僕と家族とひきこもり。悲しみの底で見つけたカウンセラーという生き方を目指した2190日。 その2

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それでも、一生懸命に聞きました。何にもできずに、ただただ、事情を聞いて、

そして、当たり前のアドバイスしたかできませんでした・・・。


将来あの本の人のように

あのキャリアカウンセラーのように

人を元気にしたかったのに、目の前の友人に対して、


学校へ行った方がいい、そんな昔のことは気にするな。
友人A
・・・。そうなんだけど・・・。
確かに、昔色々あったな、、、。恐いのはわかるけど、でももったいないよ。そんな奴らのことで、お前の人生くるっちゃうの。このままでいいわけないだろう。
友人A
そうだよね。でもさ・・・。

と、内容は詳しく書けませんが、自分の事は棚に上げて、アドバイスを繰り返すばかり・・・。


その時は、一生懸命でした。

でも、話を聞き終えてから、


「何をやってんだ・・・」

「自分の事を棚に上げて、、、。俺は何もできなかった、、、。」

「友人の意見を聞けてもいなかった、、、。結局押しつけや正論を振りかざしただけ、、、。」


そんな思いが湧き上がり、ものすごく後悔して、落ち込みました。

結果的に、その後、その友人はネットの世界から少しずつ離れて

勇気を持って一歩進んでいって、定時制の学校に行き始めました。


野川さん、おれ~の学校に行って、そのHPに写真があるから見てよ!
すごいな!まじか!もう、こっちの世界に戻ってきちゃだめだぞ!


そんな報告をチャットでしてくれました。それを読んで、

彼の勇気に感心し、その勇気が羨ましくもありました。


その写真で、彼の顔を初めてみましたが、


「意外と、身長たかいな!」というのが、僕の第一印象でした。


そして、「よく進んでいったな・・・。すごいな・・・。」とつくづく思いました。


しかし、その友人は、その後またイジメのような心のない言葉を

人から言われたり、石を投げられたり、色々とあったようで、その度に

僕は彼に、「そんな奴ら気にすんだよ!」と言って励ましていました。

それでもその友人は、何ヶ月かは通っていました。

いました。というのは、その後連絡が取れなくなったからわからないのです。


その後、どうなったのか知らず、果たして本当に学校に行ったことが良かったのかも分からず、人の人生にかかわる難しさを痛感しました・・・。


それでも、、、今度、同じように相談される時にもっとましな人間になっていたい・・・。

もっと、本当の意味で話を聞けるように、その人の寄り添えるように・・・。

そんな思いから僕はカウンセリングを学び始めるわけですが、それはもう少しあとのお話です。


それから僕は、「あいつが出たんだから俺もでないと、、、!」とそう思って、


ゲームから少しずつ離れていきました。


でも、それでも僕はなかなか前に踏み出すことはできませんでした。

それどころか、自責の念や後悔が止まりませんでした。


「あいつにとって、よかったんだろうか。もっと人生経験があれば・・・。」

「俺は、自分が引きこもっているのに何やってんだ。」

「自分が出来てないことを言って、おれの現実は未だに変わらない・・・。」

「なりたい人にもなれていない、結局前と変わらない・・・。」

「はぁ・・・。友達は、あんなに前に進んで働いているのに、おれはいつまでこんなことを・・・。」


そんな思いが続き、もう何も考えたくもなく、ただただ死んだように寝て、ゲームをして、の繰り返しでした。そんなころにはゲームのプレイ時間が9600時間を超えていました・・・。


・終わりにしよう・・・と思ったあの日。


「もう、無理だ・・・」


「生きているのも辛い・・・、もう疲れた・・・。こんな人生嫌だ・・・。」


そう思って、もう終わりにしよう・・・。

と、そう思いました。


生きているんだか、死んでいるんだかよくわからず、そのころには気持ちすらも感じられず、


ロボットのような感じで、何も感じませんでした。


「でも、いきなり死んだら悲しむだろうな、死んでいる姿をみたら、悲しむだろうな」


と、そんなことを思って、僕は手紙を書くことにしました。


死ぬ前に、最後に手紙を書くことにしました。


そして、きちんとした紙もなかったので、そこらへんに重なっていた紙を何枚か取り出して、


ペンを右手にとり、机もなかったので、床に紙を置いて、手紙を書き始めました。


「お母さんへ・・・」


そう書き始めた時の事です。


今まで、何にも感じなかったのに、全身の毛が逆立つように、ぶわっといろんなものがこみ上げきました。今まで何も感じなかったのに、いろんな気持ちがこみ上げてきました。


その瞬間、本のこと、これまでのこと、色々な思い出がよみがえってきました。


なんなんだこれは!と思いながらも、その気持ちはとまらず、


気づいたら泣いていました。


ありえないくらいに、泣いていました。


「ごめんね、、、こんな息子でごめんね、、、。育ててくれてありがとね、、、。」

その言葉を、ひっくひっくと声を出して泣きながら、何とか書きました。

(死にたいはずだったのに・・・何でこんな涙が出てくるんだろう・・・)


そう思いながら、このままじゃダメだ手紙が書けない・・・。


そう思って、次は、「お父さんへ・・・」と書き始めましたが、


これも書けません。


怒られた事、大喧嘩したこと、育ててくれたこと、


酔っぱらって帰ってきては、マックのフィレオフィッシュを買ってきてくれたこと。


成人した年のお正月に、父さんと二人で、一升瓶を開けてべろんべろんに酔ったこと。


一生懸命どなりあって、最後に「ひとし、たのむよ・・・」って、泣きじゃくるぼくの左肩に


手をそっとのせて、語り掛ける父の声、そして泣きそうになる父の顔を思い出しては、


もうそれ以上、文章が書けない・・・。


おねえちゃんに関しても、そうです。

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