【第12話】『答えを出さなきゃ…』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜
現在の時刻は午後2時過ぎ、
7時に出発をしたから、もうすでに7時間以上歩いていることになる。
今までなら、7時間歩けば夕方になっていて、泊まる宿を探している時間だ。
しかし、今日はまだまだ時間がある。
まだまだ前に進める。
早起きは三文の徳だ!
しかし松本まで52km。
今日辿り着くのは不可能だ。
とりあえず、行けるとこまで行ってみよう!
しかし、もうすでに7時間以上歩いている。
富士見峠のせいで、右足もイカれた。
何とか歩けてはいるが、恐らく右足の限界は近いだろう。
それに…
なんかお尻が痛い。
朝から足を運ぶ度に、お尻の穴の辺りが痛痒い。
「何なんだ!このモヤモヤ感は??」
まさか…
「漏らした…?」
お尻の穴が気になって気になって仕方が無くなって、
コンビニのトイレでお尻の穴を確認した。
「痛ッ!!!」
幸いなことに漏らしてはいなかったものの、
お尻の穴周辺から割れ目にかけて、タダレていた…。
思い返せば、昨日の野宿…
道の駅のトイレはウォシュレットが付いていなかった。
僕のお尻は結構デリケートで、ウォシュレットを使わないと、すぐに切れ痔になる。
それに、公共の場のトイレにあるような硬いトイレットペーパーは最強の天敵だ!
さらに、お尻がキュッとなる補正機能の付いたタイツを履いたまま寝袋で寝たため、
お尻の割れ目が引っ付いたままの状態で長時間、温い温度に晒されていたのだ。
お尻が蒸れたらしい…。
そして更に、割れ目が密着したまま長時間歩く。
割れ目が擦れあって、タダレたらしい。
僕のお尻の穴は大惨事だった。
何とも地味な痛みと痒みが付き纏う。
「こりゃリンデロンだな。」
※リンデロンとは…肌に塗るステロイドの入った薬
「今は塗れないから、宿に着いたら治療をしよう。」
そう誓ったところで、コンビニを出た。
外は寒い。
やけに寒く感じる。
店内には、まだ10月だっていうのに、暖房が入っていた。
さすが長野だぜ…。
もう冬じゃないか…。
また外でストレッチをした。
寒かったから、靴は脱がず、紐を緩めて休憩をした。
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