【第13話】『神様がくれたもの』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜
「達成感」
というものを感じた。
この感動を、早く誰かに伝えたくなった。
諏訪湖は清々しかった。
湖の沿道は、陸上トラックのように柔らかい素材で、
足への負担もかなり少なく、とても歩きやすい。
小学生の頃、陸上競技をやっていた僕は、
久々に踏みしめるトラックの感触に懐かしさを感じた。
足の痛みは残っているのに、
全力で走りたい気分になった。
そして諏訪湖を抜ける。
あの柔らかい道のおかけで、随分と足が軽くなった。
「まだまだ行ける!」
そしてこれから、難所に立ち向かう。
下諏訪から塩尻間。
どうやらここは山を越えるらしい。
諏訪湖を抜けた途端に、上り坂道になる。
前日調べた情報によると、
山を越えるのに、塩尻峠と旧中山道のルートがあるらしい。
途中でこの2つに道が分かれる。
分岐点に向かう。
こっちに行ったら、塩尻峠。
こっちに行ったら、旧中山道。
実は、前日の時点でどちらのルートに行くか決めていた。
「中山道」
なぜ中山道にしたかと言うと、
「峠」と「道」
どっちが辛そうかと言ったら、「峠」でしょ。
それに地図を見ても、クネクネした道で、距離が長い。
一方中山道は、そのクネクネを一直線に突っ切ることが出来る。
最短距離なのだ。
しかし、僕は大きな間違いを犯していた…。
「中山道」
僕はこの道を、
「なかやまみち」
著者の坂内 秀洋さんに人生相談を申込む
著者の坂内 秀洋さんにメッセージを送る
メッセージを送る
著者の方だけが読めます