フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 27話

5 / 5 ページ

前話: フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 26話
次話: フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 第28話

「玲子は逆にせいせいしてるさ」



「え…?」




「いや、いい。前々から、そろそろパテオは潮時って思ってて。

   元々、あっちが地元だし仲間もいる。前からさ、店何軒も経営してる

   昔の先輩から俺に店 任したいって話もらってたんだわ」




私はが黙っていると

佐々木はためらいがちに言った。




「でも、お前のこともあったから…俺も迷ってたんだよ」




私たちは暫く沈黙した。



佐々木が消えてあれだけ、凹んでも

いざとなると、何一つ言葉が出なかった。


そもそも私には引き止める権利なんかないのだ。




「杏…」




佐々木のいつになく神妙そうな声が、先に沈黙を破った。




「俺な、お前のショーめちゃくちゃ好きだったんだわ。

   今だから言うけどセクシーだったよ。誰よりも綺麗だった。

   始めは不格好で、大丈夫かよコイツって思ってハラハラ見てたけどよお、

   なんだかんだ  お前ってオレの想像を遥かに超える骨のある奴なんだよなぁ」




「な…なに言ってんですか」




「あそこは、お前の最高の居場所なんだって思う。

   お前が一番輝ける場所、そうだろ?

   だから今まで、とんでもねえことがあってもお前はやめなかった。

   違うか?俺はそう思うね。

   だから今はお前をパテオから奪っちゃいけないって思ったんだよ」



私は破りかけの名刺を強く握りしめた。


何勝手なこと言ってんの…本当に。




「もう、戻らないつもりなんですか?」





「お前と俺はいつか会える。必ず…この世界にいれば」




「私がやめたらどうするんですか?」




「お前は…やめないだろ?」




佐々木は妙に自信のある声で言った。




「一つ言わなきゃいけないことがある。

   実はこのためにお前に電話したんだ。」



「何ですか?」




佐々木が、受話器越しに一呼吸置いたのが分かった。




「お前ならナンバーワンになれる」



胸がドキドキした。

ナンバーワン…



ナンバーワンという響きにこんなにまだ未練があるなんて。




「何でそんなこと、急に」



「だから一つだけ忠告しとく」


   

「何ですか、忠告って…」



私が言い終わるか終わらないうちに

佐々木が言った。



「玲子には気をつけろ」











著者のYoshida Maikoさんに人生相談を申込む

続きのストーリーはこちら!

フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 第28話

著者のYoshida Maikoさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。