ある小さな女の子の生きた姿

6 / 8 ページ

娘の髪の毛はもうほとんど抜け落ちていたけど、

本当に二人で過ごすことが楽しいようで、

キャッキャ言って遊んでいたのを思い出します。



娘の体に病気がみつかり、

あれだけどん底にいた真っ暗な気持ちというのが嘘のように、

この時は希望に満ち溢れ、

笑顔の絶えない毎日だったと思います。



そして退院。

普通に自転車に乗ったり、

公園で遊んだりできるようになるなんて・・・。



我が子の回復が夢のようで、

嬉しくて嬉しくて頑張った娘と息子へのご褒美なんだと、

毎日家族一緒に過ごせる喜びをかみしめていました。



こうやって病気をしたという経緯があるため、

保育園等に行きたいと思っても

なかなかOKしてくれるところは見つかりませんでした。



ところが病院で知り合ったお母さんが保育士をしていたことをきっかけに、

なんと一緒に幼稚園へ行って話をしてくれたのです。



そのお母さんは「断られるなんておかしい」と怒ってくれて、

熱心に園の先生に説明してくれました。

そのお母さんのお子さんも、

娘と同じ病を患っていて、

ずっと一緒に治療を続けていました。



だからどういうところに気を付けて、

どうしたら園に通うことができるようになるか、

よく分かっていたのだと思います。

そのお母さんのおかげで、

娘は普通の幼稚園へ通うことができるようになりました。



今まではお家と病院でしか過ごしたことのない娘。

入園初日は手と足が一緒に出るぐらい、

ガチガチに緊張していましたが、

すぐにお友達に慣れて一緒に遊ぶことができました。



お友達と一緒に遊んだりお勉強したり。

そうやって普通の子がやっていることが、

自分にもできる喜び。



毎日本当に楽しかったようで、

今日は何をやったんだよ、

給食のお当番さんだとこんなこと言うんだよなど、

仕事から帰ってきた私に一所懸命お話してくれました。



そして運動会やマラソン大会にも出ることができました。

つい半年前までは入院していたなんてことを忘れさせてしまうぐらい、

元気いっぱい。

幼稚園に通える喜びを、

体いっぱい使って表現していました。



病院の方はというと、

月に一回ぐらい、

経過を見に通っていました。



お薬の変更があったり、

先生には幼稚園での出来事を話したり。

順風満帆にいっていたと思った矢先、

一つの暗い影が娘に忍び寄ります。



ある時先生から伝えられたのは

娘が白血病に罹ったというあまりにも辛い一言でした。



なんで?

あんなに頑張って辛い思いをして元気になったのに?



呆然自失となりましたが、

一度治療を経験しているからか、

ショックもあったのですが、

それよりはじゃあまた頑張って治すしかないという

思いにチェンジしました。



先生から娘に、

また治療が必要なことを話すと、

娘は気丈にも

「分かった、がんばる。がんばって、また幼稚園に行く。」

と娘は言ってくれました。



その娘の言葉を聞いて、

私たちも覚悟を決めました。

病気をやっつけるため、

また一緒に頑張ることにしました。



幼稚園の先生にも事情を伝えなければなりません。



担任の先生に話すと、

それからわずか一日の間に娘と先生方、

お友達みんなとの写真を撮って印刷して、

さらに一人一人メッセージを添えて

一冊の本にして娘へ頑張ってねと渡してくれました。



入院の知らせを聞いたお友達のお母さんは、

以前娘が書いたイラスト(女の子)があったのですが、

それをわざわざ刺繍してくれて、

著者のMasayoshi Fukushimaさんに人生相談を申込む

著者のMasayoshi Fukushimaさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。