景色は僕をハッピーにさせる」
何とも良き日だ!
絶好の歩き日和!
気持ちが軽くなると、足も軽い。
しかし、段々雲行きが怪しくなる。
富士見峠…
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