『ペ●スノート』:Page 7「緊迫」

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「いや、でも使うったって、需要とか供給とか云々かんぬん・・・・・てな訳でお引取りください。」






剣もちょっと粘ってみた。






「ね〜〜え〜〜!使ってよぉ〜!使わないとオイラがつまんないの〜〜!!使ってってば〜〜!!」






ヌークは仰向けになりちっちゃくてキュートな手足をバタバタさせながら駄々をこねていた。お前はデパートのおもちゃ売り場で子供騙しのスペース系もしくはバトル物みたいなお粗末な玩具(おもてゃ)が欲しくて泣きわめいてる子供か何かか。




だが、このままヌークを駄々っ子状態にさせるのも腹の虫の居所が悪いと剣は感じていた。なのでとりあえず虹空の名前でも吹き込んで見てペ⚫︎スノートの効果を見てみるか・・・・・・としたその時である。






「ねえナイトくん。」






「おあっとビックリ!!!僕たちが予期せぬうちに妹の娘撫(んこぶ)が!しかも天井に背中がへばり付いたままでの登場だァ!」






まるでエク⚫︎シストか何かで悪霊に取り憑かれた女の子のような行動を平気で私生活にぶっこんでくるので、お兄ちゃんはね、君のそこ直した方がいいんじゃないかなーって思うんだ。だからクラスの皆に内心煙たがれたりL⚫︎NEで君への愚痴・悪口・誹謗中傷を書くためのグループが盛り上がるんだよ?「顔がハツカネズミとブロブフィッシュをごちゃ混ぜにしてそこにサボテンを加えた感じ」とか。「服のセンスが致命的にダサすぎて、あれとダンゴムシを比べたらダンゴムシの方がオシャレに見える」とか。「八つ裂きにしてしまえ!」とか。君そんなこと言われてるんだよ?・・・・・・と剣はすごく説教したくなったが、さすがにやめておいた。






「な、何だよ・・・・何か用あるの?」




まだ動揺が収まっていないが、とりあえず平気な振りをして取り繕うことにした。






「お風呂入りたい。風呂入れて。」




「えー・・・・まだお風呂掃除済ませてないよ・・・・」




「じゃあお風呂掃除もして」




「娘撫ちゃんももうショウガクセイなんだからそのくらいのことはジブンでできるようにシマショウネー。」






妹の勝手な我儘には、白目ひん剥いて煽てるのが一番いい。






「はやくしろはやくしろはやくしろはやくしろはやくしろはやくしろはやくしろはやくしろはやくしろはやくしろはやくしろはやくしろはやくしろはやくしろはやくしろはやくしろはやくしろはやくしろはやくしろ」






娘撫は天井に張り付いたまま、まるでゴキブリのように地を這うかの如く、天井一面をハイスピードで急旋回していた。ちなみに動き回りながらじっとこちらを見つめている。こわい。やめて。




そしてその状態が6分34秒間経った時、突然ピタッと動きを止め、こちらをより凝視した。そして25分30秒間の沈黙が続いた後、娘撫はついに言葉を発した。






「オマエ、手ニシテイル機械ミタイナノハ一体ナンダ。」






娘撫の視線の先にあるものはどうやら剣ではなく、剣が持っているペ⚫︎スノートだったようだ。虹空は、どうも嫌な予感がした。






「いかん!剣、それを早く隠しっ・・・・コピぺァ!!!!!」






天井にいる娘撫の腕が瞬時に伸び、虹空に思いきり右ストレートをかました。「⚫︎NE PIECE」でいうなら、”ゴ⚫︎ゴムの銃(ピストル)”みたいなモノだと想像してほしい。



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