ずっと気になっていたニューヨークへ。思いつくまま、ノープランで行ってみた。
東京の友人、青柳さん。
年に4度も、NYに来ているという彼。
おいしいお店なら、得意分野です。
NY出発前、青柳と一緒にランチした時のこと。
「かして」
私の携帯をひったくるように手にすると、
見たこともないアプリをダウンロード。
ランチ中、ほとんど会話もなくひたすら私の携帯に、
NYのおすすめレストランを入力してくれていた。
一カ所は、行かなくては。
そう思ってたところ。
NYのコーヘー君と相談により、トルコ料理に行くことになった。
電車ですぐ。
私たちは、行列のできた、トルコ料理屋さんに並んだ。
NYのコーヘー君の、NY在住の友達も2人合流。
革ジャンに、パッツンおかっぱ、ベティちゃんのような
とても個性的な出で立ちの女性と、
対照的に、ノームコアな雰囲気の優しそうな男性。
二人の新しい友人たちは、
どちらも9年、11年の長いNY生活。
こちらの生活がどんな感じなのか、
NYに住むってことに、興味があった私は、
話をきいてみる。
NY在住11年女性。
でもやっぱり、お金って必要じゃん?
ってなニュアンスで。
NYのオフィスで働くルーティンさ、
アメリカ人は、意外とNOと言えなくて陰口を叩く、etc……
生活するためには、お金が必要、
そのためには、雇ってくれる仕事をやらなければいけない、
多少やりたくないことでも、
退屈していても、
仕事は、生きるために必要なこと。
だって、お金を稼がなくてはならないから。
私は話をききながら、なぜかとても退屈していた。
NYに住むことには、とても興味があったんだけど、なぜか。
テーブルを囲んで、野村さんは、うんともすんとも静かで、気配を消していた。
ご飯を食べ終えて、新しい友人たちと別れると、
またまた2人のコーヘー君と私と3人になった。
で、結局私たち、表現したい人たちならば、
やるしかないだろう、と、毎度の話になった。
やっぱりそうなのだ。
☆
そうしてあらためて、野村さんとホテルにもどり、
さっきのことがらは何だったのか探ってみる。
「ボク、おならばっかりしてました」
そっか。静かだと思ったら屁ばっかりこいてたのかー。
「やっぱり、あの二人は退屈してるんじゃない?
退屈してる人からは、退屈しか出てこないよ」
そかー。なるほどー。たしかに。
だってさ、そういう話って、
東京でも、よく聞くじゃない?
どこに住んでいようとも、毎日を充実して生きてないと、退屈してしまう。
海外にいけば、NYに住めば、変わるってわけじゃない。
あたりまえなんだけど、NYに住みたかった私には、
改めて、教えてもらった気がした。
☆
最後のNY宿泊。
窓際に寝る野村さんとベッドを交換してみた。
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