フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 27話

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だって私は、もう大学には行かないつもりだったのだから。





その晩は眠れなかった。



すぐ手を伸ばせば届くところに寝ている母の寝息が


思いの外、大きいせいでもあったかもしれない。




母は、一晩泊まって行くことになり

帰宅して着替えて、横になったきり寝息を立て続けていた。






私は、暗闇の中で罪悪感と虚無感の間を行ったり来たりしていた。




今なら、母の期待に応えられる人生に戻れるかもしれない。


引き返すなら今だ





でも…




私は何度も寝返りを打った。




すでにもう、どこにも希望なんてないような気さえした。



私は再び、行き場を失ってしまったような気持ちに苛まれていた。






翌朝、母は帰って行った。


駅まで送ると言うのに

必要ないからと言って聞かず、アパートの前で別れた。



背の小さい母が見えなくなるまで


私は思いつめた顔で見送っていた。




大学へ戻ろう…




私は虚ろな目で、そう呟いた。




重い足取りでアパートの階段を上った。


誰かの声がする。


まだ今なら、引き返せる


それこそが正義だと…






部屋に戻るなり、気持ちが変わらないうちにと


私はクローゼットの営業用の派手な服を引っ張り出して

全て段ボールに詰め込んだ。



それから客の名刺フォルダーを取り出した。



300枚近い名刺がぎっしりと入っている。



これを即座に処分するのは、さすがに躊躇われた。



一年分の、私が捨て身でしがみついて手に入れた結晶そのものだ。


思えば、屈辱や苦難の連続だった。




でも、それでも私がやっと見つけた居場所だ。


これを捨てると言うことは


私はその居場所を失くすということだ。



私は、思い切って

全ての名刺をファイルから出した。




そして、それを一枚一枚、破ってゴミ箱に入れ始めた。




名刺はホステスにとっては

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