ずっと気になっていたニューヨークへ。思いつくまま、ノープランで行ってみた。
候補1のお店は、とにかく美しいお店で混んでいた。
候補2も1時間待ち。やはり人気のお店は混んでいるんだなー。
そうやってぶらぶらと古着屋さんなんか見ながら、
足をのばすとなんともシャレたお店がみつかった。
「5分くらいで、案内できます」
ちょっと薄暗くて重厚感があって。
なんとなく中東なイメージもありながら、NYの感じ。
とても、いいですね。
お店のボーイさんは、
紙製のテーブルクロスにメニューを書き込みながら、
なれた口調で説明をしていく。
う〜ん。ふくざつなんだけど、どれもおいしそう。
ほとんど、料理の想像ができなかった、わたしたちは、
コーヘー君の解説により、いくつかのメニューを注文。
注文が終わって、ミントティーをのみながら、
やっと、落ち着いて話をすることができた。
私たちは、コーヘー君のNYライフについて。
「このブルックリンも、昔は物価が安かったけど、
今ではだいぶ観光地化してコマーシャルな場所になってしまって……」
コマーシャル。
聞き慣れないことばの使い方に、また、NYを感じてみたり。
はたまた、作家でもあり、絵描きでもあり、写真家でもある私たちは、
それらをどう世に出していくか、ということにも話は及んだ。
コーヘー君。
「アメリカのアートはコンセプトが一番最初にくるから、そこをはっきりさせておかなきゃいけないみたい。アートスクールでも自分のコンセプトを相手にプレゼンテーションするトレーニングが凄く多いんだって。
だから、みんな自分の作品を説明するのがすごく上手だと思う」
ということらしい。
そっかー。コンセプトかー。
あんまり考えてなかったなー。
NYでの生活で、表現の仕方について
いろいろ考えているコーヘー君の語りは新鮮で、
私たちは、もぐもぐ、うんうん、うなずきながら、話をきいた。
☆
おなかが満たされた私たちは、ブルックリンの街をぶらぶらと歩いた。
ショーウィンドーに並ぶ、洋服、雑貨、本屋さんは、どれも魅力的。
全身タイツのようなものから、かわいらしい色のワンピース、
面白い服がいっぱいあって、私は次々に試着した。
なかでも、蛍光ピンクのピタピタのボディコン風ワンピース。
野村さんもコーヘー君も気に入ったらしくて、
二人そろって「これ、面白くていいじゃん」と、推薦。
女性らしいとか、かわいいとか、男性うけ、
って枠からは外れた視点で意見を言ってくれる。貴重。
日本に帰ってから着れるかどうかは別にして、私はいっぱい買った。
☆
コーヘー君と別れた私たちは、そのままぶらぶらと、
マンハッタンまで歩いて帰ってみようということになった。
橋。なんていう橋なのか、ブルックリンとマンハッタンをつなぐ、橋。
私たちは、歩いてわたる。
ジョギングする人や、自転車の人が私たちをぬかしていく。
きのうの日差しとは、うってかわって、肌寒い曇り空の中。
私と野村さんは、ブルックリンのことやNYのことや、
コーヘー君のことを思って歩いた。
40分もあるいたら、マンハッタンについた。
こうなってくると、そのままホテルまで帰れる気がして、
いけるところまで、歩いた。
道すがら、韓国系の安くてカラフルなアクセサリーショップを見つけた。
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